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更新日:2022年7月4日

自分と同じ症状の人が見当たらない

 

自分と同じ症状の人が見当たらない

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生きづらい人生の歩き方

 

第18回
自分と同じ症状の人が見当たらない

 

┃いつも「自分と同じ症状の人」がいなくて不安になる

 
自分と同じ症状の人がいないと不安になりますよね。
 
たとえば、
 
・痛みがあるのに「原因不明」と言われる
 
・「よく効く」と評判の薬が効かない
 
・悩みごとを相談しても「そんなの聴いたことがない」と言われる
 
そこでネットで調べてみても、そこには「よくある症状」と「よくある解決策」ばかり。
 
他のみんなは「同じ症状」を抱え「同じ方法」で無事に解決してしまっている。
 
結局、自分と同じ症状の人が見つからず、不安になってしまうのです。
 
その症状自体もつらいですが、そこに同じ症状が見つからない不安という不安が加わり、二重の苦しみを味わうことになるのです。
 
 

┃人間は「私だけ・・・」に弱い

 
同じ症状が見つからないという二重の苦しみ。
 
ではなぜ、同じ症状が見つからないと、私たちはこんなにも不安になってしまうのでしょうか?
 
それは、人間は「私だけ・・・」という状況に非常に弱い生き物だからです。
 
これは群れで生きる人間という動物の特徴だと言えるでしょう。
 
たとえば、大災害の現場において、その町のなかで不幸にも「自分の親だけ」が亡くなってしまったとき。
 
その人は、ただ親を亡くした場合よりも大きな心の痛みを感じます。
 
これは、逆に「助かった」という一見幸運のような状況でも起こり得ます。
 
つまり「自分だけ」が助かった場合に、大きな罪悪感を抱えてしまうことがあるのです。
 
これは「サバイバーズ・ギルト」と呼ばれる、災害や事件を生き残った人が抱える症状の一つです。
 
参考文献
「サバイバーズ・ギルト」Wikipedia

 
また、ダイレクトメールにも、
 
「あなただけを特別にご招待!」
 
といったキャッチコピーをよく見かけますよね。
 
これも「私だけ・・・」に弱い人間の性質を逆手にとったマーケティング手法です。
 
他の人には手に入らない(ハード トゥ ゲット テクニック)、他の人とは違う(スノッブ効果)という心理を突いています。
 
参考文献
「献仕事で使えるビジネス心理学79選」社会人の教科書

 
つまり、よい状況においても、悪い状況においても、私たち人間は「私だけ・・・」という特別なポジションに心を大きく動かされてしまうのです。
 
そのため、自分と同じ症状が見つからないと、
 
「こんな悩みを抱えているのは私だけかもしれない・・・」
 
と不安になってしまうのです。
 
 

┃生きづらい人は「私だけ・・・」のかたまり

 
群れで生きる人間は、「私だけ・・・」という特別なポジションに動揺してしまいます。
 
生きづらい人は、この「私だけ・・・」という症状のかたまりだと言えるでしょう。
 
だからこそ生きづらいのです。
 
自分と同じ不調や不快感をもっている人が見当たらない。
 
だから、自分の不調な不快感を伝えても、話が通じない。
 
あげくの果てには怒られる。
 
すごく痛いと言うと「大げさだ」と怒られる。
 
鳥が恐いというと「そんなはずない」と怒られる。
 
大きな音が苦しいと言うと「気にしすぎだ」と怒られる。
 
肉が食べられないというと「わがまま言うな」と怒られる。
 
最後には必ず「みんなはそんなことを言わない」と、他の人と明確に差別をされる。
 
そうして、ただでさえ強い「私だけ・・・」という思いをさらに強められて、より不安に、より苦しくなっていってしまうのです。
 
 

┃「〇〇障害」「HSP」にも当てはまらず不安が増す

 
ただし、最近ではそのような少数の人が抱える珍しい症状も「〇〇障害」という西洋医療の診断に含まれるようになってきました。
 
また、感覚が鋭敏な人を表す「HSP」という言葉も登場しました。
 
そして「〇〇障害」や「HSP」の特徴を知り、ああ、自分と同じだと安心できるようになったのです。
 
これは大きな救いでしょう。
 
さらに、それらの「当事者」である著名人が出版や情報発信をしているので、その具体的な症状も知ることができるようになりました。
 
しかし、その具体的な症状となると、やはり自分は当てはまらない。
 
たしかに「〇〇障害」「HSP」の人と、自分はよく似ている。
 
ただそこで語られる「あるある」が、自分に当てはまらないのです。
 
たとえば「首を刺激されるからマフラーなどはできない」といった症状が書かれ、多くの人が同意しているけど、自分はまったく共感できない。
 
「左右対称でないと気が済まない」という症状が書かれ、多くの人が同意しているけど、自分はまったく共感できない。
 
そして、自分がもっとも苦しんでいる症状については、誰も語っていない。
 
どんなに自分と同じ症状を探しても、どうしても見当たらない。
 
「〇〇障害」「HSP」という枠組みは、たしかに希望を見せてくれた。
 
でも、その枠があるゆえに、またしてもそこからこぼれたときに、「私だけ・・・」という思いにさらに苦しむことになってしまうのです。
 
 

