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この人と結婚していいのか?

 

この人と結婚していいのか?

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生きづらい人生の歩き方

 

第78回
この人と結婚していいのか?

 

┃結婚への不安の二つのパターン

 
カウンセリングのなかで、ご結婚する予定のある方からご相談をお受けすることがあります。
 
「この人と結婚して本当にいいのだろうか?」と考えてしまう。
 
とくに生きづらさを抱えた方であれば、自分のこの独特の感性をもったままパートナーとうまくやっていけるだろうか。
 
そんなふうに不安になってしまう方がおられるのです。
 
そのような結婚の不安に対するご相談によくあるのが、次の二つのパターンです。
 
パートナーは私に対してこういうことをしてくれるだろうか、私のああいうところも理解してくれるだろうか、ちゃんと私を満足させてくれるだろうか、と心配してしまうパターン。
 
もう一つのパターンは、私はパートナーに対してこういうことができるだろうか、パートナーのああいう面を理解できるだろうか、ちゃんとパートナーを満足させてあげられるだろうか、と心配してしまうパターン。
 
言いかえれば、「自分が幸せになれるかということばかり心配している人」と「相手を幸せにできるかということばかり心配している人」。
 
この二つにパターンに、大きく分かれるのです。
 
 

┃結婚は誰のためにするものか?

 
そこで「自分が幸せになれるかということばかり心配している人」に、
 
「ではあなたは、結婚したらパートナーにどんなことをしてあげられますか?」
 
「あなたはパートナーに、結婚によってどんなメリットを与えてあげられるのですか?」
 
と質問をさせていただくことがあります。
 
すると、ほとんどの方が「えっ??」と驚いて言葉に詰まります。
 
つまり、自分のことばかりに気が向いていて、相手を満足させられるかどうかという観点がスッポリ抜けて落ちてしまっているのです。
 
一方、「相手を幸せにできるかということばかり心配している人」に、
 
「ではパートナーは、結婚したらあなたにどんなことをしてくれるでしょう?」
 
「パートナーはあなたに、結婚によってどんなメリットをもたらしてくれるのですか?」
 
と質問をさせていただくことがあります。
 
すると、やはりほとんどの方が「えっ??」と驚いて、言葉に詰まります。
 
こちらは、相手のことばかりに気が向いていて、自分が満足できるかどうかという観点がスッポリ抜けて落ちてしまっているのです。
 
結婚とは自分のためにするものではありません。
 
ましてや相手のためにするものでもありません。
 
結婚とは、二人のためにするものです。
 
お互いがお互いを幸せにしようという人同士が結ばれて、はじめて結婚はうまくいく。
 
言われてみれば当然のことなのですが、私たちはついつい結婚という「大舞台」を目の前にすると、そのことを忘れてしまいますよね。
 
相手への期待が大きくなったり、自分に対する信頼のなさがわきあがってきて、ついつい「自分のことばかり」か「相手のことばかり」で目の前が覆われてしまう。
 
そして、三組に一組が離婚するような状態になる。
 
たとえ離婚しなてくも、しぶしぶ一緒にいるだけの破綻した関係を、何十年もつづけていくことになるのです。
 
 

┃結婚は異文化交流

 
ではなぜ、結婚は二人のためにするものという一見かんたんなことを、私たちは実践することが苦手なのでしょうか。
 
それは「対話」ができない人が多いからです。
 
お互いがお互いを満足させようとするためには、「対話」が必要です。
 
どういうところを改善して、どんなふうに夫婦関係を良好に保っていくのか。
 
腰を落ち着けてそのような「対話」ができないのであれば、夫婦関係はよくなりません。
 
結婚とは異文化交流です。
 
風呂の温度にはじまり、料理の味付け、エアコンの風向き、休日の過ごし方、ありとあらゆる文化が違う人同士が結ばれるのです。
 
そして一緒に暮らすのです。
 
なまじ言葉が通じるので、似たような文化の人だろうと思ってしまいますがそんなことはありません。
 
じっさいは、完全に違う文化の人同士が一緒に住むことになると思った方がいいでしょう。
 
だからどうしても、異文化の溝を埋めるために「対話」が必要なのです。
 
「でも、同じ価値観ですごく自然に円満な夫婦関係を築いている人もいるじゃないですか?」
 
たしかにいます。
 
でも、カウンセラーという仕事の経験上言えるのは、そのほとんどのケースは「そういうふうに見せている」か、「とてつもなくラッキーだった」かのどちらからです。
 
他人の自己顕示につき合う必要はありませんし、宝くじに当たった人をうらやんでも仕方ありません。
 
じっさいの多くの結婚には「対話」が必要なのです。
 
 

┃結婚のポイントは「対話」ができるか

 
ただし、この「対話」がことのほか苦手な人が、男女問わずけっこういらっしゃいます。
 
「対話」しようとすると茶化したり、冗談を言ってごまかしたり、露骨に話をそらしたり、聞く耳をもたずテレビを見ながら生返事するのです。
 
ただこのような人は、基本的には対話「しない」のではなく 対話「できない」人が多い。
 
つまり「Don't」ではなく「Can't」だということ。
 
だから「対話」しようとなんど試みても、茶化したり、冗談を言ってごまかしたり、露骨に話をそらしたり、テレビを見ながら生返事してくるのです。
 
そような人は、お互いがお互いを満足させ合おうとするという結婚の条件を満たすのは、かなり難しいと言わざるを得ないでしょう 
 
結婚する時に、パートナーが「対話」できる人かどうかちゃんと見極めた方がいい。
 
これから結婚を考えている方に、私がアドバイスできるとしたらそれだけです。
 
その見極めが甘いと、「対話」しようとする人の方がジリジリとガマンするだけの夫婦関係になる可能性が高いでしょう。
 
そして、いつか暴発してしまう…。
 
まったく違う文化の人同士が一緒に暮らすわけですから、「対話」が成り立たないのであればそれは必然の結果でしょう。
 
お互いがお互いの幸せを考え合う関係でなければ、 異文化交流は「破綻する方が当たり前」なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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