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あと一歩が踏み出せない

 

あと一歩が踏み出せない

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生きづらい人生の歩き方

 

第65回
あと一歩が踏み出せない

 
離婚や転職など、自分の環境をガラリと変えようと思うとき。
 
私たちは、あと一歩を踏み出すことができません。
 
それはいったいなぜでしょうか?
 
もちろん家族が崩壊したり、子供に会えなくなるのがつらい。
 
キャリアに傷がついたり、人から逃げたと思われるのがつらい。
 
そんな、本人にとって重大な問題も立ちふさがっています。
 
しかし、その問題に心の整理がついたとしても、まだ一歩を踏み出せないときがあります。
 
いったい何が、次の一歩を踏みとどまらせているのでしょうか。
 
「先の見えない不安がある。」
 
たしかにそうですよね。
 
環境が変われば、なにが起こるか想像がつかない…。
 
ただこれもよく考えると、今の環境にいたとしても、今後なにが起こるかはわからないはずです。
 
別れようと思っていたパートナーの方から、先に離婚を突きつけられるかもしれません。
 
転職する前に会社が倒産するかもしれません。
 
明日天災が起こるかもしれないし、大きな病気にかかるかもしれない。
 
先が見えないのは、今も同じはずです。
 
ではなぜあと一歩を踏み出すことを、私たちは避けようとするのでしょうか?
 
なぜ踏みとどまってしまうのでしょうか?
 
それは、離婚や転職した先が本当は見えているからかもしれません。
 
そしてその見えている先とは、
 
「快適」と「快楽」
 
を失うかもしれないという未来です。
 
離婚や転職でよく起こるのは、収入の低下です。
 
収入が低下すれば、今まで当たり前のように得ることのできていた「快適」と「快楽」を失う可能性があります。
 
住む部屋を狭くしなければならない。
 
外食の回数を減らし自炊しなければならない。
 
エアコンの使用量を節約しなければならない。
 
仕事帰りにコンビニでスイーツを買って帰れない。
 
お風呂の追い炊き機能をあきらめなければならない。
 
飲みに行く回数を減らさなければならない。
 
タバコを吸う本数を減らさなければならない。
 
休憩時間の缶コーヒーをガマンしなければならない。
 
読書は立ち読みと図書館で済まさなければならない。
 
ドライブするには車を借りなければならない…。
 
私たちは、一度手に入れた「快適」と「快楽」を手放すのが、ことのほか苦手です。
 
たとえば自動車に乗ることは、私たちの社会に多大な「快適」や「快楽」をもたらします。
 
しかし、その自動車による交通事故死者数は年間1万人を超えています。
 
もし自動車を導入する前の国で、
 
「車という乗り物を導入すると年間1万人以上の死者が出ますが、導入してもいいですか?」
 
と質問されて、OKを出す人はまずいないのではないでしょうか。
 
でも、じっさいに今の日本で、自動車文化を排除しようとする動きは見られません。
 
それは、一度手にした「快適」と「快楽」を失うことにつながることが、あきらかに見えているからでしょう。
 
だから、交通事故を未然に防ぐことには熱心であっても、自動車が存在すること自体による問題点は目に入ってこない。
 
「社会を維持するため」「経済を維持するため」という一言で、本当の理由をサッと覆い隠してしまうのです。
 
「快適」と「快楽」を得ようとすることは、エゴを満たそうとすることの代名詞と言えるかもしれません。
 
ただし、エゴを満たすことは群れ社会において「はしたない」と禁じられています。
 
だから、私たちは「快適」と「快楽」をこれでもかと望んでいるにもかかわらず、それを見ないようにする。
 
人からも見えないように、覆い隠そうとしてしまうのでしょう。
 
人間は「行動パターン」を変えることを本能的に嫌います。
 
つまり、安全な環境を維持し、欲求を満たしつづけることのできる状態を確保しようとするのです。
 
(参照:人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
 
「快適」は、安全な環境が維持できているかの基準です。
 
そして「快楽」は、欲求を満たせているかの基準です。
 
人間であれば誰でも感じる本能。
 
もっていて当然の感覚です。
 
せめて自分には、正直にその本能を見せてあげましょう。
 
「快適」と「快楽」を求めていることを認めてあげましょう。
 
あなたがあと一歩踏み出せない理由は、その本能のなかにあるのかもしれません。
 
それを冷静に認めることができたとき、次の一歩を踏み出すための心の準備が整うはずです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです 
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
154.自己憐憫のススメ
 


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