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更新日:2022年12月16日

マイノリティは、なぜ生きづらいのか?

 

マイノリティは、なぜ生きづらいのか?

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生きづらい人生の歩き方

 

第130回
マイノリティは、なぜ生きづらいのか?

 

┃「攻撃されるマイノリティ」と「尊敬されるマイノリティ」

 
生きづらい人の多くは、ご自身のことをマイノリティ(少数派)だと感じています。
 
マイノリティだからこそ、集団のなかで攻撃を受けやすく、排除されやすいと。
 
たしかに、マイノリティは共感を得にくいですから、そう感じるのが当然だと思います。
 
ただ、よくよく考えてみると、必ずしもすべてのマイノリティが攻撃や排除の対象になるわけではないようです。
 
たとえば、松下幸之助さんや稲森和夫さんのような「名経営者」と呼ばれるような人は、数からいえば、あきらかにマイノリティです。
 
「金メダリスト」や「世界チャンピオン」もマイノリティです。
 
にもかかわらず・・・。
 
これらの人たちは、攻撃や排除の対象というよりは、尊敬の対象にすらなっています。
 
というか、このような人たちを「マイノリティ」と呼ぶことすらないでしょう。
 
じっさいのところ、マイノリティと言われると、「社会的弱者」や「差別の対象」というイメージと直結する方も多いのではないでしょうか。
 
「攻撃されるマイノリティ」と「尊敬されるマイノリティ」。
 
ここには、いったいどんな違いがあるのでしょうか?
 
詳しく見ていきましょう。
 
もちろん、こんなかんたんに二つに割り切れる問題ではありません。
 
しかし、あえて論点をシンプルにすることで、マイノリティと生きづらさの関係を浮き彫りにしやすくしていきたいと思います。
 
 

┃マイノリティは「人数」を表す言葉ではない?

 
そもそもマイノリティとは、どんな意味なのでしょうか。
 
じっさいの使われ方を見ると、辞書で説明されるような、たんなる「人数」を表す言葉ではなさそうですよね。
 
障害者差別に詳しい荒井裕樹さんは、その著書のなかで次のように説明されています。
 
まず、マジョリティ(多数派)とは、自分を「社会」や「日本人」といった「大きい主語」で語ることに葛藤も違和感も覚えず、他人からもそれを許されている人。
 
一方、マイノリティとはそんな「大きな主語」で語ることが許されない人で、自分自身に関わる「小さな主語」で語ることを求められる人。
 
私は、この説明が、じっさいのマイノリティとマジョリティという言葉の使われ方を言い当てていると感じます。
 

 
たとえば、自分の感じていることは、みんなも同じように感じていると信じている人。
 
いや、信じているという自覚すらないくらい、当然のものだと思えている人がマジョリティ。
 
逆に、自分の感じていることをことごく否定されたり、自分でもズレを感じている人がマイノリティ。
 
また、自分ができることが、みんなも同じようにできて当然だと思えている人がマジョリティ。
 
逆に、自分のできることをことごとく否定されたり、できないことをやれと強要されつづけている人がマイノリティ。
 
つまり、人数だけではなく、その人が世間に「許されているかどうか」が、マイノリティを決める大きな要因の一つになっているようです。
 
そしてこれこそが「攻撃されるマイノリティ」と「尊敬されるマイノリティ」の違いでもある。
 
というか、マイノリティと呼ばれる人たちと、人数は少ないのにマイノリティと呼ばれない人たちとの差だと言えるでしょう。
 
※以後、この記事のなかでは、ここで考察した意味で「マイノリティ」「マジョリティ」という言葉を使用していきます。
 
 

