自分のなかに基準がない

 

アダルトチルドレンを本気で克服する方法 自分のなかに基準がない

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アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法

 

第46回
自分のなかに基準がない

 
「自分のなかに基準がない」というお悩みがあります。
 
カウンセリングも回数を重ね、今までいかに「外側の基準」に合わせて生きてきたのかを思い知り、その束縛から解放される頃。
 
この問題に直面する方がとても多くいらっしゃいます。
 
自由になったはずなのに、なにも決められない。
 
夕飯になにを食べるのか決められない。
 
どのチョコレートを買うのかも決められない。
 
飲み会に誘われて行くか断るかも決められない。
 
つまり、「自分のなかに基準がない」という事実をまざまざと突きつけられるのです。
 
このような状況を経験する方のほとんどが、アダルトチルドレンと自覚されている方です。
 
そこで、アダルトチルドレンの克服法としてよく紹介されるのが、「自分の好きなものを見つけよう!」という方法です。
 
束縛のなくなった状態で、好きな仕事、好きな食べ物、好きな趣味をもう一度選びなおそうというのです。
 
たしかに、せっかく自由になったのですから、自分であらためて好きなものを選んでいけばそれが基準になりますよね。
 
しかし、いざ取り組んでみてもうまくはいきません。
 
なぜなら、
 
「好きなものを選ぶための基準がない」
 
からです。
 
そして「好きなこと探しの迷宮」にハマり込んでしまうのです。
 
よく考えてみると、基準がないのに好きなものを選ぼうというのは、完全に順序が逆ですよね。
 
好きなものだろうがなんだろうが、基準がないのですから選ぶことができません。
 
私は以前、自分の心の輪郭に触れるために「イヤな思いをしに行こう」という方法をご紹介したことがあります。
 
「好き」よりも「嫌い」の方が感じやすいので、イヤな思いをしに行くことは自分のなかの基準に触れるチャンスになるのです。
 
でもアダルトチルドレンは、その「嫌い」すらも感じられない場合があります。
 
なにが嫌いなのかも、よくわからない。
 
どんなイヤなことも、嫌いなのではなくて、たんに自分が弱い人間で逃げているだけだと思えてしまうのです。
 
また冒頭で紹介した、夕飯やチョコレートを選ぶときのように、嫌いかどうかでは判断できないケースも多くありますよね。
 
アダルトチルドレンにとって、「基準のなさ」は、まさにこのような日常のささいなできごとのなかでこそ実感させられるものではないでしょうか。
 
だからこそ誰にも相談できないし、相談しても「好きなものを選ぼう」なんてのん気なアドバイスをされてしまう。
 
自分の悩みが伝わらないわけです。
 
アダルトチルドレンの「基準のなさ」は、本当に切実です。
 
だから、選ばない。
 
無理に選ぶことをやめるのです。
 
つまり、いきなり基準を持とうとするのではなく、まずは、
 
「基準がない状態で生きてみる」
 
ということです。
 
もし、あなたがアダルトチルドレンだと自覚されているのなら。
 
周囲の人はみんな、「自分のなかの基準」をしっかり持って生きているように見えるかもしれません。
 
でもじっさいは、明確な基準を持っている人なんてほとんどいません。
 
みんな、ただたんに「適当に決めて生きている」のです。
 
にもかかわらず、アダルトチルドレンは、あらゆる場面において本気で選ぼうとしてしまいます。
 
それは、家族からいつでも切迫した状況で選択を迫られてきたからかもしれません。
 
失敗が許されない状況で生きてきた。
 
また、家族がすべてを決めてしまって、あなたに選ぶ権利がなかったのかもしれません。
 
あなたの基準はすべて無視されてきたのです。
 
もしくは、常に家族が用意した正解があった。
 
さらにその正解をはずすと、ひどい罰を受けなければならなかった。
 
その上、あなたが答えることはなんでも不正解にされてしまう、「正解なき問い」という責め苦にさらされてきた。
 
だから、夕飯も決められず、チョコレートですら選べない。
 
飲み会に行きたいのかもわからなくなってしまうのです。
 
でも、じっさいにこの世の中にある選択肢で、心の底から本気で選ぶ必要があるものなどほとんどありません。
 
この平和で豊かな日本において、そこまでのリスクがある選択など限られているのではないでしょうか?
 
