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更新日:2022年3月21日

生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう

 

生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう

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生きづらい人生の歩き方

 

第119回
生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう

 

┃「役割」を果たすと人生が落ち着く

 
生きづらい人は「役割」を果たすことで、心地よい人生を手に入れることができます。
 
なぜなら「人生が落ち着く」からです。
 
「楽しい!面白い!」と気もちが高揚するわけでもない。
 
「なにをしても虚しい・・・」と気もちが沈むわけでもない。
 
「役割」を果たすと、「これでいいんだ」という実感に包まれて、静かに心が底に着く。
 
この生き方でいいんだ。
 
これをしていればいいんだ。
 
そんなふうに、穏やかに染みわたるように全身が充実していく。
 
まさに「人生が落ち着く」のです。
 
だから、「役割」を果たすことで心地よい人生が手に入れられるのです。
 
 

┃「役割」とはなにか?

 
こんなふうにお話すると、「役割」とはなんだか壮大で、かんたんには見つけられないものだと感じられるかもしれません。
 
決してそんなことはありません。
 
「役割」は、そこらじゅう、いたるところにあります。
 
「役割」とは、自分に割り当てられた機能のこと。
 
この世界のなかで、自分が担当する役のことです。
 
たとえば、「父」という役割があり「子」という役割があります。
 
また「教師」という役割があり「学生」という役割があります。
 
そして「道」という役割があり「歩行者」という役割があります。
 
このように「役割」とは、とくべつなものではなく、どこにでもあるものなのです。
 
それどころか、この世界は「役割」で埋め尽くされているのです。
 
 

┃この世界は「役割」でできている

 
この世界は「役割」でできています。
 
なぜなら、この世界はお互いになにかを果たし合うことで成立しているからです。
 
たとえば・・・、
 
「父」という役割を果たすためには「子」という役割が必要です。
 
「教師」も「学生」がいてくれなければその役割を果たせません。
 
「学生」も「教師」がいてくれなければその役割を果たせません。
 
「道」も、その上を歩いてくれる人がいなければ「道」の役割を果たせない。
 
「歩行者」という役割があって、はじめて「道」は「道」の役割を果たせるのです。
 
こうして、私たちはお互いに「役割」を果たし合っている存在。
 
この世界は「役割」で満たされている。
 
見渡すかぎり「役割」で埋め尽くされているのです。
 
それは、この世界は「関係」でできていると言ってもいいかもしれません。
 
私という存在は、その関係と関係の「接点」でしかない。
 
「役割」を自覚的に果たせば、その「接点」がクッキリと浮かび上がってくる。
 
だから「役割」を果たすと「自分」の存在意義が明確になり、「これでいいんだ」と実感できるようになる。
 
そうして、人生が落ち着いてくるのです。
 
 

┃自分だからこそ果たせる「役割」が実存を充実させる

 
「役割」を果たすことで、人生が落ち着く。
 
私はこれを「実存の充実」と呼んでいます。
 
実存とは、むき出しの存在そのものといった意味です。
 
ですので「実存の充実」とは、私という存在そのものが充たされる感覚だと言えるでしょう。
 
それはとても穏やかで強靭な充実感です。
 
当然、実存を充実させるには、「自分にしか果たせない役割」の方がいいですよね。
 
その方が、自分の存在意義をハッキリと感じられるでしょう。
 
しかし、そんなカッコいい「役割」は、そうかんたんには見つかりませんよね。
 
誰もが、とくべつな才能や環境に恵まれているわけではないからです。
 
そこで目指すのは「自分だからこそ果たせる役割」です。
 
つまり、そのとき、その場にいたからこそ果たせる「役割」のことです。
 
その「自分だからこそ果たせる役割」を自覚的に果たすことで、自分の存在意義を感じることができるようになっていきます。
 
そのうえで、その役割を「自分にしか果たせない役割」に磨き上げていけばいい。
 
そうすることで、実存が充実していきます。
 
「自分にしか果たせない役割」と「自分だからこそ果たせる役割」。
 
この違いは、なかなかわかりにくいものだと思いますので、別のコラムで詳しく解説しています。
 
どうぞそちらもご参考いただければ幸いです。
 

参照記事
実存を充実させる生き方
「自分にしか果たせない役割」と「自分だからこそ果たせる役割」の違いについて、詳しく解説しています。

 
 

┃ロマンチックな「役割」はもういらない

 
「自分だからこそ果たせる役割」を果たそう。
 
ここでよく見かけるのが、
 
「あなたには、幸せになれる役割が宇宙から与えられている!」
 
「それさえ見つければ、毎日ハッピーに暮らしていける!」
 
といった、都合のいい役割論です。
 
私は、そんなロマンチックな話をしているのではありません。
 
私が言っているのは、もっと現実的な話です。
 
この世界は「役割」で構成されている。
 
じっさいに、目の前に無数に「役割」がある。
 
だから、あなたも毎日「役割」を無数に果たしている。
 
その「役割」を自覚しながら果たすことで、実存は充実していく。
 
その「役割」のなかから、「自分だからこそ果たせる役割」を見出すことができれば、さらに実存は充実しやすくなる。
 
さらにその「役割」を「自分にしか果たせない」と言えるまでに磨き上げていけば、イヤでも実存は充実し、心地よい人生を送ることができる。
 
つまり、「役割」は常にすでにあなたの目の前にある。
 
そこから、実存が充実しそうな「役割」を自分でピックアップして、それをみずからの力で磨き上げようと言っているのです。
 
「幸せになれる役割」などという、ロマンチックで自分にだけ都合のいいものがはじめから与えられているわけではない。
 
自分で見出し、自分で磨き上げていく。
 
それこそが、現実的な「役割」との向き合い方なのです。
 
 

