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更新日:2023年12月5日

私には不満がない

 

私には不満がない

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生きづらい人生の歩き方

 

第143回
私には不満がない

 

┃不満がないとはどういうことか?

 
なんだか偉そうで、怪しいタイトルですが・・・。
 
まあ、試しに最後まで読んでいってください。
 
先日、ふと感じました。
 
「なにも不満がないな」
 
と。
 
といっても、私はすべてにおいて恵まれた「完璧な状況」で生きているわけではありません。
 
トラブルにも見舞われますし、ストレスも感じます。
 
怒ることもありますし、恨むこともありますし、悲しいこともあります。
 
じっさいに今、家族の容態が悪く、介護で食べる間も寝る間もろくに取れません。
 
私の体重も6キロ減ってしまいました。
 
そんな中、協力し合っていた妻まで手術と入院をすることになってしまった真っ最中です。
 
しんどいし、悲しいです。
 
なので、すべてのものごとを受け入れられているわけでもありません。
 
でも、不満はないのです。
 
かといって、世間が大好きな、
 
「ものごとは受け止め方次第!」
 
「ポジティブな視点から見てみよう!」
 
といった、お気楽な思考停止でごまかしているわけでもありません。
 
でも、不満はないのです。
 
トラブルもあるし、ストレスも感じるし、ネガティブな感情にも見舞われる。
 
にもかかわらず、不満がない。
 
じゃあいったい私はなにを感じているのか?
 
それは、ただただ「得難さ」を感じているのです。
 
「得難さ」です。
 
これも、よく言われているような「生かされていることに感謝」するとか「食べられるだけでもありがたい」という感覚とはちょっと違うのです。
 
そういう「ありがとう、感謝」より、もっと以前のラディカルな感覚。
 
「得難さ」とは「都合のよさ」を実感すること。
 
「そんなことあり得る?」という状況を、深く噛みしめることです。
 
ちょっと抽象的ですね。
 
もう少し具体的に、ていねいに説明しますね。
 
 

┃悲惨な目にあうのが「当然」の世界で

 
私たち人間は、ついこのあいだまで、動物に食べられたり、大規模な飢饉や疫病で命を落とすのが当然でした。
 
文明を手に入れてからも、国同士で侵略し合い、虐殺し合うのが当然でした。
 
ナチスのホロコーストも、たった数十年前のことです。
 
隣の国では今でも戦争をしています。
 
人間は、そうした状況の中に産み落とされ、考えたくもない悲惨な目にあうのが「当然」の状況で生きています。
 
じっさい、今でも人間以外の生命の最期は「餓死」か「食べられる」かの二択だそうです。
 
おぉ・・、こわ。
 
参考文献
小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」
 
にもかかわらず・・・。
 
小学生のとき、教室に歴史年表が貼ってありましたよね。
 
そこに書かれたほとんどは、まさしく悲惨な目にあうのが「当然」の時代です。
 
その年表の端っこの方に、薄~くもうしわけていどにあるのが、その悲惨な目を逃れられるようになった「現代」。
 
今私たちが生きている時代です。
 
長いながい宇宙の歴史のなかで、そんな、ごくごくごくわずかな隙間に生まれるなんて「都合のいい」ことってあるでしょうか?
 
さらに、そのわずかな隙間のなかで経済的に当時地球で2番目に豊かであり、餓死する恐れもなく、疫病などありえないくらい清潔な環境。
 
その上、独裁者もおらず、海に囲まれて侵略されにくく、憲法で戦争を放棄までしていて (その良し悪しは今は置いておいてください)徴兵されることもない「場所」。
 
広い広い宇宙のなかで、そんな、ごくごくごくわずかな隙間に生まれるなんて「都合のいい」ことってあるでしょうか?
 
動物に食べられるのが「当然」なのに、その「当然」を、あり得ないほど都合よく今日も逃れている。
 
こんなにも「都合のいい」ことってあるでしょうか?
 
この「得難さ」を常に感じている。
 
私に不満がないのは、このためです。
 
本来、ろくでもない目にあうのが「当然」なのに、それをまぬがれて、今、こうしてポツンと存在していることができる。
 
悲惨な目にあわないで済んでいる。
 
その「得難さ」を実感しているのです。
 
もちろん、今日も温かいご飯が食べられるのもありがたいです。
 
こうして仕事が与えられている事にも、深く感謝しています。
 
それはそれで本当に素晴らしい奇跡なのですが・・・。
 
それらのすべては、悲惨な目にあう「当然」を突破したあとのボーナスのようなもの。
 
猛烈に恵まれた状況に対する感謝です。
 
そこに感謝する前に、私たちはもっと壮大な「都合のよさ」を得ている。
 
過去に生きた無数の人類が見れば信じがたいほどの「都合のよさ」を獲得している。
 
その「得難さ」を、私は常に実感しているのです。
 
巨大な太陽フレアが起これば、私は家族もろとも一瞬で業火に焼かれてしまうでしょう。
 
氷河期が来れば、容赦なく凍え死んでしまうでしょう。
 
その悲惨な目にあわずに済んでいる、その「得難さ」を実感しているのです。
 
プラスの「ありがたさ」ではなく、マイナスにならない「得難さ」を感じているのです。
 
 

