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更新日:2020年1月16日

言い方がきついと言われてしまう

 

きつい言い方をしている女性の画像

 

心地よい人生の便り

 
<13通目>

言い方がきついと言われてしまう

 

┃人間関係を保てずに嫌われてしまう

 
「言い方がきついと言われる」というお悩みがあります。
 
なにげない会話や仕事の指示をしただけで、相手が傷ついてしまう。
 
また、相手を不快にさせてしまう。
 
自分でなおそうと思っても、なかなかなおせない。
 
そのために、良好な人間関係を保ちつづけることができない。
 
結果として、いわゆる「嫌われもの」になってしまうのです。
 
そこでネットでいろいろな情報を調べてみる。
 
すると出てくるのは「言い方がきつい人への対処法」という、自分のようなタイプの人をどうあつかえばいいかという情報ばかり。
 
グサッと傷ついてしまう。
 
それでもめげずに調べつづけると、ようやく「きつい言い方をなおす方法」が見つかる。
 
しかし中身を読んでみると・・・。
 
「相手の言っていることを肯定する」
 
「ゆっくり話してみる」
 
「余計なひとことを言わない」
 
「オブラートに包んで表現する」
 
といった、すでに自分が取り組んできたものばかり。
 
それができなくてこんなに苦しんでいるのに・・・。
 
そして、ガッカリして途方に暮れてしまうのです。
 
 

┃なぜ言い方がきつくなってしまうのか?

 
では、そもそも「言い方がきつい人」は、なぜそのような言い方をしてしまうのでしょうか?
 
そして、どうしてなかなかなおせないのでしょうか?
 
じつは、ご相談をお受けしていると「言い方がきつい」と悩んでおられるほとんどの方に、少なからず虐待を受けた経験が見受けられます。
 
それは、世間でよく取りざたされるような命に即かかわる体への暴力とはかぎりません。
 
毎日ネチネチとくり返されるような、心への攻撃も虐待として人の心に大きなダメージを蓄積させます。
 
このような心身への虐待経験がある方には、ある特有の会話パターンがあるのです。
 
それは「攻撃的な会話パターン」です。
 
虐待を受けた方というのは、恐怖や絶望とともに、心に多くの恨みと怒りを抱えています。
 
自分では「ふつう」に話しているつもりでも、その恨みや怒りが言葉を通して「にじみ出て」しまうのです。
 
また、自分の価値がとても低いと刷り込まれていることも多いため、「相手より優位に立とうとする傾向」が、とても強くなります。
 
「自己顕示」や「上から目線」の言葉が増えてしまう。
 
それらの理由から、自分でも気づかぬうちに口調がきつくなったり、相手をバカにしたり茶化したりしてしまう。
 
こんな会話パターンが知らず知らずに身についてしまっているため、周囲の人は「この人とは一緒にいたくないな」と感じてしまうのです。
 
 

┃きつい言い方をなおす方法

 
心身への虐待が原因のひとつとなって、言い方がきつくなってしまう。
 
まさにこれは「虐待の後遺症」と言える状態です。
 

<参照記事>
虐待の後遺症についてくわしく解説しています
虐待の後遺症 - なぜ自分ばかり苦しいのか?