┃私が「役割」に気づいた瞬間

 
ここで、私自身が「役割」の存在に気づいた瞬間のお話をさせてください。
 
当時私は、自分に「役割」なんてないと思っていました。
 
私は植物嫌悪症で、地球に生きているだけで猛烈に苦しい人間です。
 
また、PTSD、パニック障害、発達障害、双極性障害もあり、障害者福祉手帳も取得して、ほぼ寝たきりの状態でした。
 
そんな自分に果たせる「役割」なんて、あるわけないだろう、と。
 
でも、ボンヤリと考えごとをしていたとき、こんなことを思ったんです。
 
私たちの体って、いろいろな「役割」でできていますよね。
 
細胞とか、そのなかにある小さな器官とか。
 
それらが集まって、心臓とか骨とか目ができている。
 
そういった「役割」の集合体が「私」なわけです。
 
つまり、無数の役割が集まって「私」ができているわけです。
 
その無数の「役割」が集まってできた「私」が、ポンッと「私」になった瞬間。
 
なんの「役割」もなくなってしまう・・・。
 
そのことに、ふと強い違和感を覚えたのです。
 
これって、かなりおかしなことじゃないか?
 
というか、だいぶ都合がよくないか、と。
 
自分は「役割」の集合体。
 
無数の「役割」のはたらきで「私」ができている。
 
にもかかわらず、「私」になった瞬間に「役割」はなくなる。
 
そんなに都合のいい話ってある?
 
そう疑問に思った瞬間。
 
私の目の前に、ブワァ~っと自分の「役割」が見えてきたのです。
 
「道」に対しての「歩行者」という役割。
 
「レジ打ちする人」に対しての「客」という役割。
 
「電車」に対して「乗客」という役割。
 
ありとあらゆる「役割」でこの世界は満たされている。
 
というより、
 
「役割しかねぇじゃん!!」
 
と思ったのです。
 
つまり、「役割」の集合体がこの世界だとわかったんです。
 
それが「事実」であるということ。
 
じっさいに目の前に無数の「役割」があって、この世界は役に立ち合う「関係」でできている。
 
それが、私が「役割」に気づいた瞬間です。
 
そしてそれ以来、「役割」を自覚して生きるようになり、それが人生を落ち着かせることを体験していきました。
 
そのなかで、自分の障害や経験を活かすことで「役割」を磨き上げていきました。
 
そして、実存を充実させるいくつもの「役割」を見出していったのです。
 
生きづらさ専門カウンセラーというこの仕事も、まさにその一つです。
 
 

┃実存を充実させる「役割」の見つけ方と磨き方

 
「自分だからこそ果たせる役割」を見出し、磨き上げると、実存が充実して人生が落ち着く。
 
では、どうすれば「自分だからこそ果たせる役割」を見出すことができるのでしょうか。
 
とても効果的な方法は「脱世間起業」してみることです。
 
といっても、
 
「起業してやりたいことをやろう!」
 
といった暑苦しい提案をしているわけではありません。
 
ましてや、
 
「借金してでも好きなことで食っていこう!」
 
という無責任で稚拙な提案をしているわけでもありません。
 
あくまでも「自分だからこそ果たせる役割」を見出す手段として、脱世間起業がとても有効だということです。
 
脱世間起業は、自分の「悩み」や「経験」を商品やサービスに変えられる技術です。
 
つまり、あなたの「悩み」や「経験」を役立て、それを必要としてくれる人を見つける方法です。
 
それは「役割」を見出すこと、そのものだと言えるでしょう。
 
また、脱世間起業は、負えるリスクの範囲でたった一人で起業できる方法です。
 
当然、自分にとってのリスクとはなにか、そのなかで今自分にできることはなにかという答えを見つけていきます。
 
その過程をとおして「自分だからこそ果たせる役割」が、具体的にわかってくるのです。
 
これからは、働き方をコーディネイトしていく時代です。
 
いくつもの仕事を同時にもつのが当たり前の時代になっていきます。
 
起業するからといって、起業一本で稼いで生活しなければならないわけではありません。
 
セラピーとしての起業があってもいい。
 
セルフカウンセリングとしての起業があってもいい。
 
仕事の一つを、生きづらさから脱け出すために使ってもいいのです。
 
そのなかで「自分だからこそ果たせる役割」を見出してけばいいのです。
 
あなたが、「これでいいんだ」と心を底に着け、人生を落ち着かせたいのなら。
 
そして、穏やかで強靭な「実存を充実」を味わい、心地よい人生を歩みたいのなら。
 
どうぞ、脱世間起業で「自分だからこそ果たせる役割」を見出してください。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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