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自分を信じられない

 

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生きづらい人生の歩き方

 

第83回
自分を信じられない

 

┃自分を信じられない原因と解決法について

 
自分を信じられないというのは、とてもつらい状態です。
 
思い切った決断をすることもできませんし、それどころか日常の些細な決断にも迷ってしまうでしょう。
 
そして「こんな自分でこの先も生きていけるのだろうか・・・」と、より悩みを深めてしまう。
 
悩み解決本やネットの記事では「なぜ自分を信じられないのか?」という原因について述べられています。
 
失敗が怖いから。
 
理想の自分と違うから。
 
自分のことが嫌いだから。
 
そしてもっとも多いのが、
 
「自分に価値がないと思い込まされたから」
 
というものです。
 
たしかに、それらの理由が原因となっているのかもしれません。
 
とても適切な分析だと思います。
 
そこには「自分を信じられるようになる方法」も同時に記されています。
 
その方法も、とても理にかなったものだと言えるでしょう。
 
もっとも多いのが、
 
「小さな成功体験を積み重ねよう!」
 
「自分を信じられない思いをバネにして結果を出そう!」
 
といったものです。
 
つまり、そうすれば「自分に価値がないという思い込み」がはずれると。
 
ただし、ここで気をつけたいことがあります。
 
それは、これらの方法のほとんどが「社会での成功や良い結果によって自分が信じられるようになる」という文脈で語られているということです。
 
つまり、これらの方法に取り組むと「社会での成功なくして自分を信じられない」という構図から脱け出せなくなってしまうのです。
 
自分を信じられずに本気で苦しんでいる人というのは、そのような社会的な基準だけで苦しんでいるわけではありません。
 
多くの方は「自分の根本」から価値がないと苦しみもがき、自分をまったく信じることができずにいます。
 
それは、社会での「成功」や「結果」を積み重ねて解決できるような問題ではありません。
 
現場で悩みを聴きつづけているカウンセラーとして、まずそのことをハッキリお伝えしておきたいと思います。
 
 

┃そもそも自分を信じる必要があるのか?

 
なんとか自分を信じられるようになりたい。
 
自分を信じられないという苦しみから逃れたい。
 
そして思い切った決断も、日常の些細な決断もスムーズにして、しっかり生きていけると確信したい。
 
周囲にいる人たちと同じように・・・。
 
もしあなたが同じような悩みを抱えておられるのなら。
 
ここで一つ質問をさせてください。
 
周囲にいる人たちは、みんな自分を信じているのでしょうか?
 
つまり、みんな自分を信じているから、迷わず決断してしっかり生きてられているのでしょうか?
 
そんなことはありませんよね。
 
これは「みんなだって自信がないなかで、必死に決断して生きているんだよ!」というお説教がしたいわけではありません。
 
そうではなく、そもそもみんなそんなことを考えたこともないということ。
 
周囲の人はみんな「自分を信じているかどうか?」なんて考えたこともない。
 
だから「自分を信じられない」なんて悩んだこともない。
 
それゆえに、スムーズに決断して生きられていられるのです。
 
つまり、そこまで深く考えたことがないのです。
 
そして、そのような深く考えない膨大な数の人たちによって、この地球という惑星は覆われ、生活が営まれているのです。
 
つまり、自分を信じられないから決断ができない、生きていけないというのは誤解だということです。
 
思い込みをはずすのだとしたらそこです。
 
自分を信じていなくても生きていける。
 
というか、自分を信じているかどうかと考えることすらなくても、ぜんぜん生きていけるのです。
 
「自分には価値がない」という思い込みをはずすより、「自分を信じられなければ生きていけない」という思い込みをはずすことの方が、より根源的な解決策だと言えるでしょう。
 
 

