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更新日:2021年12月18日

気が弱い人が人生を変える極意

 

気が弱い人が人生を変える極意

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生きづらい人生の歩き方

 

第116回
気が弱い人が人生を変える極意

 
気が弱いという悩みは、本当に深刻です。
 
そこで、今回は「気が弱い人が人生を変える極意」をお伝えします。
 
それは「ひるまない努力」を身につけることです。
 
といっても「ひるまず相手に向かっていけ!」というド根性ノウハウではありません。
 
「ある思い込み」を解けば、ひるまず、気の弱さを上手に克服していけるのです。
 
そのために、まずは気が弱い人の特徴から見ていきましょう。
 


┃気が弱い人の5つの特徴

 
気が弱い女性の写真

 
気が弱い人には5つの特徴があります。
 
1.損ばかりしてしまう
 
2.仕事でいつも苦労する
 
3.なんでも自分のせいだと感じてしまう
 
4.相手の顔色が気になる
 
5.未来の不安が強い
 
これは、気が弱いと感じている方から、カウンセリングの現場でよくおうかがいするお悩みです。
 
そして私自身、気が弱いことで長年悩みつづけてきましたので、まさに身をもって感じてきた特徴でもあります。
 
この特徴をひとつずつ見ていきましょう。
 
 
1.損ばかりしてしまう
 
気が弱い人は、損ばかりしていると感じています。
 
なぜなら、気が弱いために自分の意志をうまく表現できないからです。
 
その結果、他人の意志を優先することが多くなってしまいます。
 
たとえば、
 
・欲しいものを欲しいと言えない
 
・他にも欲しがっている人がいたら譲ってしまう
 
・欲しくもないものを断り切れずもらってしまう
 
こうして「損」ばかりしてしまうです。
 
 
2.仕事でいつも苦労している
 
気が弱い人は、仕事でいつも苦労しています。
 
よくうかがうお悩みとして多いのが、職場の人たちとのコミュニケーションがうまくとれないという問題です。
 
気が弱い人は繊細な人が多いので、相手に気をつかい、思うように自分のペースで仕事ができなくなるのです。
 
納得のいかないことも、強い口調で言われると言い返すことができません。
 
無理な仕事を頼まれても断り切れず、いつも自分ばかり残業するはめになります。
 
また、小さなミスでも大きなショックを受けますし、さらにそれを指摘されると猛烈に落ち込んでしまいます。
 
だから、仕事から帰るとクタクタになってしまうのです。
 
 
3.なんでも自分のせいだと感じてしまう
 
気が弱い人は、あらゆることを自分のせいだと感じてしまいます。
 
隣の席の部下が「ドン!」と荷物を置いただけで、
 
「機嫌が悪いのかな・・・、もしかして私のせい?」
 
と気になってしまう。
 
相手が年下であろうと関係ありません。
 
自分のせいだと感じて、いてもたってもいられなくなります。
 
そして、
 
「きょ・・・今日の服、素敵だね、どこで買ったの?」
 
などと相手の機嫌をとるような行動をとってしまいます。
 
さらに、そんな自分が情けなく思えて落ち込んでしまうのです。
 
 
4.相手の顔色が気になる
 
気の弱い人は、人の顔色が気になります。
 
話し相手がちょっとつまらなそうな顔をしただけで、
 
「面白くないやつだと思わたかも・・・、次はもっと楽しい話をしなきゃ」
 
と気になってしまう。
 
お客さんの目つきがちょっと変わっただけで、
 
「まずい、話題を変えないと・・・!」
 
と焦ってしまう。
 
相手の顔色に合わせて、どうしても自分の行動を決めてしまうです。
 
だから人と話していると、それだけで疲れ果ててしまうんですね。
 
 
5.未来の不安が強い
 
気の弱い人は、不安が強い傾向があります。
 
カウンセリングの現場でも、ご自分の気が弱いと感じている方は、不安を訴える方が多いです。
 
とくに、未来への不安をたくさん感じています。
 
たとえば、
 
・〆切に間に合いそうにない
 
・明日の会議に怖い部長が出席する
 
・会うと気まずい人がいる
 
といった理由から、仕事に行きたくなくなってしまう人も多くおられます。
 
気が弱い人は、それらの不安を振り切って行動するため、心が休まる暇がないのです。
 

┃気が弱い人を悩ませる「原因」

 
 
犬がひるんでいる画像

 
気が弱い人には、みなさんに共通している「原因」があります。
 
それは「ひるむ癖」があるということ。
 
他の人がまったく気にしないようなことでも、自然とひるんでしまうのです。
 
その「ひるむ癖」が、気の弱さをもたらしているわけです。
 
先ほど挙げた例でみていきましょう。
 
自分が欲しいものを、他にも欲しがっている人がいると、ひるんでしまう。
 
無理な仕事を頼まれると、ひるんでしまう。
 
隣の席の部下が「ドン!」と荷物を置くと、ひるんでしまう。
 
お客さんの目つきが変わると、ひるんでしまう。
 
明日の会議に怖い部長が出席するとわかると、ひるんでしまう。
 
では、気が弱い人はいったいなににひるんでいるのでしょうか?
 
