TOP | コラム一覧 | 心地よい人生の便り | 「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法


更新日:2021年3月17日

「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法

 

 「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法

 

心地よい人生の便り

 


<35通目>

 「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法

 

┃とくに理由もなく不安になってしまう

 
あなたは、気がつくとすぐに「不安」になっていることはありませんか?
 
とくに理由があるわけでもない。
 
このあと嫌な予定が待っているわけでもない。
 
大事件が起きたわけでもない。
 
「漠然とした不安」を感じるのです。
 
カウンセリングのなかでも、この「漠然とした不安」についてのお悩みを本当によくお聴きします。
 
解消しようにも、なにに対して不安になっているのかわからない。
 
「敵」が見えないぶん、対処のしようがないすごく苦しい心の状態です。
 
とてもつらいですよね。
 
生きづらい人も、この「漠然とした不安」を感じている人が多いのです。
 
 

┃「漠然とした不安」の正体

 
この「漠然とした不安」。
 
いったいどこからやってくるのでしょうか?
 
もちろん、さまざまな理由が考えられます。
 
ただそのなかの一つに、多くの方に共通している点があるんです。
 
その共通点とはいったいなんでしょうか?
 
それは、小さな「どうしよう・・・」がたまっているということ。
 
つまり、
 
「ああなったら、どうしよう・・・」
 
「こうなったら、どうしよう・・・」
 
「そうなったら、どうしよう・・・」
 
という迷いが、知らず知らずのうちにたまっているのです。
 
そして無自覚のうちににその答えを探してしまい、いつも心が迷っている。
 
先の見えない未来におびえている。
 
それがまとまって「漠然とした不安」となり、あなたを包み込んでしまうのです。
 
これが「漠然とした不安」の正体です。
 
 

┃「漠然とした不安」のさらに奥にあるものとは?

 
漠然とした不安の原因となる「どうしよう・・・」。
 
一つひとつは、じつはたいしたことのない迷いです。
 
たとえば、
 
「今日の夕飯のメニュー、どうしよう」
 
「明日の会社の飲み会、行くかどうかどうしよう。」
 
「気になる習いごと、申し込むかどうしよう。」
 
「医療保険に入るか、どうしよう。」
 
このような小さな迷いである場合がほとんどなんですね。
 
しかし、じつはこの奥にさらに「面倒な迷い」が含まれているのです。
 
「今日の夕飯どうしよう。最近体調悪いからな。さらに悪化するメニューを選んじゃったらどうしよう。」
 
「明日の会社の飲み会どうしよう。断って嫌な顔されたらどうしよう。会社に行くの決まづくなるな。」
 
「気になる習いごと申し込むかどうしよう。もし高圧的なタイプの講師に当たって恐い思いをしたらどうしよう。」
 
「医療保険に入るかどうしよう。入らなくてもいいという人もいるしお金の無駄づかいになったらどうしよう。」
 
こんなふうに、知らずしらずのうちに「イヤな未来」を予測してしまっている。
 
そしてその「イヤな未来」が実現してしまうことを恐れている。
 
つまり表面的には小さな「どうしよう・・・」でも、そのなかに不安のタネとなる「イヤな未来」が大きくドーンと居座っているのです。
 
これらがたまってくると、あなたに「漠然とした不安」を感じさせるのです。
 
生きづらい人は、社会のなかでうまく立ち振る舞えずに、嫌われたり怒られたりすることが多いものです。
 
だからこそよけいに「イヤな未来」を予測して、「どうしよう・・・」がたまってしまいやすいのです。
 
 

┃ 「漠然とした不安」に対処する基本的な心構え

 
たまりにたまった「どうしよう・・・」。
 
これに一つひとつ対処していくことはとても大変ですよね。
 
どこほどの「どうしよう・・・」がたまっているのかもわからないのですから、あまり現実的な方法とは言えないでしょう。
 
では、どう対処したらいいのでしょうか?
 
それは、メタ視点に立って「どうしよう・・・」の全体にはたらきかけるのです。
 
私たちの心は、真正面から「コントロール」しようとしても反発してしまうだけです。
 
だから、思考の階段を一段のぼって「どうしよう・・・」の全体を見渡して、遠巻きに「マネジメント」するのです
 
感情マネジメントですね。
 

参照記事
感情マネジメントについて詳しく解説しています。
心理の習慣 - 感情マネジメント

 
私たちの「どうしよう・・・」には、じつは共通した二つのキーワードが潜んでいます。
 
それは「危険と失敗」です。
 
この「危険と失敗」を回避したくて、「どうしよう・・・」と不安になっているわけです。
 
だから、この「危険と失敗」を回避しようとしている心そのものにアプローチすることで「漠然とした不安」にまとめて対処できる。
 
「漠然とした不安」をまとめてしずめることができるのです。
 
これが「漠然とした不安」への対処法の基本的な心構えです
 
 

