あなたは本当に自分に「甘い」のか?診断テストと改善法
心地よい人生の便り
<38通目>
あなたは本当に自分に「甘い」のか?診断テストと改善法
あなたは、自分に甘いと悩んでいますか?
自分の甘さに直面すると、本当につらいですよね。
そこでこのコラムでは、自分に甘い人の診断テストや、自分の甘さの改善法を、現役の生きづらさ専門カウンセラーがご紹介していきます。
さらに、自分に甘くなってしまう心理や、「自分に甘い自分が嫌い!」という悩みの解決方法まで詳しく解説していきます。
目次
┃【診断】自分に甘い人の特徴とは?
自分に甘い人には、24個の特徴があります。
カウンセラーという仕事がら、自分を甘いと責める人、他人の甘さに腹を立てている人の声をよくうかがいます。
そのなかで共通しているのが、次の24個なのです。
あなたもぜひチェックしてみてくださいね。
1.遅刻してるのにコーヒーは買って出社する
2.すぐ人に頼る
3.ギリギリにならないとやらない
4.家事をしようとしない
5.気がつくとダラダラ時間を過ごしている
6.すぐお金を借りようとする
7.楽しいことしかやりたくない
8.かんたんにあきらめる
9.決心してもすぐにくつがえす
10.誰も見ていないと仕事で手を抜く
11.散財をする
12.ご褒美がないと動かない
13.とにかく責任を回避する
14.1秒も残業をする気がない
15.筋トレやダイエットが続かない
16.他人には厳しい
17.自分の子どもにはとくに厳しい
18.あらゆる作業が雑
19.無理しない範囲でしかやらない
20.自分の時間や快適さをなにより守ろうとする
21.笑って済まそうとする
22.「まあ、いいか」が口癖
23.適当な返事ばかりしている
24.面倒なことから距離を置くのが上手
いかがでしたか?
なかなかパンチの効いた特徴ですよね。
これらが15個以上当てはまったら、世間からは「自分に甘い!」と思われてしまうでしょう。
もしあなたが、この診断にあまり当てはまらないのに「自分に甘い」と悩んでいるなら。
ちょっと自分に厳しすぎるかもしれませんね。
その場合は、後半の「自分に甘い自分が嫌い」からお読みいただくといいでしょう。
自分に甘いと「本気」で悩んでいる人のための対処法をご紹介しています。
┃自分に甘い人の末路
・自分に甘い人はモテない
当然ながら、自分に甘い人は異性からはモテません。
責任を回避し、適当なことばかり言っていたら、つき合いにだらしがないと思われてしまいます。
さらに、ともに生きるパートナーとしても信頼をしてもらえません。
・自分に甘すぎるとみんなから嫌われ味方がいなくなる
自分に甘いまま生きていれば、その人の甘さを周囲の人がフォローしつづけることになります。
さらに、いいかげんな態度にふりまわれたり、ときには大きな損害を受けることもあるはずです。
そのうえ、笑って済まそうとしてしまえば、相手を深く傷つけることにもなります。
だから、周りからは誰もいなくなってしまうだけでなく、嫌われ、敵視されてしまう結果にまでなってしまうのです。
┃自分に甘いのは病気なのか?
「甘え」と勘違いされてしまう病気に「非定型うつ病」というものがあります。
たとえば、旅行や飲み会などは行けるけれど、仕事に行こうとすると具合が悪くなってしまう。
そのため「自分に甘いだけだろう!」と言われてしまうのです。
本人は本当に具合が悪くなっているのですが、そんな自分を「都合よく甘えているだけだ」と責めて苦しんでしまう。
そんな方からのご相談を、カウンセリングの現場でもよくお受けします。
一方、「非定型うつ病」にかぎらず、心の病気と診断されたことを利用して、過剰にレジャーやサボりを楽しもうとしている人、しかもそこに罪悪感をまったく覚えていない人もたしかに存在します。
精神科医の香山リカさんも、著書『仕事中だけ「うつ病」になる人たち』のなかで、病気と甘えをきっぱり切り分けられない難しさについて述べておられます。
「病気」という一言で、人の心は判断しきれない難しさを感じざるをえません。
┃自分に甘くなる心理
そもそも自分に甘い人は、どうして自分に甘くなるのでしょうか?
