TOP | コラム一覧 | 生きづらい人生の歩き方 | 実存を充実させる生き方


実存を充実させる生き方

 

実存を充実させる生き方 生きづらい人生の歩き方 第11回

LinkIcon目次はコチラ  
 

生きづらい人生の歩き方

 

第11回
実存を充実させる生き方

 

┃「ヒッタヒタの充実感」に満たされた人生を送ろう

 
生きづらい人が「生きづらい人生」を「心地よい人生」に変える方法。
 
それは、生きづらさをチカラに変えることです。
 
そして、生きづらさをチカラに変えるために欠かせないのが「実存の充実」です。
 
実存を充実させることで、私たちは「ヒッタヒタの充実感」に満たされて生きていくことができます。
 
実存とは、哲学で使われている言葉で「現実存在」のこと。
 
それをここでは「私という存在そのもの」といった意味で使っていきたいと思います。
 
つまり「実存を充実させる」とは、「私という存在そのもの」を充たすということ。
 
私という「個」を極めることです。
 
それは「私だからこそできること」を選び、生きていく生き方。
 
それを実践している人を、私は「ジツ充」と呼んでいます。
 
「ジツ充」は、「私だからこそできること」を果たすことによって、魂の奥底から湧き上がるような充実感に満たされて毎日を生きていくことができるのです。
 
 

┃「私だからこそできること」と「私にしかできないこと」の違いを知ろう

 
「私だからこそできること」。
 
そう言われてしまうと、疑問や反感を覚える方もいるかもしれません。
 
たしかにそうですよね。
 
それができたら一番いいのはわかっている。
 
でも、自分には特別なスキルもない。
 
人よりあきらかに優れている才能もない。
 
社会に爪あとを残すような大それたことをしたいとも思えない。
 
そんな自分が、実存を充実させるなんて無理な話だ、と。
 
そう感じるのが、とても自然だと思います。
 
ただそれは、もしかすると「私だからこそできること」と「私にしかできないこと」を取り違えてしまっているのかもしれません。
 
「私だからこそできること」は、じつはそんなに難しいことではないのです。
 
たとえば、公園で迷子になってしまった子供がいるとします。
 
泣きながら親を探しているその子を見て、声をかけてあげること。
 
それは「私だからこそできること」です。
 
なぜなら、「私」は今その公園にいて、その子に声をかけてあげられるから。
 
それは、その状況にいる「私」だからできることです。
 
でも、その公園には、他にも大人がたくさんいます。
 
その子に声をかけてあげられるのは、他の人でもできることです。
 
だから決して「私にしかできないこと」ではない。
 
その子に声をかけてあげるのは、そんな特別な行為ではないのです。
 
ただ確実に「私だからこそできること」だということです。
 
つまり「私だからこそできること」とは、「その時、その場所で、私ができること」のこと。
 
なにか特別なスキルや才能が必要なわけではない。
 
社会に大きな影響を与える必要もない。
 
今自分がいる状況のなかで、自分にできることを見つけ、それを果たすこと。
 
それが「私だからこそできること」なのです。
 
 

┃「私だからこそできること」を自覚して生きる

 
もちろん実存を充実させるなら「私にしかできないこと」をするのが理想的ですよね。
 
でも、そんな大それたことができる人は、なかなかいません。
 
だからまずは「私だからこそできること」からはじめてみるのです。
 
重要なのは、その「私だからこそできること」を、しっかり自覚するということです。
 
この行為は、今、この時、この場所にいる自分だからこそできるのだ。
 
そう自覚することで、実存が充実するのです。
 
自覚しなければ、ただの日常の行動と変わらなくなってしまいますよね。
 
だから、実存を充実させるためには、「行為」することも重要ですが、その行為を「私だからこそできることだ」と自覚する「態度」が、より重要だということです。
 
究極的には、日常のどの行為も、すべて「私だからこそできること」でしょう。
 
だからまずは、日常の行為、その一つひとつの価値を「自覚」するだけでいいのです。
 
それが「ジツ充」への第一歩です。
 
 

┃私は犬の散歩で実存が充実している

 
日常のあらゆる行為を「私だからこそできること」だと自覚する。
 
たとえば、私は犬の散歩を毎日しています。
 
日本ではよく見かける光景です。
 
でも私は、そのよく見かける「犬の散歩」で「ジツ充」となっています。
 
なぜなら、その散歩は「私だからこそできること」だからです。
 
したがって、必死になってその時間を確保しています。
 
もちろん、他の家族に散歩を頼むことも、ペットシッターさんを呼ぶこともできますよね。
  
「犬の散歩」という行為だけをとらえたら、私の代わりはいくらでもいるでしょう。
 
しかし、「その時、その場所で、私がする、この犬の散歩」は、私だからこそできること。
 
この機会を逃したら、一生その役割を果たす機会は失われてしまうのです。
 
その価値を明確に「自覚」しながら生きることで、実存は充実するのです。
 
同じように、「その時、その場所で、あなたが、なにかをする」ということは、「あなただからこそできること」です。
 
あなたのどんな行為であっても、「あなただからこそできること」。
 
歯磨きでも、飲み会に出席するのでも、「あなただからこそできること」です。
 
なにか特別なことをするから「ジツ充」になれるのではありません。
 
なにをするときにでも、その時、その場所で自分がとる行動は、究極的には自分だからこそできることなのだと「自覚」して行動する人が「ジツ充」になれるのです。
 
 

┃「私だからこそできること」を自覚しやすい行為とは?

