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更新日:2024年6月12日

生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法

 

生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法

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生きづらい人生の歩き方

 

第151回
生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法

 

┃死ぬとき後悔しない方法とは?

 
私たちを強烈に突き動かす動機。
 
その一つに「死ぬときに後悔したくない」というものがありますよね。
 
たとえば、余命宣告を受けて過ごす数か月間。
 
もしくは高齢になり、病に伏せ、終わりが近づいてくるのを自分でも知りながら横たわるベッドの中。
 
そして、まさに臨終を迎えるその瞬間。
 
後悔に苛まれることだけは避けたい。
 
「死ぬときに後悔したくない」と思うとき、このようなイメージをもつ方が多いようです。
 
そこでよく語られるのが「だから、やりたいことをやろう!」という言葉です。
 
たしかに、やりたいことをやり切っていないから、死ぬときに後悔する。
 
やりたいことをやり切れば、「満足」して死んでいける。
 
でも、果たして本当にそうなのでしょうか?
 
 

┃後悔しないために必要なのは「思い出」?

 
もちろん、じっさいに終末医療の現場で語られるのは、そのような後悔が多いと言われていますよね。
 
もっと我慢せずに、人に合わせずに、自分の思いどおりに生きればよかった。
 
もっとやりたいことをやっておけばよかった・・・。
 
それは、紛れもない真実だと思います。
 
だからこそ、そのような真実を挙げて「だから、やりたいことをやり切ろうよ!」と誘いかけてくる人が多いのでしょう。
 
たとえば、40万部のベストセラーとなっている「DIE WITH ZERO」(ビル・パーキンス著)という本があります。
 
「人生で一番大切な仕事は思い出づくり」という、とても素敵な内容の本です。
 
死ぬときにお金をいくらもっていても仕方がない、だから今お金を使って、いろいろな経験をして残金ゼロで死ぬのを目指そう。
 
そう、死ぬときに後悔しないために。
 
私も読んでいて、たしかになと共感することがたくさん書いてありました。
 
ただ・・・。
 
そのなかで著者が挙げているその「思い出づくり」の経験の例が、
 
・子供をもつ
 
・ボストンマラソンを走る
 
・ヒマラヤをハイキングする
 
・家を建てる
 
・特許を申請する
 
・起業する
 
・「国境なき医師団」のボランティアをする
 
・ミシュランの星つきレストランで食事をする
 
・サンダンス映画祭に参加する
 
・50回スキーをする
 
・オペラを鑑賞する
 
・アラスカにクルーズ旅行する
 
・古典小説を20冊読む
 
・スーパーボウルをスタジアムで観戦する
 
・ゲームの大会に参加する
 
・イエローストーン国立公園に行く
 
・秋のバーモント州を旅行する
 
・子供たちとディズニーランドに3回行く…
 
といった経験。
 
たしかに、どれも素晴らしい経験だと思いますが、いかにも自己啓発本といったラインナップ(笑)
 
こんなにも「特別な経験」をしなければ思い出ってつくれないものでしょうか?
 
こんなにもたくさんの「特別な経験」をしなければ、やりたいことをやり切ったことにならない。
 
つまり「満足」できずに、死ぬときに後悔してしまうのでしょうか?
 
 

┃無限に思い出を増やす方法

 
決してそうではないですよね。
 
なぜなら、あなたもご存じのとおり、日常のいたるところに思い出になるような経験がゴロゴロと転がっているからです。
 
今年最初のセミの鳴き声、休憩時間に飲んだコーヒー、ベランダから見た夕焼け、夜風に吹かれた犬との散歩、家族と交わしたおやすみのあいさつ・・・。
 
そんな日常のあらゆることが、思い出に値するかけがえのない経験ではないでしょうか。
 
たしかに、「特別な経験」をすれば思い出に残りやすいでしょう。
 
ただそれしか思い出にならないのだとしたら、たくさんの思い出をつくるために、必死になって「特別な経験」を追いかけ回す必要があります。
 
それよりも、日常のあらゆることを思い出にできる能力を高めた方が、無限に思い出が増やせるのではないでしょうか?
 
今日あった一つひとつの情景を思い浮かべ、その感慨にふけり、なんども、なんども、なんども、なんども、くり返し噛みしめて味わう。
 
ああ、この瞬間が味わえたのなら、自分の人生に「満足」してもいいのかもしれない。
 
そんなふうに思えるほど、日常の経験の「得難さ」を堪能する。
 
そうすることで、「特別な体験」を躍起になって求めなくても、死ぬときに後悔しない思い出づくりができるのではないでしょうか。
 
これは「だから当たり前のことに感謝しましょう」といった、お説教をしているわけではありません。
 
死ぬときに後悔しない方法は、決して「やりたいことをやり切る」だけではないということをお伝えしたいだけです。
 
そして、その方が生きづらい人に向いている。
 
もう少し正確に言えば、「やりたいことをやり切る」のは生きづらい人に向いていないんです。
 
いったいどういうことでしょうか?
 