それは主に、次の8つの心理が働くからだと考えられます。
・人に迷惑をかけていると気づかない
本当に自分に甘い人は、そもそも自分の甘さによって人に迷惑をかけていることに気づいていません。
だから、反省する機会がない。
そうしていつまでも自分に甘くしつづけてしまうのです。
・悩まないし引きずらない
もし周囲の人に迷惑をかけていると気づいても。
本当に自分に甘い人は、それを気にすることがありません。
「迷惑をかけてしまった」
「なんて自分はダメなんだ」
と悩まないし、決して引きずりません。
そのため、甘い自分でいつづけることができるのです。
・自分のことを最優先したい
本当に自分に甘い人は、自分の好きなこと、嫌いなことがはっきりしています。
そして、その判断基準を最優先したいと無自覚のうちに考えています。
だから、息を吸って吐くように面倒なことからは距離を置くことができます。
また、人に頼ったり、他人に厳しくすることがためらいなくできるのです。
・他の人の苦労を軽く見ている
本当に自分に甘い人は、自分の苦労よりも他人の苦労を軽く見ています。
また、能力的に恵まれている人も多く、自分が軽々できることは他人も軽々できると思っている傾向があります。
そのため、そうかんたんには人を助けず、一方、気軽に人にものごとを押しつけてしまうことがあります。
それが他人からは「自分に甘い」と見えるのです。
・結果が出ないことはやりたくない
同じく、結果をしっかり出してきた人も多いため、結果が出ないこと、苦手なことには手を出さない傾向が見られます。
それがプライドの高さとあいまって、結果がでないことはやらない姿勢になっていく。
もしくは、褒めてもらえたり評価されなければやりたくないという考え方になっていくのです。
・なんとかなると信じ切っている
多くの人に助けられ、ここまで無事に生きてきたので、「なんとかなる」と信じ切っている人もいます。
しかしじっさいは、なんとかなってきたわけではなく、周囲の人が見かねて「なんとかしてきた」という場合がほとんです。
それでもトラブルが起これば、本人にとっては「なんとかなる」わけですから、自分に甘い決断へと流されてしまうわけです。
・高い目標に興味がない
自分に甘く見えるのは、その人が世間の求める目標に興味がないケースも見られます。
自分を成長させることに興味がないと言い換えてもいいでしょう。
当然、自分を叱咤激励する必要はありませんから、自分に甘くなっていきます。
・我慢することが苦手
自分に甘いと悩んでいる人には、そもそも我慢することが苦手な人が多いです。
これは、生まれつき自分に甘い人がいるという意味だけではありません。
幼いころに我慢させられすぎて、その反動で、大人になってから我慢できなくなっている人も多いのです。
┃自分に甘い人は他人に厳しい?
診断にもあったように、自分に甘く、他人に厳しい人はいます。
ただ、自分に甘いからといって、必ずしも他人に厳しいとはかぎりません。
これは、たんなる迷信ですよね。
なぜなら、自分にも他人にも甘い人がいるからです。
自分は自分に甘くする、そして他人がなにをやってもとがめることがない。
そんな人は、自分に甘くても、それなりに周囲の人に受け入れられて楽しい人生を送っていたりします。
┃「自分に甘い」を改善する方法 ‐ 7Step!
