生きづらい人が避けた方がいい起業テクニック「巨人の肩に乗れ!」

脱世間起業への道
第29回
生きづらい人が避けた方がいい起業テクニック「巨人の肩に乗れ!」
┃「巨人の肩に乗れ!」ってどういう意味?
有名な起業のテクニックの一つに、「巨人の肩に乗れ!」というものがありますよね。
もともとは、新しいアイデアを生み出すための「ことわざ」のようなもの。
自分で一から考えるより、過去の偉大な業績や成果を調べ、それを応用する方が、効率的で成功する可能性が高いという意味です。

ただ、最近のビジネスでは、使われ方が変わってきています。
「すでに大きなプラットフォームがあるなら、それに参加した方がいい」という意味で使われていますね。
たとえば・・・、
・商品販売したいなら、自分でECサイトをつくるより「Amazon」に出店した方が早い
・オンラインセミナー業をしたいなら、自分で集客や動画配信の仕組みを用意するるより「Udemy」に出店した方が早い
大きなプラットフォームには、すでに多くのユーザーがいますから、わざわざゼロからお客さんを集める必要がありません。
また、たくさんの人が出店しているので、利用料も安く済みます。
一人で起業する場合、時間も人手も予算をできるだけ抑えたいですよね。
だから、「巨人の肩に乗れ!」と強くすすめられることが多いのです。
┃生きづらい人が巨人の肩に乗らない方がいい理由
「巨人の肩に乗れ!」は、今や一人起業の常識になっています。
しかし・・・。
もしあなたが生きづらさを抱え、脱世間起業をするのなら「巨人の肩に乗る」のは避けた方がいいでしょう。
もしくは、利用方法を限定して「慎重に乗る」ことをおすすめします。
理由は大きく分けて三つあります。
1.巨人の肩は「激戦区」だから
2.巨人の肩は「コミュニケーション上手」の独壇場だから
3.巨人の肩は「批判の嵐」が吹き荒れているから
一つずつ説明しますね。
┃巨人の肩は「激戦区」
まず「1.巨人の肩は「激戦区」だから」から解説していきます。
巨人の肩に乗ればたくさんのメリットがあるのは、みんなが知っている。
だからこそ、そこにたくさんの人が出店しています。
そのなかで勝ち抜くためには「より多くの人にウケるもの」をつくる必要があります。
これ、生きづらい人がもっとも苦手なことの一つですよね。
でも、そうしなければ、自分の商品をアピールしてもらえず、巨人の肩に乗ったメリットは激減してしまいます。
さらに、たいていの巨人は「バリバリ頑張る人」が大好きです。
つまり、たくさんの商品やコメントを、昼夜を問わず巨人から発信する人を優先する傾向があります。
それをしない人は、巨人のなかで埋もれ、日の目を見ることはできないのです。
せっかく脱世間起業して、自分の感性に合った商品をつくり、自分のペースで仕事をしようとしていたのに、結局、
・多数派の感性に合わせた商品をつくりつづけ
・猛烈な競争を勝ち抜かなければいけない
という本末転倒な状況になってしまうのです。
そんなはずじゃなかった・・・と弱音を吐こうものなら、
「ビジネスはそんな甘い世界じゃない!」
「私が起業したときは毎日寝ないで仕事したよ!」
というナルシシズムたっぷりのお説教をくらってしまう。
それが、巨人の肩という「激戦区」の実状なのです。
┃巨人の肩は「コミュニケーション上手」の独壇場
生きづらい人が巨人の肩に乗らない方がいい二つ目の理由。
それは、巨人の肩は「コミュニケーション上手」の独壇場だからです。
大きなプラットフォーム(巨人)の側からしてみれば、たくさんのお客さんに買ってもらいたいですよね。
となると、出店する人がコミュニケーション上手で「人間関係をつくるのがうまい人」だと助かります。
しかも、規模が大きいゆえ、不特定多数のあらゆる人とのコミュニケーションを求められます。
その方が、ファンになってもらいやすいし、お客さん一人ひとりに売り込みやすくなりますからね。
そのため、大きなプラットフォームには、積極的にお客さんとコミュニケーションをとるための仕組みがいろいろと用意されています。
どんな人ともコミュニケーションを取ることが上手であればあるほど、それらをうまく使いこなし、売り上げをあげていくことができるのです。
生きづらい人は、コミュニケーションが「とことん苦手」な人が多いですよね。
苦痛とすら感じる人もいるでしょう。
しかも「お客様フィルター」をとおしていないので、自分に合う合わないは関係なく、容赦なくコミュニケーションを求められてしまうのです。
そんな状態でが、「コミュニケーション上手」の独壇場に入ったら。
