自分がわからない

 

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第54回
自分がわからない

 
あなたは「自分がわからない」と感じることがありますか?
 
自分がどうしたいのかわからない。
 
自分がなにを感じているのかわからない。
 
なにを選んだらいいのかもわからない。
 
好きなものもやりたいことも、自分ではよくわからないのです。
 
そこで、なぜそうなったのか原因について考えてみるけれど、とくに思い当たらない。
 
世間では、よく「親の虐待が原因」などと言われるけれど、それも思い当たらない。
 
どちらかというと「いい親」だったとすら思う。
 
そのため誰のせいにもできず、結局「私がおかしいだけなのだ…」と自分を責めてしまうのです。
 
「自分がわからない」だけでも生きづらいのに、さらにそんな自分を責めてしまう…。
 
とても苦しい状況ですよね。
 
それはもしかすると「いい親ぶったダブルバインド」が大きな原因のひとつとなっているかもしれません。
 
そもそもダブルバインドとは、ほぼ同時に正反対の指示を受けること。
 
親が子供に対して、口では「早く行きなさい!」と言いながら、子供のズボンのすそを踏んで邪魔しているような状態です。
 
日常の場面でたとえると、親から「早く食べなさい!」と叱られたので急いで食べていたら、「もっとゆっくり味わって食べられないの?」と叱られる。
 
早く食べることも、ゆっくり食べることも、どちらも禁止されるのでどうしていいのかわからなくなる。
 
判断を停止せざるをえなくなる状態です。
 
これが日常的におこなわれていると、常に答えを求めて迷っている状態になる。
 
やがて、自分がわからなくなってしまうのです。
 
参考文献:グレゴリー・ベイトソン他「精神の生態学」新思索社
 
ただ、今の例のように、明確なダブルバインドを受けていた人は、意外と早くその矛盾に気づけることがあります。
 
そして、拘束を解くことができる。
 
しかし、なかなか気づけずこじらせてしまい、自分をひたすら責めてしまう人がいます。
 
それが、「いい親ぶったダブルバインド」を受けていたパターンです。
 
たとえば親が子どもに対して、
 
「人生を自由に生きろ」
 
「自分の夢を追いかけろ」
 
「それがお父さんとお母さんの一番うれしいことだ」
 
と伝えます。
 
こんないい親はいないというほどに、子供そう言って聞かせるのです。
 
でも、いざ子供が思春期を迎え、大学に行かずに美容師の専門学校に行きたいというと、
 
「お前にはそんな繊細な仕事は向いてないよ。」
 
とサラッと否定する。
 
「歌手になりたい」
 
と言えば、
 
「そんな簡単になれるもんじゃないんだから、まあ黙って大学に行っておきなさい。」
 
とサラッと否定する。
 
それが「お前のためだから」と。
 
それでも食い下がると、
 
「それは逃げだよ。」
 
「それは甘えだよ。」
 
と、たしなめられる。
 
あれほど毎日のように「自由に生きろ」と言っておきながら、あっさりと子供の自由を否定するのです。
 
でも、子供は毎日のように自由に生きろと言ってくれていた親を信じ切っています。
 
「いい親」だとしか思えない。
 
そのため、それが本当に自分のためなのだと感じて、夢をあきらめ、自分の欲求と感情を失っていく。
 
そして、自分がわからなくなり、決断できない場面にぶつかるたびに、自分は甘えて逃げているだけだと感じて、自分を責めてしまうようになるケースが多いのです。
 
アダルトチルドレンだと自覚するきっかけが、この「いい親ぶったダブルバインド」に気づいたからだという人も少なくありません。
 
親がこれでもかと「いい親」ぶっているのでなかなか気づけない。
 
だからこそ、気づいたときの衝撃や恨みはすさまじい。
 
まるで長いあいだ詐欺にあっていたかのような気分にさせられてしまうのです。
 
このような「いい親ぶったダブルバインド」をおこなう親は、たしかに子供のためを思っているのかもしれません。
 
しかし、突き詰めていくと「いい親」である自分に酔っているに過ぎない。
 
そしてその親が語る「自由」とは、「親の希望にそった自由」でしかなく、本物の自由ではありません。
 
ごくごく限られた狭いせまい範囲の「エセ自由」でしかないのです。
 
あなたが「自分がわからない」と悩んでいるのなら、この「エセ自由」から脱け出す必要があります。
 
カウンセリングのなかでも、よくそのワークに取り組みます。
 
ダブルバインドされた「エセ自由」のなかにいたまま「自分の気持ち」を探しても、見つけることができないでしょう。
 
「エセ自由」の外側に、あなたが本当に望んでいるもの、本当に感じているものがあるのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 


アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがってしまう
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない
55.やる前から「無理」「できない」とあきらめてしまう
56.職場の人間関係がつらい
57.自分で自分をしばりつけてしまう人
58.不自由を感じてしまう原因
59.口が悪くて孤立してしまう
60.親のせいにするのは自分の甘えなのか?
61.嫌味ったらしい言い方をしてしまう
62.明るく楽しく振るまえなくなった


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