自分の甘さを改善するためには、次の7Stepで対処していきましょう。
Step1.自分の甘さを書き出す
自分がどういう状態なのか書き出すことは、メタ思考する訓練になります。
メタ思考することで、私たちは冷静に物事を判断できるようになります。
まずは、自分にどんな甘さがあるのかを書き出してみましょう。
これは自分を責めるためのものではありません。
とくに改善しなくてもいい「適度な甘さ」もあるからです。
自分の甘さが、限度を超えて周囲に迷惑をかけているものかどうか、メタな視点からチェックしていきましょう。
Step2.周囲の人に感謝をする
チェックが終わったら、じっさいに自分の甘さを助けてくれていた周囲の人に感謝をしましょう。
直接感謝の言葉を相手に伝えるだけで、自分の甘さを本気で改善しようとしていることが伝わり、人間関係も潤滑にいくはずです。
Step3.ほんの少し高めの目標を設定する
次に、今までよりもほんの少し高い目標を設定しましょう。
なぜなら、ちょっと無理かなと思う目標でなければ、本気になれないから。
自分の甘さを振り払えないからです。
だから、ほんの少し高い目標を設定することで、自分の甘さを改善していきましょう。
Step4.できない理由を挙げない
少し高い目標を目指すと、「できない理由」がヤマほど出てきます。
私たちは、できない理由を挙げる天才です。
だから、メタ視点に立ち、できない理由を挙げている自分にまず気づきましょう。
そして気づいたら即中止して、行動する方を選びましょう。
Step5.適度に厳しい人をマネする
まわりに「適度に自分に厳しい人」がいたら、その人の行動をマネしてみましょう。
あまり厳しすぎる人はNGです。
自分を追い詰めるハメになりますし、そもそもマネしてできるものでもないからです。
ですので「適度に自分に厳しい人」のロールモデルを見つけてみましょう。
Step6.できることからやっていく
自分の甘さを改善したければ、いっぺんにやろうとせず、できることからやっていきましょう。
なぜなら、自分の甘さを一気に改善しようとすると、あまりの道のりの遠さに、やる気が失せてしまうからです。
だから、できることから少しずつ手をつけていきましょう。
Step7.一日に一回、反省する
自分の甘さで人に迷惑をかけたときは、しっかり反省しましょう。
そのためには「言い訳しない」と決めることです。
それをくり返していくうちに、自分の甘さと決別していけるはずです。
┃「自分に甘い」と悩む当事者の声
では、私たちはいったいどんなときに「自分に甘い」と感じるのでしょうか?
私の運営するオンラインコミュニティ「 Adic Salon」の会員様にアンケートを取りました。
「自分に甘い」と悩む当事者のナマの声を、じっくりにご覧ください。
質問:
どんなときに「自分は甘い」と悩みますか?
回答:
早起きをして勉強をしようと思っても、起きたくなく寝てしまうとき。
(男性、40代)
稼げる系の自己啓発セミナーに参加した時。
講師のみなさんや、他の参加者さんがゴリゴリに自分を追い込んでいて、自分は稼ぐためにそこまで頑張れないなと葛藤しました。
(女性、40代)
自分の理想とする姿に対して、まだそこまで達していないと、感じている時。
(男性、50代)
漫画家になるために睡眠時間を削り、娯楽(ゲーム等)を禁止して空いた時間全てを漫画の練習に捧げると言うルールを自分に課したことがあるが、ほとんど出来なかった時。
その他、自分が対処しなければならない苦手なことから逃げたり、他人に対処してもらった時。
(男性、20代)
休日、家で緊張が途切れ何も手につかずにいるとき。
勉強しよう、起業のための準備をしようと考えていたにも関わらず結局何もせずに終わったときなど。
自分の覚悟の弱さにほとほと嫌気がさします。
「自分に甘い」といつも責めています。
(男性、30代)
家事,筋トレや勉強をしなければと思いつつも気持ちが乗らず,結局やらずに先延ばしにするとき。
(男性、20代)
人の話しや、口コミ等を見たとき、 もっと厳しい環境下でも頑張って耐えている人がいる 苦しい思いをして生きている人がいる と思うと、「自分は甘い」「まだまだだな」 と悩みます。
(男性、30代)
中だるみをするときです。
たとえば、 会社までの20分間のウォーキングを2ヶ月くらい続けましたが、 年末年始の休みを挟んで、地下鉄通勤に戻り、再開する自信がありません。
こんな風になかなか習慣化につながらない時、自分はほんと甘いと思います。
(女性、50代)
長期休暇の時に掃除、断捨離をする計画を立てるも ついやる気が出なくてゴロゴロしてしまう。
誰かが家に来る訳ではないし… 別に今日しなくたって… といつも先延ばしになってしまいます。
一昨年は部屋のエアコンを買い替えた時には 流石に片づけしなきゃ!と本気で片づけられました。
(女性、50代)
┃みんなはどう対処しているの?
