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更新日:2022年12月13日

「結論だけ欲しがる社会」に踊らされるな

 

「結論だけ欲しがる社会」に踊らされるな

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生きづらい人生の歩き方

 

第127回
「結論だけ欲しがる社会」に踊らされるな

 

┃「結論コレクター」が肯定され、増殖する時代

 
「結論だけ欲しがる社会」が来ました。
 
今まで超えそうで超えなかった一線を、ついに超えてしまいました。
 
そう感じたのは、Youtubeが「ショート動画」を収益化できるようにしたからです。
 
ありますよね、短いYoutube動画。
 
あれがビジネスになると、Youtube側が判断したわけです。
 
これを知って私は「ターニングポイント」」を超えたなと感じたのです。
 
なぜなら、長い動画を掲載できる巨大プラットフォームが、わざわざ短い動画で収益化できるようにしたわけです。
 
それは、「結論だけ求めること」が大っぴらに肯定されたようなインパクトをもつでしょう。
 
これからは「結論コレクター」はどんどん増殖する時代になっていくはずです。
 
もちろん、今までも兆候はありました。
 
一時的なブームと言われていたTiktockの勢いは増すばかり。
 
一方、一番おいしい「結論」をもったいつけることで視聴率を稼ごうとしてきたテレビは衰退。
 
「驚愕の結果まで、3、2、1!」
 
なんて演出は、スポンサー以外望んでいない。
 
誰もが「WEB記事のザッと見」や「Youtubeの早送り」で「結論」だけを知ろうとする。
 
もはや結論にいたるための「プロセス」は「邪魔ものあつかい」されているのです。
 
それが「結論だけ欲しがる社会」です。
 
 

┃「プロセス」で稼ぐ今までのビジネスは通用しない

 
「結論だけ欲しがる社会」では、ビジネスのやり方も大きく変わるでしょう。
 
今までのビジネスは通用しなくなってきます。
 
なぜなら、世間は「プロセス」で稼いでいるものがヤマほどあるからです。
 
本やセミナーをはじめ、あらゆる習い事、エステやフィットネス、コンサルティングやコーチングなどの相談業、果ては教育や医療もその中に含まれます。
 
だからこそギリギリ土俵ぎわいっぱいで粘っていた社会が、Youtubeショートの収益化でそのタガをはずしてしまった。
 
もう私たちは「結論だけ欲しがる社会」のやり方で、選び、買うことが当たり前になるでしょう。
 
なにか解決したいことがあったら、検索して、ショート動画や短いWEBの記事で、何パターンもの「結論」だけを収集する。
 
そのなかから自分に合った「結論」を選ぶ。
 
売り手もそれに合わせる必要があります。
 
今までのように「結論」を隠して魅力的に見せて引きこもうとしても通用しない。
 
「いいからとっとと結論をよこせ」と言われてしまう。
 
どれがいいかはこっちで選ぶからと。
 
結論さえわかれば、自分でぜんぶやるからと。
 
それくらい情報があふれかえる社会。
 
そうでもしないと情報を受け取る側も追いつかない社会になったのです。
 
 

┃映画も「マッチ度98%」以上でなければ見たくない

 
エンタメだって例外ではありません。
 
長いプロセスを重要視する「映画」ですら、「プロセス」を排除されてきています。
 
ネットフリックスなどで、「あなたへのマッチ度98%」とか出てきますよね。
 
あれは、自分に合うか合わないかという「結論」を、映画を見る前から教えてくれているのです。
 
だから、もはやマッチ度90%でも見ようとしない。
 
かぎりなく100%に近くなければ見たくない。
 
自分に合わない「結論」の映画など、見ているヒマはないのです。
 
プロセスが大事な映画ですら、このありさまです。
 
今まで高額が当たり前だった「ビジネスセミナー」など、誰も見向きもしなくなっています。
 
1つの結論を言うために、2時間も3時間も話をするセミナーなんて、誰も聴かないのです。
 
ましてや何十万円も支払ってまで聴きたくない。
 
一つの情報のために、1時間も、いや10分ですら使う時間はない。
 
みんな「結論」だけ欲しいのです。
 
 

┃メタバースが唯一「プロセス」を満足させる?