 
もしあなたにも、お心当たりがあるのなら。
 
そして「きつい言い方」をしてしまうことに苦しんでおられるのなら。
 
まずは、こんなふうに自覚をなさってみてください。
 
「私の口の中にはナイフが潜んでいる」
 
つまり、語れば語るほどどうしても人を傷つけてしまう性質が自分にはある。
 
ただしそれは、決してあなたのせいではない。
 
そのようなナイフを、幼いころから家族に仕込まれてしまっただけなのです。
 
その上で、こんなふうに自分に語りかけてあげてください。
 
「もう無理して話さなくていいんだよ」
 
虐待を受けたことのある方は、自分の身を守るために、どうしても口数が増えてしまう傾向があります。
 
でもそれは、「話したい」のではなくて、怒りや不安という衝動によって「話させられている」だけなのです。
 
その衝動を無理やり抑えようとすると、心が反発してしまう。
 
より話したくなってしまうのです。
 

<参照記事>
心が反発する仕組みを解説しています。
生きづらさから脱け出す心理の習慣 - 感情マネジメント

 
だから、自分に「許可」を出す。
 
「もう無理して話さなくていいんだよ」と、そっと教えてあげるのです。
 
あなたの心には、きっと膨大な怒りや恨みが眠っていることでしょう。
 
恐怖や不安もあるはずです。
 
一日が悪夢で目覚めるところからはじまる日も、珍しくないでしょう。
 
そんな厳しい人生を歩んでいれば、誰だって口の中にナイフが潜んでしまうもの。
 
もはや、本人の意志ではコントロールできない状況なのです。
 
そんな状態で「ふつうの会話」を長時間つづけることは、至難のワザだと言えるでしょう。
 
だから、
 
「もう無理に話さなくていいんだよ」
 
そんなふうに、自分に「許可」を出してあげてください。
 
きっと今までにない安心感が心に広がり、自然と口数が減っていき、ナイフがむやみに飛び出すことがなくなるはずです。
 
それでは今日もあなたに 『心地よい人生』が訪れますように。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 
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心地よい人生の便り <目次>

1.体が動かなくなる理由
2.自己評価を上げる方法
3.感謝をしないメリット
4.心も体もクタクタに疲れているのに休めない
5.正反対の感情のあつかい方
6.心が疲れているときには視野を「狭く」しよう
7.ポジティブな感情に「書き換わる」方法
8.ネガティブ思考から脱け出す方法
9.苦しみのエリート意識
10.なにをやっても長つづきしないのはなぜ?
11.月曜日の憂鬱を解消する方法
12.自分の強さに気づき自分を信頼できる方法とは?
13.言い方がきついと言われてしまう
14.セロトニンを増やす朝食
15.躊躇なく行動できるようになる法則
16.悩む自分に嫌気がさしたら
17.セロトニンのいいところ
18.恐怖心はあなたの強さの証明
19.目標の大切さ - なぜ目標を設定するのか?
20.堂々と逃げよう - 逃げることは悪いことなのか?
21.規則正しい生活ができない - 「9時5時生活」がストレスになる
22.覚悟の決め方 - なぜ覚悟が決まらないのか?
23.働く気力がわいてこない - お金と気力の関係
24.焦りや不安を解消する「贅沢」のしかた
25.飽きずにつづけられるようになる2つの工夫
26.本当にやりたいことを見つける方法
27.焦りがしずまる歩き方
28.欲望に振りまわされなくなる習慣
29.現状に満足してもいい?してはいけない?
30.自分を癒したいなら「垣根」を越えよう
31.快楽を罪悪感なく味わう方法
32.心の調子に左右される人は「時速」を計ろう 
33.「本当の気もち」がわからないなら 
34.朝、寝起きの猛烈な不快感に対処する方法
35.「漠然とした不安」の正体と具体的な対処法
36.お金は大切?
37.生きづらい人が「苦手」を受け入れる方法
38.あなたは本当に自分に「甘い」のか?診断テストと改善法
39.感情をしずめる極意
40.原因不明のイライラを解消する方法
41.突然不安になってしまう…
42.気分が落ち込んだ時には?
43.「私は頭が悪い」と感じるなら
44.いつも笑顔で過ごさなくてもいい理由
45.笑顔で過ごした方がいい理由
46.幸福感を持続させる最大のコツ
47.気分の浮き沈みの対処法
48.人間関係で疲れる原因
49.他人の評価を気にしない練習
50.人生がうまくいかない人
51.どうすれば人生がうまくいくのか?
52.自分を変えたい
53.自分を変えられる新習慣
54.生きづらい人におすすめの音楽
55.「コミュ障」という言葉に振りまわされない
56.あなたが、とてつもなくスゴい理由
57.感情を安定させる法則
58.感情を溜めこまない方法
59.興奮し過ぎてしまう
60.興奮し過ぎてハイになった時の対処法
 
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