では次に、この「自分は甘い」という問題に、みんなはどのように対処しているのかを見ていきましょう。
これも「Adic Salon」の会員様に、アンケートにご協力いただきました。
貴重な当事者の声を、どうぞご覧ください。
自分に甘くなる分、他の人にも甘くする。
(男性、40代)
自分を追い込んであれこれやってみるほどに、ストレスがたまり、メンタルがどんどんマイナスになっていきました。
ある日、こんなメンタルの状態になるくらいなら いっそやめようとそのセミナーから離れました。
そして、他人に稼ぎ方を教えてもらうより自分で模索しすることにしました。
ネットで様々な副業の方法などをコツコツ調べて、クラウドワークスからwebライターとして案件をとって、自分の納得のいくまで記事を納品しつづけました。
自分ができるかもと感じたことなら、行動できた。
別に自分に甘いわけじゃなく、自分にできることをやればいいのだと考え方が変わりました。
(女性、40代)
これまでは自分よりも、まわりの人の「勝手な感想」に合わせて、そこまで達していない自分に、苦しんできたような気がします。
現時点での甘えに対する、自分の応えは、ぜんぜん甘くして良かったんだ!と思います。
特に、何事も真面目に物事を捉えてきた方は甘くて良かったし、1ミリも甘えてはダメと思っていたのかなと感じてます。(ずっと、厳しくしてどんどん辛くなっていったような感じでしょうか?)
対処は世間のいう、常識レベルに合わせるのに精一杯だったような…。
今は、【甘えていいんだよ】というものに触れて、気持ちが楽になってきた実感があります。
(男性、50代)
漫画家になりたい動機が世間から尊敬されたいだけなのだと気づき、描きたいことを描いていないのにこんなこと出来るわけがないなと気づいた。
これからも趣味で描き続けるには娯楽を経験したり自分を傷つけないことも必要だろうと考えて、自分を少しずつ許すようになった。
苦手なことは、自分だけで出来るだけ苦しまず対処する方法がないか考える。
それでも無理なら勇気を振り絞って他人にお願いする。
お願いした人の前では言えないが、自分の性質を考えれば仕方のない部分もあるよな...という思いで折り合いをつけている。
(男性、20代)
自分を責める気持ちで自暴自棄になることこそが、一番の無駄・無責任であると考え直すようにしています。
自分の場合は特に行動ができないときに「自分に甘い」と感じるので、1日の中で自分が動ける時間帯・得意な時間帯を見極め、その時間帯に合わせて行動していくようにすることで少しでも苦しむ時間を減らしています。
(男性、30代)
「自分に厳しくしている場合ではない」と考えてみる。
別にコレは自分を甘やかせば良いというお気楽ではない。
そもそも自分に厳しくできるのは、それを苦痛と思わない変人・超人の類である。
自分みたいなただでさえ生きることが苦痛だらけの人とは、まるで別の生き物だから、下手に真似をして破滅するのは目に見えている。
まずは、自分ができる範囲で淡々と三理一体で整える。
その中で、厳しさや甘さという二元論で片付けられない自分だけの生き方が手に入ると信じてみる。
(男性、20代)
深く落ち込みそうになったときは、ヒトはヒト となるべく思うようにしています。
誰しもが同じ環境下で生きているわけではない、悩むレベルも人によって違うよなと、できるだけ思うようにしています。
気分転換で、出かけるようにもします。
(男性 、30代)
中だるみをするのか仕方ないこと、と自分に言い聞かせます。
この中弛みも自分の習慣の一部だと。立ち止まっても後退してもいい。自分にとって気持ちいいことならまた再開するだろうと、待ち、再開すればまたしばらくは続くこともあります。続かないことも多いですが。
(女性、50代)
誰も困る訳ではない、死ぬ訳ではない、と自分に言い聞かせてます。
やはり、対=自分=甘いになってしまいますが 対=他人=やらなきゃ! になりますね。
(女性、50代)
甘いというのと少し異なるかもしれませんが、私は他人や世間に甘えられるところは、意識的に甘えます。
自分でもできると思うことでも、だれかにやってもらった方が効率的と思うことは、わりと簡単にお願いしてしまったりします。
甘えることで、甘えた人が「甘えていいのだ」と気づいてくれるのではないかと思うからです。
自分が甘えるのと同じレベルの甘えには、無理のない範囲で対応します。
そして互いに必要な時には、変に申し訳ないとか思うことなく、少しの感謝で「甘える人」がいるということが、自分を支えることに繋がると実感しています。
また、甘えてもらえる、頼ってもらえることで、一部分でも自分が自立できていると実感することもできます。
当然、自分が望まない人と無理して関わる必要はないです。
できないことを引き受ける必要もないです。
依存したり、依存されたりというのとも違います。
寄りかかるわけではないんです。
軽く甘えていいと思う感覚が、自分に甘いと自身を責める気持ちを少し和らげてくれるのかもしれません。
(女性、50代)
┃自分に甘いと悩む40代
アンケートをご覧いただいたとおり、自分に甘いと悩んでいる人には40代を越えるあたりから増えていきます。
なぜなら、人生の折り返し地点を迎えているから。
その折り返し地点で、今までの人生の結果を突き付けられているからです。
自分が出してきた結果に、満足できる人はそうそういません。
とくに40代。
体も思うように動かなくなってきて、新しいチャレンジができる余裕もなくなってくるころ。
もうこれ以上の結果は出せないと思い悩む時期です。
そんなとき、
「俺って自分に甘かったのかな・・・」
「どうして私って自分に甘いんだろう・・・」
と思い悩む方が多いのです。
┃自分に甘いメリットはあるのか?