┃そんな私も「私だけ・・・」に苦しみつづけて約半世紀

 
じつはこの記事を書いている私自身、自分と同じ症状の人が見当たらないと悩み、苦しみつづけてきました。
 
アラフィフですので、もう50年近くになりますが、いまだにつづいています。
 
先日、手術を受けたときもそうでした。
 
退院日になってもあまりに痛くて起きあがれないので、医師や看護師に伝えても、
 
「そんなはずない」
 
「老人でもスタスタ歩いて帰る」
 
との返答。
 
術後3ヶ月経っても歩くと痛むのでネットで調べると、
 
「術後の痛みは1か月後には消える」
 
という情報ばかり。
 
患者本人の発信した情報を見ても、その情報どおり、
 
「一か月後には痛みが取れました!」
 
と元気に語る内容ばかり。
 
術後も長く痛みがつづく症状については、どんなに調べても出てこない。
 
私は次第に「私だけ・・・」という不安に包まれていきました。
 
それに加えて「またか・・・」という絶望感と怒りに襲われました。
 
私の人生は、ずっとこんなことのくり返しだったからです。
 
でも今は、そんな不安や絶望感、怒りはすぐにおさまるようになりました。
 
それは、私が脱世間起業をしているからです。
 
そして自分のサロンやメディアで、そんな自分の苦しい体験を発信をし、生きづらさをチカラに変えているからです。
 
つまり、自分と同じような人に集まってもらい、そこで自分の苦しんだ体験を活かしてもらっているのです。
 
そうすることで、「私だけ・・・」という苦しみのもつ、自分だけが無駄に苦しんでいる感覚をやわらげ、ネガティブな感情がおさまってくれるようになっていったのです。
 
 

┃「自分と同じ症状の人」と出会う方法

 
自分と同じ症状が見当たらないという苦しみの解決策は、自分と同じ症状の人と出会うことです。
 
あなたもご経験がありませんか?
 
自分と同じ症状を探してもさがしても見つからないとき・・・。
 
偶然見つけた個人のブログに、たった一行、同じ症状が書かれているのを見て、
 
「ああ、私だけじゃなかったんだ・・・」
 
と気もちが楽になったことが。
 
でも、それはたまたまラッキーだっただけですよね。
 
では、どうすれば自分と同じ症状の人と出会うことができるでしょうか?
 
それは、自分の珍しい症状について情報発信していくことです。
 
あなたが自分と同じ症状の人を探していたように、同じような症状の人を探している人がどこかにいるはずです。
 
その人に向けて、自分の症状について発信していく。
 
そうすると、同じ症状に苦しむ人が集まってきてくれます。
 
じっさいにコンタクトを取らなくても、アクセス数を見るだけで、
 
「ああ・・・、この症状を抱えているのは、私だけじゃなかったんだな・・・」
 
と不安が癒されていきます。
 
私の人気コラム、
 
嫌われてよかった
 
虐待の後遺症
 
植物が嫌いという病
 
なども、私自身が「自分の症状が見当たらない」と悩んでいたことをテーマにしました。
 
そしてこのコラムをきっかけに、私と同じ症状に悩む多くの方が私のもとに集まってくださいました。
 
 

┃「私だけ・・・」という苦しみをチカラに変える方法

 
同じ症状の人と出会うと、不安は解消されていきます。
 
しかしそれだけでは、「私だけ・・・」という苦しみから解放されません。
 
やっぱり、無駄に苦しんでいるという絶望感や怒りがしつこくつきまとうからです。
 
ではどうしたら「私だけ・・・」というしつこい苦しみから解放されるのでしょうか?
 
それは「私だけ・・・」という苦しみを人に役立ててもらうこと。
 
「私だけ・・・」という苦しみをチカラに変えることです。
 
そのための方法として、私は脱世間起業をオススメしています。
 
自分が苦しんできた特有の症状について情報発信するだけではなく、その方たちに有効なサービスを提供するということですね。
 
お金よりも、居場所をつくるために起業する、自分や人を癒すセラピーとして起業するのです。
 
このような話をすると必ず、「それはキレイゴトだ」とおっしゃる方がいます。
 
でも、「私だけ・・・」という苦しみをチカラに変えることは、そんなに「美しい」活動ではありません。
 
自分の内面と向き合い、えぐり出して表現していくような、とても「泥くさい」活動です。
 
やってみればわかります。
 
そこには「人からの賞賛」や「お道徳」という美しさでは語れない、心の奥底からの「実存の充実」があります。
 

参照記事
苦しみの活かし方
自分の苦しい体験をチカラに変え、実存を充たす考え方について詳しく解説しています

 
「私だけ・・・」と苦しんで終わらせず、その症状について発信し、同じ症状に苦しむ人の役に立ててもらう。
 
同じ症状に苦しむ人の「私だけ・・・」を「私だけじゃなかったんだ・・・」に変えていく。
 
脱世間起業によって、そのサイクルを自分の人生に組み込んでいくことで、同じ症状の人が見当たらないという苦しみは、根本から克服されていくのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
 


おかげ様でコラム数500本突破!

読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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