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お金との上手なつき合い方

 

お金との上手なつき合い方 生きづらい人生の歩き方 第40回

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生きづらい人生の歩き方

 

第40回
お金との上手なつき合い方

 
突然ですが、あなたはヤン・ウェンリーという人物をご存知でしょうか?
 
田中芳樹氏によるSF小説の名作「銀河英雄伝説」に登場するメインキャラクターの一人です。
 
ヤンの父親は交易商人なのですが、その父親の語録にこのようなものがあります。
 
「自分でコントロールできる範囲の金銭は、一定の自由を保証する」
 
私たち人間とお金の関係を、これほどうまく言い当てている表現を、私は他に知りません。
 
たしかに、手にするお金が、自分のコントロールできる範囲内であれば、人生のバランスを崩すこともありませんよね。
 
その結果、衣食住や職業、働く時間についての選択の自由があるていど確保されます。
 
反対に、自分のコントロール能力を超えるほどのお金を手にしてしまうと。
 
必要以上に欲望を満たして止まらなくなったり、無謀な事業に手を出して失敗するなど、人生のバランスを崩してしまうでしょう。
 
結果として、大きな借金やトラブルを抱え、もともと手にしていた自由すら失ってしまうでしょう。
 
まさにお金は、上手につき合えば、今の日本において「一定の自由」を保証してくれる大切なものなのです。
 
というと、なんだかお金を持ち上げすぎていて、過去のコラムと矛盾しているように聞こえてしまうかもしれません。
 
たしかにそうですよね。
 
以前、私はこう言いました。
 
お金はたんなる道具である。
 
さらに今、お金の価値は下がってきていて、たいして気にならないヤツになってきていると。
 
でも、お金にまったく価値がないわけではありませんよね。
 
あらゆるものと交換できるという、とても便利な機能を持っています。
 
そして、その機能を上手に使えば、「一定の自由」というたいへん貴重なものまで手に入れることができる。
 
つまり、お金は極端に崇拝する必要もないけれど、極端に遠ざける必要もないということなのです。
 
この点を勘違いしてしまうと、お金を毛嫌いしてしまうことになります。
 
頭ごなしにお金を「全否定」してしまうことになる。
 
そして、無理にシンプルな生活を目指し、節約し、結局その反動で暴発してまい、お金を稼ごうとし、うまくいかず、よりお金を毛嫌いすることになってしまう…。
 
だから、お金を否定する必要はありません。
 
お金を否定するのは、反対にお金を気にし過ぎている状態。
 
自意識過剰ならぬ「おカネ意識過剰」な状態だと言えるでしょう。
 
「おカネ意識過剰」な人は、自分にとって必要な「一定の自由」について、ちゃんと把握できていない場合が多くあります。
 
そのために必要以上に節約しようとしてしまったり、必要以上に稼ごうとしてしまい、人生のバランスが崩れてしまうのです。
 
ちなみに私は今、昔ながらの団地のようなところに住んでいます。
 
4階なのですが階段がないため、荷物や子供、犬を抱えて昇り降りするのは、けっこうたいへんです。
 
でも、なだらかな坂の途中に立っているので、窓からの見晴らしがとてもいい。
 
夕焼けもキレイですし、天気のいい日は遠くに山並みも見えます。
 
私にとって、見たいときに清々しい景色が見られるという「自由」は、どうしても必要なものです。
 
でも、階段の昇り降りについての「自由」は、とくに必要としていません。
 
つまり、自分に必要な「一定の自由」が今の収入で実現できているわけです。
 
しかし、もしここで私の収入が極端に増えると、私は凡人なので、きっと「エレベーターつきのもっと広い家に引っ越そう」などと考えてしまうでしょう(笑)
 
そして、いろいろと不要なものを手に入れ、自分の能力を超えたスピードで事業を拡大しようとするかもしれません。
 
その結果、生活レベルを維持するために働くことが優先され、時間が奪われ、自分にとって清々しい景色が必要不可欠なものだということなど忘れてしまう…。
 
つまり、お金を上手にコントロールできずに、人生のバランスを崩してしまうでしょう。
 
だから私は、自分がコントロールできる範囲内でおさまるように、収入をあるていど調整しています。
 
「一定の自由」と収入のバランスをとっているのです。
 
もちろん、それは脱世間起業をしているからこそ可能なことです。
 
私は、過去にお金の便利な機能に助けられてきました。
 
間違いなく、お金という便利グッズが日本に流通していたから、脱世間起業も成功させることができました。
 
とても便利な道具だと思います。
 
だから、むやみやたらにお金を毛嫌いしすぎる必要はないと考えています。
 
そんなに気にする必要はないけれど、必要なときには手を伸ばす。
 
そのときになければないで困ってしまう。
 
お金はまさに、ハサミやタンスといった「道具」と同じということなのです。
 
あなたもぜひ、自分にとって必要な「一定の自由」について考えてみてください。
 
そして、そのために、お金という「道具」がどれくらい必要なのかをあらかじめ知っておく。
 
それが、お金に振り回されない方法。
 
お金との上手なつき合い方です。
 
どんなに便利でも、自分でコントロールできないハサミやタンスなんて、怖くて使えないですからね。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
154.自己憐憫のススメ
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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