自分に甘いことにも「メリット」はあります。
なぜなら、誰だってときには甘やかされなければ生きてはいけないからです。
かといって、周囲の人が自分をチヤホヤと甘やかしてくれることはそうそうありません。
そんなときは、自分で自分を甘えさせてあげるしかない。
それができるということは、一つの「能力」だとも言えるでしょう。
ただ、その度がすぎれば他人に迷惑をかけることになり、年中やってしまえば、他人を振り回すことになるということです。
ここまで、自分に甘いことがまるで「悪」かのように語ってきましたが、決してそんなことはありません。
自分に甘いことにも、充分なメリットがあるのですから、上手に活用すればいいのです。
┃自分に甘い自分が嫌い・・・
ここまで読んでも、あなたは「私は自分に甘い・・・」と自分を責めてしまいますか?
自分に甘い自分が嫌い!
他の人はもっと頑張っている、と。
自分よりも、もっとたいへんな環境に耐えている人もいる。
自分よりも、もっと大きな成果を出している人もいる。
なのに・・・。
どうして私は、このていどの努力しかできないのか。
どうして私は、このていどことでヘコタレてしまうのか。
どうして私は、このていどのことでやる気をなくしまうのか。
どうして私は、このていどのも達成できないのか。
もっともっとできるはずなのに、どうしてもできない。
それは自分の意志が弱いだけ。
どうして私は、こんなにも自分に「甘い」のだろう・・・。
そんなふうに感じて、自分を責めてしまいますでしょうか?
つまりそれは、自分に甘いと「本気」で悩んでいるということですよね。
┃自分に甘いと悩む人は、自分に厳しい人
じつは、生きづらさを感じている人のなかに、自分は甘いと「本気」で悩んでいる方がとても多いのです。
そこでカウンセリングのなかでも、ご自身について「点数」で評価してもらうことがあります。
その結果は・・・。
みなさん、本当に自分に厳しい。
本当に真面目なのです。
ほんの少しのずるさやサボリも許さない。
だからこそ、自分に「甘い」と感じてしまうのです。
そもそも、本当に自分に甘い人であれば、「私は自分に甘い」と悩みません。
なぜなら自分に「甘い」人というのは、自分のずるさやサボリをあっさり許すことができるからです。
というか、許す以前にそれを問題だとも感じていません。
もしそのずるさやサボリのせいで他人に迷惑をかけたとしても。
「まあまあ、そんなにムキにならずに」と茶化してしまう。
「俺ってテキトーなんですよね~」と開きなおってしまう。
「価値観は人それぞれ。私の私の道を行けばいい。」と無理やりにでも自分を肯定してしまう。
そんなふうに、自分を甘やかしてしまうのです。
つまり、自分を甘やかしてしまうことにも甘いわけですから、いっこうに反省しません。
「私は自分に甘いのか?」と本気で悩んでいる人の多くは、自分に厳しいからこそ、そう悩んでしまうのです。
┃自分を甘いと感じてしまう原因とは?
