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更新日:2020年6月21日

「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう

 

「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう

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生きづらい人生の歩き方

 

第98回
「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう

 

┃「面倒な人」として処理されてしまう

 
「なんで怒っているのかわからない」。
 
あなたはそう言われたことがありますか?
 
「そんなにキレること?」
 
「怒るツボが理解できないんだけど」
 
つまり「怒っている理由がわからない」と言われてしまうのです。
 
そして、あまりにも自分の怒りが伝わらないために、ときにヒステリーを起こしてしまうこともある。
 
結局、はれものに触れるように扱われるか、面倒くさがられて周囲から人が去っていってしまうのです。
 
とても切ないですよね。
 
ネット上には「理不尽に怒る人への対処法」という記事がよく見られます。
 
どの記事も、周囲の人から理解できない怒りをもつ人を「理不尽」だと決めつけています。
 
そして、その理不尽である「面倒な人」をどう処理したらいいのかという視点で語られている。
 
反対に「怒っている側」の視点に立った情報は、まったくと言っていいほど見当たりません。
 
まさに四面楚歌の状況。
 
いったいどうしたらいいのでしょうか?
 
 

┃怒りをガマンし自分を責めつづける

 
じつは「なんで怒っているのかわからない」と言われてしまう人のなかには、次のような強気の態度をとる人もいます。
 
「どうして俺がこんなに怒っているかわかるか?」
 
「私が怒ってるんじゃなくて、あなたがそれだけ怒らせてるんでしょ?その理由をちゃんと考えてみたことある?」
 
と相手に詰め寄るのです。
 
つまり、自分が怒っているのは当然のこと。
 
ヒステリーを起こさせたのは相手なのだから、悪いのは自分ではなく相手なのだと考えられる人です。
 
でも、あなたはきっと違うはずです。
 
周囲の人から自分の怒りを否定されつづけてきたために、ごく自然に「自分が悪い」と思ってしまう。
 
だから、自分の怒りをしずめようとする。
 
決して怒りを表に出さないようにする。
 
ひたすら怒りをガマンしつづける。
 
そして、もし少しでも怒りを出してしまったら「またやってしまった・・・」と自分を責めてしまうのです。
 
怒りが湧いてくるだけでも苦しいのに、それをガマンし、自分を責めつづける。
 
まさに苦しみのオンパレードだと言えるほど、つらい状況でしょう。
 
 

┃あなたが自分の怒りを否定しなくていい理由

 
もしあなたが、怒りをガマンしつづけて、苦しみのオンパレードにはまっているのなら。
 
ぜひ、次の「事実」に目を向けてみてください。
 
「怒るツボは、人それぞれ」。
 
そうなんです。
 
万人に共通した「正しい怒るツボ」などというものは存在していません。
 
あなたの「怒るツボ」が、たまたま少数派だというだけ。
 
そして「怒るツボ」が多くの人と同じである人たちが、あなたを理解できないだけ。
 
そして「面倒な人」だと切り捨てているに過ぎないのです。
 
だから、まずは自分で自分の怒りを否定しない。
 
とにかくそれが第一歩です。
 
人は誰だって、どんなツボで怒ってもいいのです。
 
どんなに周囲の人とズレていたって、怒りが湧いてきたのなら、それはあなたにとって「大切な怒り」なのです
 
たしかに、それをすぐに表に出してしまうのは幼稚な行為でしょう。
 
自分にも他人にもメリットが少ないと私も思います。
 
でも「怒り自体」を抑える必要はない。
 
「湧いてきた怒りそのもの」を否定する必要はない。
 
どんな怒りをもつかは、その人の自由なのですから。
 
 

┃周囲の人に怒りを理解されないときの対処法

 
このようなお話をすると、本当にまれにですが、次のような勘違いをされる方がおられます。
 
「やっぱり私は正しかったんだな」
 
「周囲の人たちが間違っていたんだな」
 
「これからは思いきり相手に怒りをぶつけていいんだな」
 
「怒りを否定されたら相手を一方的に責めていいんだな」
 
つまり「私は悪くない」。
 
自分は「善」で周囲の人たちが「悪」だったのだ、と。
 
そうして自分の怒りを周囲の人に容赦なくぶつけ、周囲の人を責めまくる。
 
「しのぶさんがそう言っていたんだから!」と。
 
ちなみに、万が一そのようなことをされても、私はあなたの味方をすることはできません(笑)
 
なぜなら、私は「あなたの方が正しいですよ」とお伝えしたわけではないからです。
 
私がお伝えしたのは「怒るツボは、人それぞれ」ということ。
 
つまり、誰も正しくないし、誰も間違っていないということです。
 
自分にも「怒るツボ」があるように、相手にも「怒るツボ」がある。
 
そして自分にとっての「怒るツボ」が、相手にとっての「楽しいツボ」である場合だってある。
 
また、相手にとっての「怒るツボ」が、自分にとっての「楽しいツボ」である場合だってある。
 
つまり「怒るツボは、人それぞれ」という事実は、「感性に正解はない」という事実です。
 
だからこそ、お互いの感性を認め合おうとすることがどうしても必要になってきます。
 
私には「私の怒り」があり、相手には「相手の怒り」がある。
 
そう冷静に話してみる。
 
そうすると、相手もこちらを一方的に責めにくくなります。
 
誰だって、問答無用で少数派を責める「冷酷な人」には見られたくないですからね。
 
「私の怒り」と「相手の怒り」という両極を包み込んで、一つ広いメタ視点に立ち、世界を観ていく。
 
語りかけていく。
 
そうすることではじめて周囲の人もガードを下げはじめる。
 
そうしてようやく、周囲の人はあなたの怒りという存在を認めるための、心の準備が整っていくでしょう。
 
やがてあなたに対して「なぜ怒っているのかわからない」と言ってくる人の数が、少しずつ減っていくはずです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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