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「変えられること」の見つけ方

 

変えられることの見つけ方 生きづらい人生の歩き方 第16回

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生きづらい人生の歩き方

 

第16回
「変えられること」の見つけ方

 
前回のコラム「変えられること、変えられないこと」の中で、私はこう述べました。
 
生きづらい人生から脱け出すために、「変えられないこと」にこだわりつづけるのではなく「変えられること」を見つけていこうと。
 
このお話をさせていただくと、多くの方から、
 
「でも何が変えられることで、何が変えられないことなのかがわからないのです…」
 
という声をお聴きします。
 
たしかにそのとおりですよね。
 
すぐに変えられることもあれば、変えるのに時間のかかることもある。
 
いったい今の自分は変わっている途中なのか、それとも変えられないことを変えようとしているのか…。
 
なかなか判断ができません。
 
そこで今回は、その判断の手助けとなる考え方をご紹介したいと思います。
 
それは「変えられるか、変えられないか」で判断しようとするのではなく、
 
「Don'tなのか、Can'tなのか」
 
で判断するという考え方。
 
つまり「やらないのか、できないのか」という判断をしてみるのです。
 
やらないだけなのであれば、やればできるかもしれません。
 
でも、できないことはいくらやってもできません。
 
実際にやってみて、今できないのであれば、少なくとも今自分にとってそれは「Don't」ではなく「Can't」だということです。
 
たとえば、私は電車の網棚に荷物を置くと、かなりの確率で置き忘れて電車を降りてしまいます。
 
しかも置き忘れに気づいたときに、とても激しく感情が乱れるのです。
 
大変好ましくない状況なので、網棚の荷物を忘れないようにいろいろな工夫を試してみました。
 
でもやっぱり忘れてしまい、まんまと感情が乱れます(笑)
 
そこで、私は判断しました。
 
私にとって網棚に荷物を置き忘れないようにすることも、そのあと感情が激しく乱れないようにすることも「Can't」なのだ、と。
 
もちろん他の方法を試しつづけたり、努力をつづければ「変えられる」のかもしれません。
 
でも、実際に今「できない」。
 
他の人がどれだけ簡単にこなしていたとしても、私には実際に今「できない」のです。
 
だから、私は網棚に荷物を置かないことにしました。
 
そのために荷物を少なくする工夫をし、適したサイズのカバンを見つけて持ち歩くようにしました。
 
買い物も主にネットでおこなうようにして、外で買い物するさいも大荷物にならないようにしました。
 
これらの工夫は、一発で簡単にできました。
 
それ以来、網棚は私にとってただの車内のオブジェとなったのです。
 
「やらない」のではなく「できない」のであればあきらめもつき、先の見えない努力から解放されます。
 
「できる部分」で解決していくことができるのです。
 
変えられるのか、変えられないのかで判断しようとすると、何か他の方法を使えば変えられるかもしれないと思うでしょう。
 
自分がその方法を知らないだけであって、正しい方法さえ知れば変えられると思ってしまうのです。
 
そして、変えられないのは自分の努力が足りないだけなのだと自分を責めてしまうことにもなってしまいます。
 
存在するかどうかもハッキリしない「可能性」に期待を持ち、「可能性」によって自分を責めてしまうのです。
 
「可能性」は希望にもなりますが、使い方をあやまれば自分を苦しめる材料にもなるのです。
 
「Don'tなのか、Can'tなのか」という判断には、「可能性」が入る余地がありません。
 
実際にやってみてもできなかったのですから、事実として「Can't」なのです。
 
いろいろな方法を試してみても、その都度「Can't」という明確な答えが返ってくる。
 
くり返し「Can't」だと突きつけられれば、もういいかげん、
 
「ああ、これはやらないのではなく、できないのだ。」
 
と判断せざるを得なくなってきます。
 
そしてもっと違うアプローチから、その問題を解決しようと柔軟な考えが浮かんでくる。
 
自分には今なにが「できる」のかという点に目が向くようになるのです。
 
もちろん、世の中にはやろうともせずに「Can't」だと判断してしまう人もいます。
 
「できない」と開き直って、それを理解しようとしない周囲の人たちを責めてばかりいる人もいます。
 
でも、あなたは違う。
 
かんたんに「Cant'」と言えないからこそ苦しんできた。
 
自分を変えようと、真摯に努力してきた。
 
でも、もうそろそろ、あなたの苦しみと努力を認めてあげる時期がきたのかもしれません。
 
あなたはもう十分に苦しみました。
 
あなたはもう十分に努力しました。
 
それを認めてあげられるのは、あなたしかいない。
 
生まれてからずっとあなたの苦しみと努力を見つづけてきたのは、世界中であなたただ一人だけなのです。
 
「Can't」だと言ってあげられるのは、あなたしかいないのです。
 
変えられること、変えられないことを判断するためには、「Don'tなのか、Can'tなのか」と考えてみる。
 
「Can't」を受け入れ「できる」ことで解決してみる。
 
今「できる」ことの先に、「変えられること」が待っているのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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