 
ここから先は、どうなるのかわからない。
 
ただ、メタバースだけは、着実に広まっていくのでしょう。
 
なぜなら、今、社会の中心にいる人たちがメタバース大好きだから。
 
さらに、私たち人類はメタバースの誘惑に勝てないからです。
 

参照記事
子供のゲーム依存・ゲーム脳を予防したい
メタバースの未来と有効なつき合い方について詳しく解説しています

 
目の前に、今までなかったような「面白い!」「楽しい!」をブラさげられて、じっとしていられるほど人類は大人ではありません。
 
そのうえ、メタバースがあって当たり前の世代が、これから社会の中枢にどんどん入り込み、大役を担っていくわけです。
 
どうしてそこまでメタバースがもてはやされるのでしょうか?
 
それは「メタバース」が現在唯一「プロセス」を満足させられるからではないでしょうか。
 
「結論」に至るまでの「プロセス」を、リアルな3Dや4Dという未知の体験で魅力的に演出できるのですから。
 
いや、それどころか、じっさいゲーム空間などでは、その「結論」すらなくなっています。
 
DVDディスクに入っていた頃のゲームのように「結論」があるわけではなく、ネットワーク上でシナリオが追加されていく一つのゲームを延々とやりつづけていく。
 
つまり「プロセス」を延々と果たしていく。
 
メタバースだけは、「プロセス」が重宝される価値が成立しているのです。
 
そう考えると、あらゆることに「ネットワークゲーム」の要素を取り入れていくことで、社会を「プロセス」に回帰させられるのかもしれませんね。
 
 

┃「結論だけ欲しがる社会」に加担しない方がいい理由

 
「結論だけ欲しがる社会」は、ものすごい勢いで進んでいくでしょう。
 
しかし・・・。
 
その流れに乗り過ぎない方がいいと思います。
 
なぜなら「結論だけ欲しがる社会」はすぐに終息するからです。
 
どんなに結論だけ寄せ集めたところで、それを実践するのはそれぞれの人自身です。
 
その人が、その結論を活かせなけば、なんの役にも立たない。
 
医師に、
 
「この臓器を切除すれば回復が望めます」
 
と結論だけ受け取っても。
 
弁護士から、
 
「この法律があるから裁判に勝てるかもしれません」
 
と結論だけ受け取っても。
 
結局は、その結論に至るまでのプロの知識と技術が必要になります。
 
「プロセス」抜きにして「結論」だけで生き抜けるほど、人生甘くはないのです。
 
だから、「結論だけ欲しがる社会」に踊らされないようにしましょう。
 
「結論コレクター」になることは、その問題が重要であればあるほど、ただの遠回りであり、たんなる時間の無駄になる可能性が高いのです。
 
 

┃これを今のうちにやっておけばいい(この記事の結論)

 
そんなこんなで、そろそろ「結論」を言いましょう(笑)
 
「結論だけ欲しがる社会」の中で、よくぞ最後まで私の理屈っぽい話を読んでくださいました。
(読まずにここから読みはじめようとした人は、最初から読んだ方がいいです)
 
そんなあなたに私は言いたい。
 
世間が「結論コレクター」と化している間に、これを磨いておくといいですよ、と。
 
それは、
 
「自分自身がプロセスになること」
 
です。
 
つまり、
 
「この結論に至るためには、この人が必要なんだな」
 
と納得してもらえる人になることです。
 
人生、本気で生きていれば、おいそれとかんたんに「結論」を述べるわけにはいかないことがヤマほどあります。
 
万人に当てはまる「結論」もありません。
 
そんなとき、自分の生き方をとおして「結論」はにじみ出てくるものです。
 
自分を必要としてくれる人に寄り添っていく中で、自然と「結論」はにじみ出てくるものなのです。
 
ろくに役にも立たない安っぽい「結論」のオンパレードに飽きた人たちは、そのことにやがて気づくでしょう。
 
「結論だけ欲しがる社会」は、やがて終わりを告げます。
 
そして、「プロセス」を重要視せざるをえなくなります。
 
そのとき・・・。
 
「プロセスそのもの」になっているあなたが、真に求められるのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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