無理にコミュニケーションをしようとして苦しくなるか、それを避けるがゆえに、プラットフォームに参加した意味がほとんどない状況になってしまうのです。
┃巨人の肩は「批判の嵐」が吹き荒れている

この時点ですでに、巨人の肩がいかに生きづらい人にとってしんどい場所か、感じていただけていることと思います。
ただ、まだあるんです(笑)
三つ目の理由は、巨人の肩は「批判の嵐」が吹き荒れている。
これが一番大きな「巨人の肩を避けた方がいい理由」です。
先ほども見たように、大きなプラットフォームは、身を粉にして売り上げをあげてくれる出店者さんを望んでいます。
となると当然、クレームを積極的に聞こうとして、真摯に改善させようとしてきます。
これ自体は、素晴らしいことですよね。
ただ、そのクレームが紳士的で、本当に意味のあるクレームであるならば、です。
ご存じのとおり、大きなプラットフォームのコメントのクレームは、たんなる「言いがかり」が非常に多いですよね。
頭にきてる人が書くわけですから、紳士的で意味のあるものになっていない。
まさに「批判、批判、批判」のオンパレード。
そんなものに、心が敏感は生きづらい人がさらされてしまったら・・・。
もはや目も当てられない状態になってしまうのは、明らかでしょう。
巨人の肩は、「批判の嵐」に耐えられるドン感な人しか乗っていられない場所なのです。
┃生きづらい人は「巨人のミニチュア」をつくればいい

あなたは今、こう感じているかもしれません。
生きづらい人が、巨人の肩を避けた方がいいのはわかった。
ではいったいどうすればいいだ、と。
それは「巨人のミニチュア」をつくればいいのです。
つまり、大きなプラットフォームのミニチュアをつくる。
そこで一人、自由気ままに、自分のペースで事業を展開すればいいのです。
一般的にあまり知られていないことがあります。
それは、自分だけの「Amazon」や、自分だけの「Udemy」をつくるプラットフォームも、じつはたくさんあるという事実です。
それを使って、自分一人で出店する。
そこで、巨人がやっているような集客法や販売方法をマネしてみる。
それだけで、収益をあげる仕組みをつくっていくことができます。
じっさい私も、自前で、動画販売サイトやオンラインサロン、オンラインスクールを運営しています。
どれも巨人の肩に乗っていません。
すべて巨人のミニチュアをつくって運営しています。
爆発的な売り上げはありませんが、一度の赤字も出さずちゃんと利益を出しています。
そしてなにより・・・。
そこには「激戦」も「過剰なコミュニケーション」も「批判の嵐」もありません。
ほんとに気が楽で、かつ、とても充実しています。
なぜなら、自分の気の合うお客様にだけ向けて、全力で力を尽くせばいいからです。
それは「巨人の肩」に乗らず、「巨人のミニチュア」をつくることを選択したからです。
もちろん、「巨人のミニチュア」をつくるのは、「巨人の肩」に乗るより最初の手間はかかります。
ただ、それは一人でもくもくと作業するだけ。
「激戦」も「過剰なコミュニケーション」も「批判の嵐」にさらされることとくらべたら、私にとっては快適ですらありました。
「巨人の肩」に乗るのは、生きづらい人にとって避けた方がいいという理由、伝わりましたでしょうか?
┃巨人の肩に乗る「メリット」
とはいえ「巨人の肩」に乗るのは、魅力がありますよね。
そこで、「巨人の肩」に乗るメリットとデメリットを、しっかり一緒に把握していきましょう。
そのうえであらためて、自分は「巨人の肩にの乗る」のが向いているのか、「巨人のミニチュアをつくる」のが向いているのか、はたまたそれ以外の方法が向いているのか。
ぜひ、これからご紹介する「メリット」と「デメリット」を参考にしてみてください。
巨人の肩に乗る「メリット」
1.すでに多くの顧客やユーザーがいるため、新規顧客を獲得しやすい
2.優良出店者になればプラットフォーム内で積極的に集客してもらえる
3.すでにシステムがそろっているので出店までの時間を削減できる
4.セキュリティやプライバシーに関する規制や対策が整備されているのでそれに合わせればいい
5.決済方法の選択肢が多い
6.SEOに強い場合が多い
7.多くのユーザーが利用しているため信頼性が高い
8.配送で便利な仕組みを提供してくれる
9.初期費用をかけずに出店できる場合が多い
10.レビューやコメント機能が充実している
11.世界的な規模で展開しているプラットフォームなら海外進出しやすい
12.ユーザー数や取扱い商品数が多いため、似たような業種や商品をとおして「ついでに知ってもらう」ことができる
どうでしょうか?