┃わざわざ信じる必要はない

 
さらに、本来「自分」というものは、わざわざ信じようとあの手この手を尽くさなくてもいい存在です。
 
なぜなら「自分」は、信じていようがいまいがずっとそばにいてくれた、とってもありがたい存在なのですから。
 
命がけで産道をくぐり抜けたときも、
 
必死ではじめてのミルクを飲んだときも、
 
兄弟姉妹から邪魔者あつかいされたときも、
 
親から虐待されたときも、
 
いじめで屈辱を味わったときも、
 
試験で最低の点を取ったときも、
 
転んで大ケガしたときも、
 
受験に失敗したときも、
 
恋愛でみじめにフラれたときも、
 
採用面接に落ちつづけたときも、
 
仕事で失敗したときも、
 
会社をクビになったときも、
 
病気で身動きとれなくなったときも。
 
どんなときも、一瞬たりとも離れずそばにいてくれた人。
 
周囲の人がバカにしようがなんて言おうが、ずっと離れずにそばにいてくれた人。
 
そんな「とってもありがたい存在」なのです。
 
それほどまでに自分に尽くしてくれた人を信じずに、いったい他に誰を信じろ言うのでしょうか?
 
だから・・・。
 
小さな成功なんて積み重ねなくていい。
 
信じられない気もちをバネにして結果なんて出さなくてもいい。
 
自分を「わざわざ」信じようとする必要などありません。
 
ただただ「自分」がずっとそばにいてくれたこと、その事実を受け入れればいいのです。
 
 

┃対話もなしに自分を信じることは難しい

 
もしその事実が受け入れられないのだとしたら。
 
それはもしかすると「自分との対話」がなされていないのかもしれません。
 
対話もなしに人を信じることは、なかなかできないのではないでしょうか?
 
対話を積み重ねることによって、私たちはその相手を信じるに足る人間なのか知ることができます。
 
それは自分自身に対しても同じことです。
 
自分との対話をおろそかにしていたら、自分のなにを信じていいのかわかりません。
 
あなたがもし「自分を信じられない」と悩んでおられるのなら。
 
自分自身に問うてみてください。
 
あなたは、自分と深く対話をしてきたと言い切れるでしょうか?
 
自分との対話を拒んでこなかったでしょうか?
 
自分と向き合うことを避けてこなかったでしょうか?
 
これはあなたを責めているわけではありません。
 
ただ自分自身にそう質問してみてくださいというだけです。
 
もしも「充分な対話してこなかった」と思われたなら・・・。
 
これを機に、自分と対話してあげてください。
 
自分の心の声を聴いてあげてください。
  
もちろんケンカもするでしょう。
 
あきれ果てることもあるかもしれません。
 
でも・・・。
 
その果てに、ようやく「絆」が生まれる。
 
そして、自然と自分を信じられるようになっていくのです。
 
 

┃他の人はどんなときに「自分を信じられない」と感じているの?

 
自分を信じられないのは、あなただけではありません。
 
ここで、私が運営する生きづらい人のオンラインコミュニティ「Adic Salon」で、じっさいにアンケートをご紹介します。
 
たとえば、みなさんこんな場面で「自分を信じられない」と悩んでいます。
 


 
仕事でありえないミスをしたとき。
過緊張になるとき。
(40代、男性)
 


 
「どうしよう、こうしよう、ああしよう」と思った次の瞬間、「でも、何をやっても失敗するんだ、きっと。」と思っていた時期がありました(今でも程度の差こそあれ、思っているかも)。
(40代、女性)
 


 
何かをしなければいけない、行動しなければいけないときにも、いつだって自分を信じられたことはありません。
踏み出すまでの時間は、すごくかかっていると思います。
「自分は、何もできないんだ、どうせダメなんだ」
「自分が何をしたってダメなんだ」
という心の声ばかりが襲ってくる。
そんな葛藤ばかりを、いつだってしている気がします。
(30代、男性)
 


 
何か新しい事を始めようと決意しても、どこかで「根性がないから困難を乗り越えられないだろう」とか「探究心が無いから掘り下げる前に気が乗らなくなってやめてしまうだろう」とか「バカだから頑張って覚えてもどうせ忘れてしまうだろう」などと考え、「そんな考え自体が甘えなんだから本当にどうしようもない人間だ」と落ち込みます。
(40代、女性)
 


 
自分で決めて行動してみるけど、挑戦しても求めていた結果を得られなかった時
自分で決めたのに、ことごとく上手くいかず、心がどんどんつらくなることを選択しがちで、自分って信じられないなあ・・・と感じました。
(40代、女性)
 


 
いかがでしたしょうか?
 