私たちは、気の弱さを感じるとき、相手にひるんでいると思い込んでいます。
 
つまり、部下やお客さんや部長にひるんでいると思っている・・・。
 
でも、じつは相手にひるんでいるわけではないのです。
 
その思い込みを取りのぞけば、気の弱さを克服していくことができます。
 
では次に、気の弱い人が本当にひるんでいるものの正体を明かしていきましょう。
 

┃気が弱い人がひるんでいるのは相手ではなく「感情の感覚」

 
感情の感覚に包まれている様子

 
気が弱い人がひるんでいるものの正体。
 
それは「感情の感覚」です。
 
「感情の感覚」とは、感情にともなって湧き上がってくる体の感覚です。
 
これは長年、気の弱さに悩む方とのカウンセリングをおこなうなかで自然と生まれた私の造語です。
 
たとえば、
 
・怖くなると背中の真ん中が強烈に冷たくなってくる
 
・緊張するとお腹に鉛が入ったみたいに動けなくなる
 
・焦ると頭の内側がものすごくチクチクしてくる
 
そして、この「感情の感覚」があまりに不愉快すぎて、ひるんでしまう。
 
その不愉快な感覚を味わいたくなくて、どうしてもそれを避けてしまう。
 
「感情の感覚」に耐え切れずに、言い返せなくなったり、機嫌をとったり、不安を感じたりしてしまうのです。
 
つまり、相手にひるんでいるのではなく、自分のなかにある「感覚」にひるんでいるです。
 
そしてこれこそが、気が弱さをもたらす本当の「原因」なのです。
 
ここが大事なポイントです。
 
ひるんでいるのが、相手ではなく自分なのだとしたら、まだなんとかなりそうだと思いませんか?
 
人の行動は制限できませんが、自分の感覚ならある程度マネジメントできる。
 
だから、気が弱い人は、相手ではなく自分を見ればいい。
 
自分の「感情の感覚」と冷静に向き合えるようになれば、気の弱さを克服できるのです。
 
次に、そのための具体的な方法をご紹介します。
 

┃気が弱い人が人生を変えられる「メタ思考」

 
広い視点の画像

 
気が弱い人が「感情の感覚」と向き合い、気の弱さを克服する方法。
 
そのために有効なのが「メタ思考」です。
 
メタ思考とは、より広くものごとをとらえる考え方のこと。
 
メタ思考を身につけることで、感情の感覚にひるまず、冷静に周囲の人たちと向き合えるようになります。
 
参照記事
メタ思考について詳しく解説しています。
生きづらい人が自由になれるメタ思考とは?

 
私たちは、不快な感情に包まれるとき、脳の扁桃体が過敏に反応することがわかっています。
 
ものごとを広く認知するメタ思考は、その脳の扁桃体を鎮めるはたらきがあるのです。
 

参照記事
扁桃体とメタ思考の関係について詳しく解説しています。
生きづらい原因は、脳の扁桃体?

 
そうして、メタ思考で自分の「感情の感覚」を眺め、受け容れていきます。
 
その結果、たとえ一瞬ひるんだとしても、それに飲み込まれず冷静に対応できる自分になっていくことができます。
 
これこそが、気が弱い人が人生を変える極意です。
 
これは、
 
「気が弱い自分を認めちゃえばいい!」
 
とノーテンキで短絡的なお話しではありません。
 
「感情の感覚」を受け容れるというのは、なかなか過酷な作業です。
 
くれぐれも無理のない範囲で、じっくり時間をかけて、取り組んでいってくださいね。
 


┃気が弱いからこそ強いという「事実」に気づこう

 
自分の強さに気づいた女性

 
もしあなたが、気の弱さに悩んでおられるのなら。
 
同じ悩みを克服してきた私から、どうしても伝えたいことがあります。
 
それは、気の弱さに苦しみながらも毎日を生き抜いているあなたは「強い」ということです。
 
たしかに、あなたも気が弱いかもしれません。
 
でも、その弱さを抱えながら、今もこうしているあなたは強い。
 
「気の弱さ」という重荷を背負わされながら、人生の長い旅路を歩いてきたあなたは間違いなく強い。
 
あなたの気の弱さは「強さの証明」なのです。
 
どうかそのことを、忘れずにいてくださいね。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 
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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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