だからみんな適当に決めている。
 
選んでいないのです。
 
あなたもそうすればいい。
 
適当に決めてみればわかるはずです。
 
「大差がない」ということに。
 
必死に夕飯を選んでも、切実にチョコレートを選んでも、大差がない。
 
悩みに悩んで飲み会に行くか断るかを選んでも、大差がない。
 
ほとんどの選択は、人生に大きな影響を与えないのです。
 
たしかに、何千万円もの住宅ローンの契約書にハンコを押すかどうかは、その後の人生を左右しかねない大きな選択です。
 
しっかりと情報を集め、本当に自分に必要な選択肢を選んだ方がいいでしょう。
 
職場選びや結婚なども、慎重に選ぶことが大切なのは言うまでもありません。
 
ただ、そこまで重要な選択であれば、誰だって迷うはずです。
 
「自分のなかの基準」では決められずに、外側に基準や情報を求めるでしょう。
 
それ以外はみんな「適当に決めている」のです。
 
もちろん適当に決めれば失敗もするでしょう。
 
アダルトチルドレンは、扁桃体が敏感な方が多いので、失敗をより不愉快に感じてしまうかもしれません。
 
「やっぱり焼きそばじゃなくてカレーを食べればよかった…」と悔やむ感覚も強いかもしれません。
 
それでも、人生において大きな変化はないはずです。
 
大切なのは、適当に決めながら生きても大丈夫だということを、身をもって体験することです。
 
だから選ばない。
 
自分のなかに基準がないのに、細かいことまで無理に選ぼうとするから苦しくなる。
 
ましてや「好きなもの」などというレベルの高い基準まで一気につくろうとするから苦しくなるのです。
 
あなたが今無事に「外側の基準」という束縛から解放されたのなら。
 
次は「選ばなくてはならない」という束縛から解放される。
 
そのために「適当に決める練習」をしてみましょう。
 
それこそが「自分のなかの基準」を見つけるための第一歩なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 


アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法 <目次>

1.アダルトチルドレンを「本気」で克服する方法
2.なぜ克服したはずの問題をくり返してしまうのか?
3.今までのアダルトチルドレン克服法が取りこぼしてきた盲点とは?
4.扁桃体が敏感だと自覚する
5.「あなたは強い」という事実
6.親を捨てる
7.アダルトチルドレン克服に欠かせない必要なこと
8.恩着せがましい親
9.一生懸命育てたのに!
10.あなたは本当に親不孝者なのか?
11.親にすべてをブチまけようと思う
12.親が子育ての非を認められない理由
13.親への仕返しが止められない
14.アダルトチルドレン克服の優先順位
15.親との対決に必要な覚悟
16.好きなこと、やりたいことがわからない
17.誰もわかってくれない
18.燃え尽き症候群をくり返してしまう
19.親子関係を良好にしたい
20.「してあげた」という親心
21.リラックスできない
22.体を整える
23.つき合う人を変える
24.ナイーブさを捨てる
25.人に批判されるのが怖い
26.自尊心が低い
27.アダルトチルドレンの「克服」とは?
28.感情をうまく表現できない
29.鬼のような親
30.人からの評価が気になる
31.自信よりも必要なもの
32.嘘をついてしまう
33.承認欲求が強い
34.仕事で手を抜けない
35.自己肯定感を高めたい
36.親と同じことをしてしまった
37.なぜ焦ってしまうのか?
38.不登校が許されなかった人
39.今の仕事が向いていない
40.勇敢であるということ
41.人間関係がうまくいかない
42.孤独を磨き上げる
43.努力しても嫌われつづける人
44.いつも自分ばかり残業している
45.快楽と上手につき合おう
46.自分のなかに基準がない
47.面倒くさがりをなおしたい
48.自分に合った働き方を見つけたい
49.他人に興味がもてない
50.自分に興味がもてない
51.人の顔色をうかがってしまう
52.私は変われるでしょうか?
53.どこに行っても同じだぞ!
54.自分がわからない


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