みなさんの回答を見て気づいたのは、自分を信じられないとき、自分のなかで「声」が聞こえているということです。
 
つまり「自分にはどうせできない」と、自分をあきらめさせる自分がいるということです。
 
他の悩みよりも顕著にその傾向が強いことは、「自分を信じられない」というまさに自分自身との葛藤こそが、この悩みの本質だということを物語っていると私は感じました。
 
「自分を信じられない」と悩んでいる人は、まず自分のなかからどんな声が聞こえてきているのか向き合ってみるのことが大切だと言えるでしょう。
 
 

┃みんなはどう対処しているの?

 
では、「自分を信じられない」と悩んでいるみなさんは、どう対処しているのでしょうか?
 
先ほどと同じ「Adic Salon」の方たちに、対処法を聴いてみました。
 


 
メタ視点で、自信を失ってる自分を眺めて自分の状況を把握する。 呼吸を深める。
(30代、男性)
 


 
「でも、何をやっても失敗するんだ、きっと。」と思ったまた次の瞬間、「でもそれはおかしいだろ、なんでこう思うようになったんだ?!という思念が生まれてもいました。 ほどなくしてなんとなく「(必ず失敗すると)思わされているんだなあ」と思うようになり、『自分は必ず失敗する論』はウソであって思い込みだという事実は理解するようになりました。でも、まだ、それを消化できていない状態です。 
(40代、女性)
 


 
本を読むとか、気持ちを切り替えるように外に出てみるとか違うことをするようにしています。(それでも自分を信じられない気持ちは拭えないんですが)  そして、それでも 「何もしなければ、結果が変わることもないんだ」 となるべく自分に言い聞かせるようにしている気もします。  もう無茶苦茶でもなんでもいいんだと思い、自分に言い聞かせるようにしています。  
(30代、男性)
 


 
失敗しても懲りず、結局あれこれやって動いているうちに、あれ、これならできそうとか、失敗も経験しただけだから、自分を責めることをやめたときに信じるとか信じないとかそのものに意識がいかなくなりました。 あとは、いい意味で物事思い通りになると思わずあきらめたときに、どうせうまくいかないんだし考えるのをやめようと思えたら、楽になりました。
(40代、女性)
 


 
いかがでしょうか?
 
それぞれの方が、それぞれの方法でしのいでいらっしゃいますね。
 
また、Adic Salon会員のEさん(40代、女性)は、次のような回答をくださいました。
 


 
対処は良くわからないのですが、取り組む内容を世間体の良いことではなく、本当に興味のあること(好きとも違うのですがずっと気になってるようなこと)にしたら自然と続けられるようになって、少しは自分を信用できるようになった気がします。 例えば、社員になる、とか資格をとる、とか世間体の良い漠然とした目標ではなく『なぜこれはこうなんだろう?』といった個人的な興味を掘り下げることに集中してみた感じです。
 


 
これは本当に、芯を突いた対処方法だと私は感じました。
 
つまり、社会的な「成功」や「結果」とは別次元に目を向けていった。
 
しかも、世間でよく語られる「好きなこと」ではなく、なんとなくずっと気になっていたようなことをつづけてみた。
 
言うなれば「外側」ではなく、自分の「内側」を丁寧に探っていったという感じでしょうか。
 
それが結果的に継続につながって、自分への信用に自然につながるというのはとても納得がいきますよね。
 
自分を信じるというのは、意気揚々と「信じてるぜ!」と感じるようなものではない。
 
自分自身と静かに自然とじっくりと「絆」で結ばれていくものなのだと思います。
 
あなたもぜひ、ご自分の内側に丁寧触れ、一方通行な「声」ではないご自身との「対話」をつづけてみてくださいね。
 
やがて、少しずつ自分を信じている自分に気づけるようになっていくはずです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
 


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