┃「得難さ」は「現代の悟り」

 
私は、この「得難さ」の感覚を「現代の悟り」だと感じています。
 
といっても、「悟り」という言葉自体にそんなに深い意味はありません。
 
古来から伝わる意味で「私は悟った!」と豪語するつもりも微塵もありません。
 
ただたんに「ものごとを悟る」という程度の意味で使っています。
 
ただ、危険が減り、物と情報があふれ、誘惑がかぎりなく広がったこの現代の日本において、「ものごとを悟る」というのは、過去の時代ほど楽なことではないと思います。
 
過去の人たちが楽だったということではなく、過去の時代ほど「悟る」ことだけが救いではなくなっているということです。
 
現代の日本にいれば、とりあえずごまかして生きていけるわけです。
 
その中で、あえて「ものごとを悟ろう」などと考えるのは、それでもごまかしきれずに、どうしても生きるのが苦しいという人くらいではないでしょうか。
 
そこに、私やあなたのような「生きづらい人」が含まれているのだと思います。
 
だから、生きづらい人には「現代の悟り」が必要なのだと私は考えています。
 
「得難さ」の感覚は、積極的な幸せを求めるものではありません。
 
ただ確実に、私たちに不満のない心穏やかな日々をもたらしてくれるものです。
 
それを私は「たんたんと生きる」と表現しています。
 
参照記事「たんたんと生きる
 
「得難さ」は「現代の悟り」という感覚、少し伝わったでしょうか?
 
一点、重要な注意点があります。
 
得難さを実感しようとして「悲惨な目」に焦点を当てすぎるのはやめましょう。
 
生きづらい人は感受性が強いですから、そっちに気を取られると穏やかどころの話ではなくなってしまいます。
 
くれぐれも気をつけながら、同じような感覚で歩める人と一緒に、表面的なところから「得難さ」を味わいはじめるのがベストです。
 
私はそのために「Adic Salon」をつくりました。
 
楽しいこと、面白いことを追いかけまわし、欲望を満たすことでは、生きづらさからは逃れられない。
 
下手をすると、それらが手に入らないという激しい苦しみが加わるだけの結果になってしまいかねない。
 
もしあなたが、すでにその苦しみにとらわれているのなら。
 
「得難さ」に、ほんのちょっと目を向けてみてください。
 
その先に、不満のない「現代の悟り」がある。
 
「心地よい人生」がありますから。
 
参照記事「生きづらいなら心地よい人生を目指そう
 
 

┃「得難さ」を感じる器づくり

 
こんな語り方をすると、私が最初から「得難さ」だけで不満を無くしたように感じさせてしまったかもしれません。
 
もちろん、そんなことはありません。
 
やっぱり、人一倍、私は感情や欲望に翻弄されやすい人間ですから。
 
なので「現代の悟り」を得るための、準備段階が必要でした。
 
「得難さ」を感じる器づくりですね。
 
最後にその方法をご紹介します。
 
それは、自分と環境を「調和」させることです。
 
つまり、不満のない人間になろうとすることと、不満のない環境をつくろうとすること。
 
これを少しずつ「同時に」やっていくということです。
 
なにがあっても不満のない人間になろうと、心だけで頑張っても苦しくなるだけです。
 
そして、不満のない完璧な環境を求めても、実現は難しいでしょう。
 
どちらも限界がありますし、「できた!」と思っても、また新たな不満がやってきます。
 
だから、不満の生まれにくい心を育てながら、同時に環境の不満も減らしていく。
 
これが現実的な、不満をなくしていく方法です。
 
私はこれを、両方からググッと挟んでいく「ストレスの万力理論」と呼んでいます。
 
参照記事「ストレスの万力理論について詳しくはコチラ
 
これが達成されていき、じっさいに不満が減ってきたトドメの一押し。
 
それが「得難さ」を実感して生きることです。
 
気長に聞こえてしまうかもしれませんが、私は理想的なことばかり言うのがとても苦手です。
 
あなたには「事実」を伝えたい。
 
あなたがもし、理想を追うのに疲れてしまったのなら。
 
「ストレスの万力理論」と「得難さ」に取り組んでみてください。
 
あるていど時間のかかることですから、早めに取り組んだ方がいい。
 
それが、このコラムを最後まで読んでくださったあなたに、感謝の気もちを込めてお伝えできる「事実」です。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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