自分に甘いと「本気」で悩んでいる人は、自分に厳しい人。
ではなぜ、そこまで自分に厳しくなったのでしょうか。
もしかしたら、過去に家族や教師などから「自分に甘いヤツだ」と言われつづけてしまったのかもしれません。
そして、自分に厳しくする心のクセがついてしまったのかもしれません。
一度ついた心のクセは、なかなか取れるものではありません。
そのため、まるで自分のなかにずるさやサボリがないかチェックするかのようなまなざしで自分自身を見てしまう。
そして、自分のなかにあるわずかなずるさやサボリに目がとまってしまうです。
自分が努力していること、頑張っていることはすべてスルー。
ずるさやサボリばかりに注目してしまう。
そうしていつまでも、自分に厳しい評価を与えつづけてしまうのです。
┃「70点でいい」と言われても受け入れられない
とはいえ、いつまでもその厳しい評価のなかで生きていけるものではありません。
だから、自分への厳しい評価をゆるめてあげる必要があります。
そのときによく言われるのが、
「100点ではなく90点を目指せばいい」
「100点で合格ではなく70点で合格にしよう」
という考え方です。
しかし、自分を「甘い」と感じている人は、なかなかこれが受け入れられません。
それこそ、こんな考え方を受け入れること自体がずるいことであり、サボリに他ならないと感じてしまうからです。
とても苦しい状態ですよね。
いったいどうすれば、自分への厳しい評価をゆるめてあげることができるのでしょうか?
┃自分を甘いと悩む人が知っておくべき「事実」
自分への厳しいまなざしをゆるめたい。
自分をまっとうに評価したい。
ここまでお読みになったあなたが、もしそう感じたのなら。
ぜひ、次の「事実」を胸に焼きつけてください。
「あなたはすでに100点をとっている」
これは気休めでも、励ましでもありません。
ましてや安っぽい自己洗脳でもありません。
「あなたはすでに100点を取っている」
これはシンプルな「事実」です。
だってあなたは自分を「甘い」と感じて、毎日真剣に思い悩んでいる。
自分を責めている。
苦しんでいる。
にもかかわらず、その苦しみにめげずにめ人生を生き抜いている。
その苦しみを人のせいにせず、自分の「甘え」だと受け止めて解決しようとしている。
そして自分を成長させようとしている。
そのためにこのコラムを熱心に読んでくださっている。
これを「100点」と言わずして、なにを「100点」と言えばいいのでしょうか。
たしかに、あなたのなかにもずるさやサボリがあるのかもしれない。
しかし、それをことのほか大きく感じてしまう「心」で生きていくことは、とても苦しいものです。
その「心」を誰にも理解されずに生きていくことは、とても苦しいものです。
その苦しみに耐えながら日々仕事をし、ご飯を食べ、トイレに行き、人と話し、買い物をして、風呂に入る。
もうそれだけで「100点」 なんです。
生きていること、それ自体で「100点」なんです。
だから、堂々と自分に「100点」をつけてあげましょう。
自分への評価を「100点」からはじめてみましょう。
さらに、その日こなしたどんな小さな行動でも加点してあげてください。
そして「120点」「160点」「200点」と点数を高めていってください。
あなたのなかでおこなう評価です。
誰にも遠慮はいりません。
それでも、もしまた自分に厳しいまなざしを向けてしまうときは。
自分を「甘い」と悩んでしまうときは。
いつでも、私のことを思い出してください。
そしてまた堂々と「100点」からはじめてください。
だって、私の前に立つあなたは、それだけでいつも「100点」なのですから。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
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2.自己評価を上げる方法
3.感謝をしないメリット
4.心も体もクタクタに疲れているのに休めない
5.正反対の感情のあつかい方
6.心が疲れているときには視野を「狭く」しよう
7.ポジティブな感情に「書き換わる」方法
8.ネガティブ思考から脱け出す方法
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11.月曜日の憂鬱を解消する方法
12.自分の強さに気づき自分を信頼できる方法とは?
13.言い方がきついと言われてしまう
14.セロトニンを増やす朝食
15.躊躇なく行動できるようになる法則
16.悩む自分に嫌気がさしたら
17.セロトニンのいいところ
18.恐怖心はあなたの強さの証明
19.目標の大切さ - なぜ目標を設定するのか?
20.堂々と逃げよう - 逃げることは悪いことなのか?
21.規則正しい生活ができない - 「9時5時生活」がストレスになる
22.覚悟の決め方 - なぜ覚悟が決まらないのか?
23.働く気力がわいてこない - お金と気力の関係
24.焦りや不安を解消する「贅沢」のしかた
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