┃「漠然とした不安」に対処する具体的な方法

 
「漠然とした不安」をまとめてしずめる。
 
では、具体的にどうすればいいか解説していきますね。
 
まず「危険と失敗」を回避しようとしすぎて「どうしよう・・・」がたまっているわけです。
 
それは言い換えれば「安全と安定」 を求めるがあまり「どうしよう・・・」がたまっているということですよね。
 
しかし完璧な「安全と安定」は存在していませんよね。
 
不安で悩まれているところに、おどかすようで申し訳ありません。
 
ただ、あなた自身、過去になん年も完璧に「安全と安定」が保たれていたことは経験したことがないのではないでしょうか。
 
あなた個人にかぎりません。
 
この日本も、この地球も、この宇宙も、完璧に「安全で安定」した状態になったことは一度もなかったはずです。
 
必ずどこかで、絶え間なく「危険と失敗」が起きているわけです。 
 

参照記事
安全と安定について正確な視点をもてるようになります。
安全と安定は幻想にすぎない

 
つまり、この世界は「危険と失敗がある方がふつう」だということ。
 
その「事実」を自分に教えてあえる。
 
私たちは「危険と失敗」に満ちあふれた世界に生きているという「事実」を、たんたんと自分に教えてあげるのです。
 
生きづらい人は、完璧主義の傾向があります。
 
それだけに、完璧な「安全と安定」に知らずしらずのうちにこだわってしまい、「事実」ではない「漠然とした不安」に苦しむことが多いのです。
 
 

┃自分の心に教えてあげる「事実」

 
ただ、この世界は「危険と失敗でいっぱいだ!」とストレートに言い聞かせたら、自分の心があまりにもかわいそうですよね。
 
よけい恐がらせる結果になるかもしれません。
 
ですので、自分の心には次のように教えてあげてください。
 
漠然とした不安に包まれそうになったら、
 
「完璧な安全と安定は存在しない」
 
とつぶやいてみてください。
 
無理に不安をしずめようとしなくても大丈夫です。
 
ただただ、たんたんとつぶやいて自分の心に「事実」を教えてあげてください。
 
毎日くり返すことで、やがて自然と「漠然とした不安」が起こりにくくなっていくはずです。
 
たしかに「危険と失敗」はないに越したことはないですよね。
 
私も「安全と安定」が欲しいです。
 
でも、完璧な「安全と安定」は存在しません。
 
存在しないものを求めれば苦しくなる。
 
存在しないものを追いかけて「漠然とした不安」を抱え、苦しい毎日を過ごすのなら。
 
「安全と安定」を求めてしまう心を、上手になだめてあげる方が自分に優しくはないでしょうか?
 
そしてその考え方こそが、あなたの心に「安全と安定」をもたらしてくれるのです。
 
それでは今日もあなたに、心地よい人生が訪れますように。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

心地よい人生の便り <目次>

1.体が動かなくなる理由
2.自己評価を上げる方法
3.感謝をしないメリット
4.心も体もクタクタに疲れているのに休めない
5.正反対の感情のあつかい方
6.心が疲れているときには視野を「狭く」しよう
7.ポジティブな感情に「書き換わる」方法
8.ネガティブ思考から脱け出す方法
9.苦しみのエリート意識
10.なにをやっても長つづきしないのはなぜ?
11.月曜日の憂鬱を解消する方法
12.自分の強さに気づき自分を信頼できる方法とは?
13.言い方がきついと言われてしまう
14.セロトニンを増やす朝食
15.躊躇なく行動できるようになる法則
16.悩む自分に嫌気がさしたら
17.セロトニンのいいところ
18.恐怖心はあなたの強さの証明
19.目標の大切さ - なぜ目標を設定するのか?
20.堂々と逃げよう - 逃げることは悪いことなのか?
21.規則正しい生活ができない - 「9時5時生活」がストレスになる
22.覚悟の決め方 - なぜ覚悟が決まらないのか?
23.働く気力がわいてこない - お金と気力の関係
24.焦りや不安を解消する「贅沢」のしかた
25.飽きずにつづけられるようになる2つの工夫
26.本当にやりたいことを見つける方法
27.焦りがしずまる歩き方
28.欲望に振りまわされなくなる習慣
29.現状に満足してもいい?してはいけない?
30.自分を癒したいなら「垣根」を越えよう
31.快楽を罪悪感なく味わう方法
32.心の調子に左右される人は「時速」を計ろう 
33.「本当の気もち」がわからないなら 
34.朝、寝起きの猛烈な不快感に対処する方法
35.「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法
36.お金は大切?
37.生きづらい人が「苦手」を受け入れる方法
38.あなたは本当に自分に「甘い」のか?診断テストと改善法
39.感情をしずめる極意
40.原因不明のイライラを解消する方法
41.突然不安になってしまう…
42.気分が落ち込んだ時には?
43.「私は頭が悪い」と感じるなら
44.いつも笑顔で過ごさなくてもいい理由
45.笑顔で過ごした方がいい理由
46.幸福感を持続させる最大のコツ
47.気分の浮き沈みの対処法
48.人間関係で疲れる原因
49.他人の評価を気にしない練習
50.人生がうまくいかない人
51.どうすれば人生がうまくいくのか?
52.自分を変えたい
53.自分を変えられる新習慣
54.生きづらい人におすすめの音楽
55.「コミュ障」という言葉に振りまわされない
56.あなたが、とてつもなくスゴい理由
57.感情を安定させる法則
58.感情を溜めこまない方法
59.興奮し過ぎてしまう
60.興奮し過ぎてハイになった時の対処法
 
LinkIcon61通目以降を読む


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。