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感情に飲み込まれない方法

 

感情に飲み込まれない方法 生きづらい人生の歩き方 第17回

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生きづらい人生の歩き方

 

第17回
感情に飲み込まれない方法

 

┃感情はコントロールできない?

 
感情に飲み込まれるのは、非常につらいものですよね。
 
前回のコラムでも、私の感情が激しく乱れる場面について書かせていただきました。
 
このようなお話をすると、
 
「カウンセラーさんでもそんなことがあるのですね」
 
と驚かれる方もおられます。
 
たしかに人様の心の悩みを聴き、ときにアドバイスまでするカウンセラーが、冷静さを失うと聞けば残念にも思いますよね。
 
当たり前ですが、カウンセラーもただの人間。
 
さまざまな感情が湧いてきます。
 
感情は、自分の意志でコントロールできるものだと思われがちです。
 
しかし、感情が「湧いてくること」はコントロールできません。
 
なぜなら、それは「反応」だからです。
 
針に刺されたら「痛い」のと同じこと。
 
自然と感じてしまうものなのです。
 
もちろん、感情が生じたあとに対処していくことは可能です。
 
でも感情が湧いてくること自体は、感覚と直結した「反応」です。
 
それを私は、
 
「ファーストエモーション」
 
と呼んでいます。
 
ファーストエモーションには、自分の意志が入る余地はありません。
 
しかも、扁桃体が敏感であれば、ネガティブなファーストエモーションが瞬時にわいてきてしまうのは自然なことなのです。
 
 

┃感情に飲み込まれない最大のコツ

 
ファーストエモーションは、自然と湧いてきてしまう「反応」。 
 
だから、重要なのはファーストエモーションにこだわらないこと。
 
そのあといかに感情をマネジメントできるかということです。
 
詳しく説明しますね。
 
たとえば先日、私は確定申告をするために税務署の長い行列に並んでいました。
 
順番が近づいてきたので、必要な書類たちをカバンから出して、どうやって提出したらわかりやすいか並べ替えていました。
 
私は、人に指摘を受けるとファーストエモーションとしてショックを受け、感情が乱れやすいため、あらためて準備をしていたのです。
 
すると、後ろに並んでいた人から肩を叩かれて、
 
「あなたの番ですよ!」
 
と指摘されてしまいました(笑)
 
指摘を受けないように準備することに集中しすぎて、結局指摘を受けてしまったわけです。
 
二重にショックを受け、私の感情は乱れました。
 
これを読んであなたは、
 
「生きづらさ専門カウンセラーとか言っておきながら、なんたるザマか」
 
と思われたかもしれません(笑)
 
しかし・・・。
 
ショックを受け、感情が乱れるところまではファーストエモーション。
 
私にはどうにもできない部分です。
 
肝心なのは、このあと感情をどうマネジメントするか。
 
つまり、ファーストエモーションはスルーして、そのあと尾を引く感情にだけ対処していく。
 
それが、感情に飲み込まれない最大のコツです。
 
ファーストエモーションが生じたことにこだわれば、一瞬で感情に飲み込まれてしまいます。
 
だから、そこはいったん置いておいて、そのあと尾を引く感情に意識を向けていくのです。
 
 

┃「感情マネジメント」で感情に飲み込まれない方法

 
大切なのは、ファーストエモーションとやり合わないことです。
 
ファーストエモーションをまともに相手にすると冷静さが失われます。
 
「どうしよう、どうしよう」とあわててしまう。
 
「こんなことくらいで心が乱れるなんて・・・」と自分を責めはじめる。
 
その結果、感情そのものを無理やりしずめようとしてしまうのです。
 
それはまさに感情のコントロール。
 
感情は、無理にコントロールしようとすると反発して大きくなります。
 
こうして私たちは、感情に飲み込まれていくのです。
 

参照記事
生きづらい原因は脳の扁桃体?
感情とコントロールの関係について詳しく解説しています。

 
これを避けるためには、感情マネジメントをすることです。
 
部下を上手に使うように、遠巻きに感情を管理するのです。
 
ちなみに、指摘を受けてショックを受けた私は、次のようにマネジメントしました。
 
「ショックを受けたのは私のせいではない。人体構造のせいだ。」
 
ファーストエモーションが浮かんでくるのは体の「反応」であり、ショックを受けて感情が乱れたのは私のせいではありません。
 
その「事実」を、自分自身に冷静に教えてあげたのです。
 
やがて私の感情は静まっていき、感情に飲み込まれずに済みました。
 
カウンセリングの中でも、感情マネジメントの練習をよくおこないます。
 
客観的な「事実」を知ることで感情は静まっていきます。
 
部下も手取り足取り指導し、真正面からコントロールしようとすれば反発するでしょう。
 
しかし、
 
「お前の得意先の〇〇さん、和菓子が好きらしいぞ」
 
と遠巻きに「事実」を提供すれば、部下は得意先への土産に自然と和菓子を選ぶでしょう。
 
そして、相応の結果をもたらしてくれるのです。
 
ファーストエモーションは変えられない。
 
湧いてきてしまったものは仕方がない。
 
それはあなたのせいではない。
 
大切なのは、その湧いてきたファーストエモーションに飲み込まれずに、感情と距離をおき、マネジメントすることなのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
 


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