 

┃生きづらい人は「やりたいことをやり切る」のに向いていない

 
「やりたいことをやり切る」のが、生きづらい人に向いていない理由。
 
それは主に二つあります。
 
まず第一に、生きづらい人は「自分のやりたいことがよくわからない」という悩みを抱えがちです。
 
世間で感性の違う自分を、抑圧せざるをえない状況で生きてきた方が多いので、どうしても自分の好ましい感覚に気づくのが苦手なのです。
 
だから「やりたいことをやり切ろう」などと言われても、なにをしていいかわからない。
 
にもかかわらず「そうしないと死ぬとき後悔するよ!」と脅される。
 
そうして、後悔したくない、でもやりたいことが見つからないという地獄の板挟みにあってしまうケースがあとを絶たないんです。
 
そして二つ目は「やりたいことをやり切る」という行為と、非常に相性が悪いということ。
 
やりたいことをやるには、お金がかかる場合が多いですよね。
 
しかもそれをやり切るとなると、相当なお金が必要です。
 
しかし、生きづらい人はお金を儲けるのが得意ではありません。
 
膨大なストレスにさらされているというハンデ戦のなかで、経済的に成功するのは至難のワザです。
 
しかも心が敏感ですから、金儲けに必要な「図太さ」「鈍感さ」が明らかに足りないのです。
 
だから「やりたいことをやり切ろう」とすると、苦手な金儲けをすることになり、より生きづらくなってしまう方が多いのです。
 
ただこのような話をすると「お金を使わなくても特別な体験はできる」と述べる人が世間にはいます。
 
その例としてよく見かけるのが、
 
「貧乏なのにたくさんの人と仲良くなって、いろいろな経験をさせてもらっている」
 
「お金持ちの友達の家に住ませてもらって、面白い話や家事をやって、お金持ちと同じ生活をさせてもらっている」
 
といったエピソードです。
 
そんなにコミュニケーション能力に長けていて、しかもそこまで図々しく生きられたら、そもそも生きづらくなんてありません(笑)
 
生きづらい人は「やりたいことをやり切る」のに、もともと向いていないのです。
 
その代わり、その繊細さを使って日常の経験の「得難さ」を噛みしめる。
 
その方が現実的なのは、あなたにもご理解いただけることと思います。
 
 

┃死ぬときの後悔に「やりたいこと」は関係ない

 
ここまで話してきてなんなのですが・・・。
 
そもそも私は、生きづらい人が死ぬときの後悔に「やりたいことをやり切ったか」は、あまり関係がないと思っています。
 
なぜなら・・・。
 
私は、生きづらさ専門カウンセラーという仕事柄、じっさいに余命宣告を受けた方のお話を伺う機会があります。
 
そういった方が「やりたいことをやり切ったか」を気にしているのを見たことがないのです。
 
つまり、どこに行った、あれを食べたなどという「結果」ばかりを気にしている人は、一人もいません。
 
それよりも、ご自身の人生の「プロセス」を気にされているのです。
 
苦しい人生を生き抜いてきた。
 
自分なりに懸命に生きてきた。
 
なにひとつ満足できる「結果」は出せなかったけど、これが自分の人生だったのだと受け容れて死んでいきたい。
 
自分なりに精一杯生きたのだと「納得」して死んでいきたい。
 
そう。
 
「やりたいことをやり切ったか」なんていう「満足」を求めている方はいませんでした。
 
それよりも求めているのは「納得」なのです。
 
このあまりにも苦しかった人生に「やりたいことをやり切ったか」なんて求める余裕はない。
 
あるのは、そのあまりに苦しい人生を、最後の最後で受け容れられるかどうか。
 
自分なりによく闘った、投げ出さずに本気で生き抜いたと、自分を認めてあげられるかどうかなのです。
 
死ぬときに後悔しないために、なにかを手に入れるのではない。
 
そもそも死ぬときに後悔しない人間になればいい。
 
生きづらい私たちが、自分の残りの命と向き合うとき。
 
そこで後悔から救ってくれるのは「結果」よりも「プロセス」
 
「満足」ではなく「納得」なのだと、私は思っています。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
 


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