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更新日:2022年12月14日

生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい

 

生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい

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生きづらい人生の歩き方

 

第128回
生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい

 

┃受け取ることを前提にした「ギバー」が増殖中

 
今、日本では、空前の「与えるブーム」が来てますね。
 
「ギバー」という言葉も定着してます。
 
まずは自分から与えつづけていくことで、人生がうまくまわっていくという意味合いで使われています。
 
とてもうなずける考え方です。
 
ただ・・・、一つ注意したいのは、日本でこの言葉を好んで使っているのは、ビジネス業界の人だということです。
 
つまり、いずれ受け取ることを前提にこの言葉を使っているということです。
 
結局は「受け取るために与えている」っていうことですね。
 
ビジネスなら受け取る場面を「事前に仕込む」こともできます。
 
「ギバーになるメリット」があるわけです。
 
今、日本で増殖中なのは、このタイプのギバーでしょう。
 
 

┃日常生活でまともに「ギバー」をやると苦しくなる

 
一方・・・。
 
日常生活のなかで「ギバー」を実践すると、与えただけで終わっちゃうことが多いものです。
 
だから、ビジネス以外の場でギバーをやりつづけていくと、苦しくなっていく人が多いでしょう。
 
ビジネスのように、見返りを期待して「事前に仕込む」ことも難しいですからね。
 
どうしても「与えっぱなし」になりやすい。
 
もちろん理想としては、「与えっぱなし」で満足できたら、いい人生を送れますよね。
 
でも現実的にどうでしょうか?
 
ほとんど受け取れないのに、与えつづける。
 
私にはできないですね。(自信たっぷり)
 
電車の席を譲っただけでも、相手が会釈の一つもせずに当たり前のような顔してドンと座わったら、「譲らなきゃよかった」って思っちゃいませんか?
 
私の器が小さいだけでしょうか(笑)
 
 

┃生きづらい人は「受け取る」からはじめよう

 
電車で席を譲っただけでも「与えっぱなし」は難しい。
 
じつは、カウンセリングの現場でこの話をすると、たいていの方は賛同してくださいます。
 
なぜなら、私たち生きづらい者は、生きてるだけで精一杯。
 
心身ともに「余裕がない・・・」と感じている方が多いからです。
 
なので、生きづらい人は、無理せず「受け取る」ことからはじめてみるのがいいと思います。
 
で、しっかり返していく。
 
受け取ってから、与えていく。
 
つまり、「与えることを前提に受け取る」っていうことですね。
 
ビジネス業界で流行っているパターンと逆です。
 
これがサイクルに乗ってしまえば、与えるが先だったか、受け取るが先だったかなんて、関係ないじゃないですか。
 
もらって、ちゃんと返していく。
 
たしかに、受け取りっぱなしは、ろくな結果にならないですからね。
 
生きづらい人は、「与える」ことよりも「受け取る」ことからはじめればいいと私は考えています。
 
 

┃日本社会においてギバーとは「ものすごく器用に稼ぐ人」のこと

 
そもそも、今、日本社会で蔓延している「ギバー」という言葉は、「与える人」のことではないように思います。
 
ビジネス的な文脈において「ものすごく器用に立ち振る舞って上手に稼げる人」のことをさしているだけような気がします。
 
なぜなら、与えつづけて損する人を「自己犠牲ギバー」と呼び「成功するギバー」と振り分ける話を、みなさん好んでするからです。
 
その振り分け自体は、とくに問題ないと思います。
 
まったくそのとおりでしょう。
 
しかし、それは「ギバー」に焦点があたっているのではなく、結局「メリットが得られたかどうか」に焦点があたっています。
 
ということは、日本の「与えるブーム」における「ギバー」とは、たんなる「ものすごく器用にメリットを得られる人」のことでしょう。
 
「ギバーになろう!」とは言いますが、それは言いなおせば、
 
「うまく立ち回ってしっかり稼ごう!」
 
と言ってるだけに思えてなりません。
 
 

┃そもそも、どう考えても「人類総テイカー」でしょう?

 
それ以前に、「ギバー」っていっても、とても狭い枠組みのなかでの話ですよね。
 
組織や身近な人たちのなかで、どう立ち回っているかという、個人の行動の性質にすぎません。
 
それをわざわざ「ギバー」なんて呼ぶと、自分が常に「与える側」にいるような気がしてきませんか。
 
でも、じっさいのところは「人類総テイカー」です。
 
生まれたときはなにもできず、与えてもらいっぱなし。
 
その後も毎日、動植物の命をもらいっぱなし。
 
わざわざ養殖してまで、もらいっぱなし。
 
しかも、自分では手を下さず、ムゴいところは他人にやってもらいっぱなし。
 
水道ひねって水が出てくるのが当たり前、スイッチ押して電気つくのが当たり前、壊れりゃ文句タラタラですぐクレームをつける。
 
それを、ビジネスの現場でちょっと先になにかしてあげたからって、
 
「自分は与える側です」
 
って言うなんて、なんだかとても恥ずかしいと思うのは、私だけでしょうか。
 
だから、わざわざ「ギバー」なんて目指さないで、身近な人たちとのあいだだけでも、ちゃんと返していく人になればいい。
 
私たちは、どうしようもなく猛烈なテイカーなんだけど、せめて身近な人にはできるかぎり返していく。
 
とくに生きづらい人は、受け取ることからはじめて、返していけばいい。
 
行動できない事情があるなら、思いを馳せるだけでもいい。
 
私は、そう考えています。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
154.自己憐憫のススメ
 


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