たくんの顧客やユーザーがすでにいるからこそのメリットがたくさんありますよね。
そして、すでにある仕組みを利用するからこそ、時間や労力の短縮することができます。
さらに「巨人の肩に乗っている」ということ自体にブランド価値がある。
「巨人の肩」は、やっぱり魅力いっぱいです。
┃巨人の肩に乗る「デメリット」
次に、デメリットも見ていきましょう。
1.利用料や手数料が自前で運営するよりも高くつく場合が多い
2.独自のルールが多いので、それにしっかり合わせる必要がある。
3.出店者が多いため、競合が激化する
4.利用規約やプライバシーポリシーが厳格なため、個人事業に向いていない場合がある
5.新しい機能などを自分の都合で追加はできない
6.「その他大勢」の一つに加わるがため独自性やアイデンティテが弱くなる
7.レビューやコメントが推奨されているため批判の嵐が吹き荒れている
8.積極的なコミュニケーションを求められる
9.規模が大きくなりすぎて、細かい使いやすさが低下する場合がある
10.アカウント停止の判断などを一方的にされてしまう
いかがでしょうか?
たしかに、「巨人の肩に乗る」メリットは大きい。
ただ、生きづらい人にとってパンチのある「デメリット」がいくつかある。
メリットとデメリットの数というよりも、そのデメリットの威力の大きさが問題ということですね。
そのため、「巨人の肩」に乗るのをためらう人がとても多いです。
┃まとめ
大丈夫です。
迷っているのはあなただけではありません。
一人で起業するうえで、大切なのは、その起業の目的ですよね。
もしあなたが、一般的な起業ではなく、脱世間起業をしたいのなら。
つまり、お金よりも、自分の「居場所」をつくりたいのなら。
そして、起業することで自分の心を癒したいのなら。
ぜひ「巨人のミニチュアをつくる」ことを検討してみてくださいね。
そこには「解放感に満たされた人生」への道が、あまたを待っています。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり
脱世間起業への道 <目次>
1.正社員になることは本当に「安定」なのか?
2.「起業しないリスク」が急激に高まっている
3.会社勤めはもう限界、でも起業も無理…
4.「バリバリ稼ぐ」か「静かに暮らす」か?
5.早めに起業に踏み出す絶大なメリットとは?
6.起業したいけど「やりたいこと」が見つからない
7.まずは「自分のため」に起業しよう
8.起業が成功するたった一つの条件
9.起業のための「最低限のやる気」を出す方法
10.「仕事が楽しくない」を解決する方法
11.なかなか起業に踏み切れない本当の原因とは?
12.起業の失敗で負うダメージが怖いとき
13.ビジネス本を読んでも稼げない理由
14.起業したいけどビジネスに興味がもてない
15.起業したいけどクレームが恐い
16.起業しても本当に食べていけるだろうか・・・
17.準備不足で起業すると「人生の財産」が手に入る
18.なぜ今が起業の絶好のタイミングなのか?
19.なぜ理由もなく「起業は怖い」と感じてしまうのか?
20.「会社員」と「起業」どっちがお得?
21.情報発信したいけどネタも自信もないとき
22.脱世間起業すると自分の「正解」が迷いなく見える
23.積極的な売込みが苦手な人のための4つのWEBマーケティングテクニック!
24.生きづらい人が起業の「やる気」を維持する方法
25.批判を避けて「ナマ温かい場」で起業しよう!
26.起業でボロボロになる生きづらい人たち、その原因とは?
27.起業の壁「私より詳しい人がいる」の解決法
28.生きづらい人は「40代向けサービス」で起業しよう
29.生きづらい人が避けた方がいい起業テクニック「巨人の肩に乗れ!」
30.まだ「お金」のために起業してるの?
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