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更新日:2024年5月6日

「気にしている」のではなく「気になっている」のです

 

「気にしている」のではなく「気になっている」のです

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生きづらい人生の歩き方

 

第149回
「気にしている」のではなく「気になっている」のです

 

┃どうしてこんなことが気になるんだろう・・・

 
「気にするなよ!」
 
ああ・・・、生きづらい人は、なんどこの無意味な言葉を投げかけられてきたことでしょう。
 
たとえば、朝、上司からのささいな一言が胸に突き刺さったとき。
 
生きづらい人の頭の中では、さまざまな思いが渦巻きます。
 
(怒らせちゃったかな?)
 
(仕事のできないヤツだと思われたかな?)
 
(あんな言い方しなくてもいいのにな・・・)
 
(ムッとした表情をしてしまったかも)
 
(午後の会議で顔合わせるの気まずいな・・・)
 
次から次へと湧き出る思いにからめとられて、まったく仕事が手につかない。
 
気にし過ぎだ、気にしないようにしよう、忘れよう、引きずるのはやめよう。
 
いくらそう考えても、上司の顔が浮かんできて、思いはいっこうに止まない。
 
やがて、上司のことだけじゃなく、
 
(どうしてこんなことが気になるんだ)
 
(どうして気にしすぎちゃうんだろう)
 
(どうしたら忘れられるんだろう)
 
(もうこんな自分、やめてしまいたい・・・)
 
と自分を責める思いが掛け合わされていく。
 
そして午後になっても、夜になっても、次の日になっても、そのことが頭から離れない。
 
生きづらさを自覚されている方は、このような苦しみを、人知れず抱えている方が多いのです。
 
 

┃「気にしすぎ」という言葉でさらに追い詰められていく

 
どうしても気にし過ぎてしまう。
 
引きずってしまう。
 
もしかしたらあなたもそんなお一人でしょうか?
 
じつは私も同じ悩みを抱えています。
 
下手をすると夢の中でまで追いかけ回されて、まったく寝た気がしないなんてこともしょっちゅう経験してきました。
 
さすがにしんどいので、周囲の人に相談しますよね。
 
そこで私たちを待ってるのは、
 
「気にしすぎ~(笑)」
 
「忘れちゃいなよ」
 
「気にしなきゃいいじゃん」
 
「いつまでも引きずらないの!」
 
という、非常に「明るくて健全なアドバイス」の数々です。
 
言ってることはもっともなので、自分でもそうしようとする。
 
しかし、まったくできない。
 
でも、頑張ってやろうとする。
 
しかし、やっぱりできない。
 
でもでも、頑張ってやろうとする・・・。
 
その結果、当初の「気にする」という苦しみだけではなく「できないことをやろうとする」という苦しみが加わっていく。
 
そうして、よけいしんどくなってしまうのです。
 
 

┃もっと気にしろよ

 
そのうち、私は思うようになりました。
 
これは「気にしている」のではない「気になっている」のだ、と。
 
私は、明らかに気にしないようにしている。
 
なんなら、気にしてない人よりも、気にしないようにしているはずです。
 
にもかかわらず、それがおさまらないということは、もはや気にしているのではない、気になっているのだ。
 
自分の意志とは無関係に「気になっている」。
 
爪が自分の意志とは無関係に自然と生えてくるように、自然と「気になっている」のだと。
 

関連記事:生きづらい人は意志が弱いのか?

 
それ以来、
 
「気にしすぎ!」
 
と、なにか自分が好きこのんで気にしているかのように言われることに、非常に違和感を覚えるようになりました。
 
「気にするなよ!」と言われると、好きで気にしてるわけじゃないと言いたくなる。
 
それどころか、「気にするなよ!」と言われると「もっと気にしろよ」と言い返したくなるようになりました。
 
もちろん、じっさいには言い返せないですし、相手もよかれと思って言ってくれているのは重々わかるので、グッとこらえるようにはしています。
 
ただこうして、「気にしている」のではなく「気になっている」ということがメタ視点で眺められるようになるだけで、自分を許せて、だいぶ楽になりました。
 
 

┃より生きづらくなる「悪循環」を解決する方法

 
「気にしている」のではなく「気になっている」と気づくだけで、楽になれる。
 
言いかえるとこれは、「生きづらさの悪循環」に気づくということです。
 
もはや自分の意志ではどうにもならないことを、なんとかして「直そう」とすることで、私たちの生きづらさはよけいに悪化していきます。
 
だから、それを手放す。
 
つまり「消せない生きづらさ」を消そうとするのをやめるということです。
 
そうすれば、少なくとも「できないことをやろうとする」という苦しみからは逃れられる。
 
どうしても「気になってしまう」ものを、なんとかして「気にしないようにしよう」と苦しみつづけることから解放されるのです。
 
そして、このような悪循環は、生きづらさのあらゆるところに潜んでいます。
 
それを見つけ出して、解放していく。
 
それだけで、生きづらさを軽くすることができます。
 
これは私だけが体験していることではありません。
 
じっさいに多くの生きづらい方たちが体験してきたことです。
 
生きづらさ専門カウンセラーである私のところには、生きづらいと悩んでいる方が多くご相談に来られます。
 
その方たちも「消せない生きづらさ」を消そうとする「悪循環」を自覚することで・・・。
 
重たい鎧が体から抜け落ちるように生きづらさが軽くなることを体験されています。
 
この「悪循環」がなぜ起こるのかということは、私のYouTubeで丁寧にわかりやすく解説しています。
 
じつはこの悪循環、日本社会に特有の「ある考え方」によって引き起こされているのです。
 
このYouTubeを最後まで見ることで、あなたはこの「悪循環」を真に解決する方法を発見できるでしょう。
 
どうぞご覧ください。
 
LinkIconYouTubeで「悪循環」の解決法を見る
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
 


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