 
実存を充実させるためには、なにか特別なことをする必要はありません。
 
あらゆる行為を「私だからこそできること」だと自覚すればいい。
 
とはいえですね・・・。
 
やっぱり「自覚しやすいもの」と「自覚しにくいもの」がありますよね(笑)
 
歯磨きや飲み会だけで「私だからこそできること」を自覚し、実存を充実させるのはなかなか難しいでしょう。
 
では「私だからこそできること」を自覚しやすい行為、つまり実存を充実させやすい行為とは、いったいどんなものでしょうか?
 
それは「人の役に立つこと」です。
 
冒頭の迷子の例のように、自分の行為が誰かの助けになったとき。
 
ああ、自分がこの時、ここにいたから助けられたのだなという「実感」につながります。
 
だから「人の役に立つこと」は、「私だからこそできること」を自覚しやすいのです。
 
 

┃「違い」を磨きあげることで「私にしかできないこと」に近づいていく

 
さらに「私だからこそできること」を自覚しやすくする方法があります。
 
それどころか「私にしかできないこと」に近づけていくことさえできるのです。
 
それは自分のなかの「違い」を見出し、磨き上げることです。
 
「違い」とは、優劣のことではありません。
 
得意不得意でもありません。
 
「違い」です。
 
その「違い」を磨き上げるのです。
 
たしかに私たちは、よほどの才能がないかぎり、周囲の人たちと大差がないものです。
 
しかし、どこかに必ず周囲の人たちとのあいだに「違い」があります。
 
まったく同じ顔の人が、この世に存在していないのと同じです。
 
必ず「違い」がある。
 
その「違い」を手がかりに、「私だからこそできること」を「私にしかできないこと」という方向に磨き上げていくのです。
 
自分の人格がなければできないこと。
 
自分の体質がなければできないこと。
 
自分の経験がなければできないこと。
 
自分の目的がなければできないこと。
 
そんなほんの少しの「違い」を見出し、押し広げていく。
 
それを少しずつ少しずつ積み重ねていく。
 
そうして「私だからこそできること」は「私にしかできないこと」へと磨き上げられていくのです。
 
 

┃生きづらい人は実存を充実させやすいラッキーな人

 
ここであなたに朗報です!
 
生きづらい人は、「違い」を「私にしかできないこと」へと磨き上げやすいのです。
 
つまり、実存を充実させやすい人だということです。
 
なぜなら、生きづらい人は周囲の人との「違い」がもともと大きいからです。
 
あなたは今まで、どうしても周囲の人と違ってしまうことで悩んできました。
 
さらに、その「違い」が大きいがゆえに、生きづらさを感じてきました。
 
そのため、周囲の人に合わせようと、その「違い」を必死で消そうとしてきた。
 
言うなれば、「違い」が見えなくなるように削り落とそうとしてきたでしょう。
 
しかし、それはとてももったいないことです。
 
「違い」が大きいからこそ、「私にしかできないこと」を見出しやすい。
 
つまり「違い」が大きいからこそ、実存を充実させやすいのです。
 
だから重要なのは、「違い」を削り落とし消してしまおうとすることではなく、「違い」を磨き上げ、さらに鋭利な剣へと研ぎあげるということです。
 
そう。
 
あなたはすでに、実存を充実させるための「武器」を手にしているのです。
 
「違い」を磨き上げることで、あなたにとって弱点だと思っていたものが強力な「武器」になる。
 
その弱点が強烈であればあるほど、より強力な「武器」になるのです。
 
私は、生きづらさ専門カウンセラーという仕事をさせていただいています。
 
その日、その時、その場所で、私と同じ仕事がこなせる人は山ほどいるでしょう。
 
でも・・・。
 
私自身がもがき苦しんできた「生きづらいナマの経験」をもってカウンセリングをすることは、「私にしかできないことです」です。
 
私は常にその「自覚」をもって、カウンセリングにのぞんでいます。
 
生きづらさこそが、私の最大の「武器」なのです。
 
あなたも、あなたの「違い」を磨き上げてください。
 
あなたには、その日、その時、その場所で、さらにその「違い」をもって生きるという機会を与えられています。
 
瞬間ごとに訪れるその「たった一度の機会」をどう活かすか。
 
常に問われている。
 
今も問われている。
 
その問いに答えることができるのは、この世界中で、いやこの宇宙の歴史の中で、あとにも先にもあなた一人しかいないのです。
 
過去から未来にわたり、宇宙に存在する膨大な全生命の中で、その権利が与えられているのは、あなたただ一人だけなのです。


その「自覚」をもって生きることで、あなたの実存はこれ以上ないほどに充たされていくのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 

オススメのコンテンツ

生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
 

もしこの記事があなたのお役に立てたのなら、
ぜひ他の方にも教えてあげてください。
Adic Salon入会受付中!生きづらさをチカラに変える!
 
 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
もちろん<無料>でお読みいただけます。