┃マジョリティとはマイノリティの「不正解感」を強める装置

 
人数が少なく、世間から許されていないものがマイノリティ。
 
言い換えればそれは、マジョリティは「正解」で、マイノリティは「不正解」だと認識されていると言えるでしょう。
 
本来であれば、どちらが「正解」ということはないはずです。
 
ただたんに感性やできることが「人それぞれ違う」だけにすぎません。
 
しかし・・・。
 
その感性やできることがたまたま一致した人たちがあまりにも多いと、それが「正解」だと勘違いしてしまう。
 
人数が多ければ多いほど、そして共感し合える人が多ければ多いほど、その「正解感」を強めてしまう。
 
マジョリティとは人数が多いだけではなく、自分が「正解」であると勘違いさせる悪循環を生んでしまうもの。
 
言うなればマジョリティとは、その「正解感」を強める装置だと言えるのではないでしょうか。
 
それは、当然そのまま、マイノリティの「不正解感」を強める装置になります。
 
そして、生きづらい方の多くは、この「不正解感」に苦しんでいるのです。
 
自分は「不正解」である。
 
だからなんとかして「正解」に近づかなければならない。
 
そうして、自分の感性やできることをゴリゴリと削り落とし、相反する感性を身につけ、できないことを無理やりやろうとする。
 
こんな苦しいこと、生きづらくないわけがありません。
 
 

┃マジョリティもマイノリティを理解しようとはするが・・・

 
生きづらい人の多くは、マジョリティから「許されない」存在であり「不正解」だと思われている。
 
それは言い方を変えれば、マイノリティとは、マジョリティを「不快」にさせ「困惑」させる存在だと言えるでしょう。
 
許せない。
 
間違っている。
 
だからこそ、攻撃や排除までされてしまうわけです。
 
もちろん、マジョリティもマジョリティなりに、マイノリティを理解しようと努めます。
 
しかしそれも、マジョリティ側からの理解の仕方であり、多くの場合、結局は「正解」の立場から「不正解」の立場を容認してあげようとするにすぎないものです。
 
先ほどご紹介した荒井さんは言います。
 

<引用>
「相手のことを勝手に決めてよい理解」は、強者による弱者の支配に他なりません。こうした「理解」は「自分の理解を超える者」「自分が心地よく理解できない者」を必ず攻撃します。(前掲書)

 
マジョリティは、マジョリティが望むような形でしか理解しようとしない。
 
そこには傲慢と欺瞞がうず巻いているのです。
 
 

┃自分もマジョリティだと自覚することの大切さ

 
ただし、ここで重要なことがあります。
 
それは、自分もなんらかのマジョリティであるという疑いを常にもちつづける、ということです。
 
誰もが、すべての面においてマイノリティであるということは、考えにくいでしょう。
 
生きづらい人であっても、必ずなにかしらのマジョリティとしても存在しているはずです。
 

参照記事
誰もが多数派
少数派も多数派として生きているということについて詳しく解説しています。

 
その感覚をもち、自分をメタ視点に立たせつづけることはとても大切です。
 
なぜなら、「完全な被害者」におちいることを防ぐためです。
 
「完全な被害者」とは、自分はどこからどう見ても「被害者」であるというフィルターをとおしてこの世界を見てしまうことです。
 
このバイアスがかかってしまうと、生きづらさから脱け出すことは、かなり困難になります。
 

参照記事
生きづらさをこじらせる完全な被害者バイアスとは?
完全な被害者という概念について詳しく解説しています。

 
自分は自分の「正解」をマイノリティに押しつけていないだろうか?
 
そう考えていくことで、自分自身にのしかかるマイノリティ意識を少しやわらげることもできます。
 
それは、マジョリティに対して自分の「正解」を堂々と表明し、調整していくきっかけにもなります。
 
自分がマイノリティであってもマジョリティであっても、互いの「正解」を調整していく。
 
そのメタ視点を保つためにも、マイノリティとマジョリティという両極を包み込んで成熟させる生き方が求められると、私は考えています。
 
それを実践しつづけるなかで、生きづらい人は「マイノリティ」と「マジョリティ」を克服する道筋を見出すことができるのではないでしょうか。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

今回ご紹介した書籍

荒井裕樹:著
障害者差別を問い直す
差別という問題をとおして、マイノリティ・マジョリティとはなにかを改めて深く考えることができる本です。

 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
 


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