生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
生きづらい人生の歩き方
第7回
生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
┃なにが「充実」の基準なのか?
あなたは今、充実していますか?
こう問われたとき、私たち日本人のいったい何パーセントが、
「はい!」
と迷いなく答えられるでしょうか。
「リア充」という言葉がありますよね。
「現実(リアル)の生活が充実している人」といった意味です。
もともとはネットの掲示板だけが居場所の人たちが、「現実世界で充実している人」を指すときに使いはじめた言葉のようです。
FacebookやブログといったSNSは、まさにその「リア充ぶり」をアピールする場になっていると言えるでしょう。
では、なにが「リア充」の基準なのでしょうか?
よく言われるのは、次のような条件を満たすことでしょう。
・恋人がいる
・結婚している
・友達が多い
・やりたいことを仕事にしている
・素敵な家に住んでいる
・熱中できる趣味をもっている
・パーティーや飲み会にいつも参加している
などなど・・・。
たしかに、このような基準をクリアしていたら、周囲の人からは、現実の生活が充実していると思われるでしょう。
しかしじっさいには、これらの基準をクリアしていても「充実していない」と感じている人がいます。
人がうらやむほどのパートナーや仕事や家をもち、楽しそうな飲み会に年中参加していても「充実していない」と感じている。
それどころか「不幸せだ」「苦しい」「生きづらい」と感じている人さえいるのです。
カウンセリングの現場でも、そのような方たちからよくご相談を受けます。
満たされているはずなのに生きづらい、と。
いったいなぜなのでしょうか?
なぜ「リア充」の基準をクリアしていても生きづらいのでしょうか?
それは、その基準が「社会にお仕着せられた基準」だからです。
そのために、どんなに基準をクリアしても、ご本人は「充実」することができないのです。
┃「社会にお仕着せられた基準」を満たしても「充実」できるとはかぎらない
たしかに「社会にお仕着せられた基準」に合わせることを、なによりも優先したい人もいるでしょう。
じっさいに「リア充代行サービス」というものもあるくらいです。
仲間や恋人を演じてくれる人を派遣してもらい、楽しく旅行や飲み会をしている「かのような」写真や動画を撮る。
それを、自分のSNSにアップできる。
つまり、自分にはこんなにも仲のいい仲間や恋人がいるんだよと「リア充であるかのように見せる」ためのサービスです。
このようなサービスを利用して、無事に「社会にお仕着せられた基準」をクリアすることで、ご本人が満足するのであればまったく問題ありません。
人それぞれです。
しかし、それで本当に「充実」していると言えるでしょうか?
「社会にお仕着せられた基準」を満たせば、たしかに安心したり、満足することはできるでしょう。
ただしそれは、心の底からの「充実」とは別のものです。
「社会にお仕着せられた基準」を満たしても、必ずしも「充実」できるとはかぎらないのです。
┃本当の「充実」の基準とは?
「社会にお仕着せられた基準」を満たして得た満足や安心は、「充実」とは別のもの。
では、本当に心の底から「充実」を実感するためには、どうしたらいいのでしょうか?
本当の「充実」の基準とは、いったいどこにあるのでしょうか?
それは「実存」です。
「実存」を満たしたとき、私たちは人生を本当の意味で充実させることができるのです。
「実存」とは、ご存知の方も多いと思いますが、もともとは哲学で用いられてきた言葉ですよね。
私はこの「実存」という言葉を、ここでは「私という存在そのもの」という意味で使いたいと思います。
つまり、現実に存在している私という「個」。
他に代わりはいない「この私そのもの」ということです。
つまり「実存」を満たすとは、この私そのものの存在意義を問うということ。
この私が生きる意味とはいったいなんなのか?
この私の人生とはいったいなんなのか?
この私はなにを成すことを求められているのか?
その一つひとつにハッキリとした答えを探しながら、たった一つの「私の人生」という生き方を見出していく。
それが「実存」を基準にする生き方。
「実存」を充実させる生き方です。
言うなれば「ジツ充」です。
濃いぃ人生ですよねぇ(笑)
私も、この「ジツ充」を目指して日々生きています。
カウンセリングでも、そのような方向に人生の舵を切りたいという方からのご相談がとても増えているのです。
┃「ジツ充」という人生の基準をもとう!
「リア充」を目指すより「ジツ充」を目指して生きていく。
それが本当の「充実」を味わうための方法です。
今の日本は、社会の側があなたの「充実」の基準を決めています。
もっとストレートに言えば、あなたのなかにある基準は一切無視されているのです。
そして、
「これを買って、こんな趣味を持って、こんな仲間や恋人をつくって、こんな働き方で、こんなお店でこれを食べて、こんな旅行をして、こんな結婚をして、こんな体型になって、こんな街でこんな家に住むと充実しています」
と、勝手に決めつけてくる。
いろいろな商品やサービスの都合、政府の方針や世間の常識に合わせて、あなたの「充実」の基準を決められてしまっているのです。
だから、あなたが必死でその基準をクリアしたとしても、じっさいにはまったく「充実」を感じられないかもしれないのです。
とくに、生きづらさを抱えている方は、独自の基準を強くもっている人が多い。
だからこそ、世間になじめずに生きづらさを感じているわけです。
そのような人が「社会にお仕着せられた基準」を満たしても、心の底から「充実」を感じることはないでしょう。
必死でその基準をクリアしても、残るのは徒労感と虚しさばかりです。
さらにそれらの基準は、外見を整えているに過ぎない。
見かけ上の生活レベルの基準ばかりなのです。
そんな曖昧で表面的な基準に振り回されるより、「実存」が充実しているかどうかを基準にする。
「ジツ充」という人生の基準をもつのです。
自分は今、自分にしか送れない、たった一つの人生を送っている。
私が私であるからこそ、この人生を選び取っている。
その圧倒的な充実感で、心だけでなく自分の奥底にある魂が満たされる。
震える。
たとえ生活レベルが平凡で、周囲の人たちから「リア充」だと思われていなくても、確実に「実存」が充実している。
そんな「ジツ充」を目指す生き方こそが、生きづらい私たちには、どうしても必要なのです。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
生きづらい人生の歩き方 <目次>
1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの?
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
154.自己憐憫のススメ
おかげ様でコラム数500本突破!