ベーシックインカムで将来も安心?
生きづらい人生の歩き方
第31回
ベーシックインカムで将来も安心?
ベーシックインカムという言葉をご存知でしょうか?
ベーシックインカムは、国民全員に、生活に必要な最低限の所得を保障する制度です。
たとえば、一人あたり一ヶ月7万円で生活できるとすれば、毎月7万円を国民全員に均等に配るわけです。
経済学博士の井上智洋氏は、これを、
「子供手当+大人手当、つまりみんな手当」
と説明しています。
(ヘリコプターマネー:日本経済新聞社 刊)
とてもわかりやすいですね。
我が国の「生活保護制度」のように、食べていくことも困難な人だけを対象とするのではありません。
老人から赤ちゃんまで、すべての人に同じ額のお金が配られるのが特徴です。
先ほどの例で言えば、もし夫婦二人で生活していたら毎月14万円が国から支給される。
それ以上の所得が欲しいと思うのであれば働けばいい。
もし十分だと思うのなら、夫婦二人で働かず、のんびりとその金額内で暮らしてもいいわけです。
じっさいに、これに近い制度がイランやアメリカのアラスカ州などでは導入されています。
この二カ所は、石油などの天然資源が豊富なため、その莫大な収益を分配しています。
他にも、オランダの一部地域で導入されたり、フィンランドが2年間の導入実験を試みています。
まだ国全体をあげて正式に導入している国はありません。
ただ、日本でもにわかにベーシックインカム導入論がもりあがってきており、さまざまな導入案が経済学者やビジネスリーダーを筆頭に議論されています。
これを聞いて、あなたはどう感じましたでしょうか?
「よし、これで働かないですむ!」
と安心する方も多いと思います。
でも、ここでひとつご提案があります。
それは、「ベーシックインカムをもらう側」になるのではなく、「ベーシックインカムを提供する側」になるような生き方をイメージすることです。
ベーシックインカムを実現させるためには、当然それなりの財源が必要になります。
国の経済を安定させることが、財源を確保する大きな条件の一つになるでしょう。
その経済を安定させる役割を、みずからも積極的に担うイメージを持つ。
財源から一方的にベーシックインカムを「もらう側」になるのではなく、みずからの仕事によって財源を「生み出す側」になろうとすること。
それが今後、私たちの人生を充実させてくれることになるでしょう。
なぜなら、ベーシックインカムが導入されれば、今の社会よりもチャレンジがしやすくなると考えられるからです。
ベーシックインカムをもらえると聞くと、私たちはついつい「ああ、これでつらい労働から解放される」と思いがちです。
生きづらさを抱えている人であれば、とくにそう感じるでしょう。
無論そのとおりだと思います。
しかしこれからは、自分に合った働き方を選べる時代がくるでしょう。
「仕事は三つもつ」でも述べたとおり、組織にしばられず、小さな事業を一人でいくつもこなしてこともできるはずです。
もしそれらの仕事がうまくいかなかったり、収益をあげるまでに時間がかかったとしても、ベーシックインカムのおかげで最低限の生活はできます。
だから、安心してチャレンジできるのです。
実存を充実させる生き方である「ジツ充」にも、取り組みやすくなるでしょう。
もちろん、ベーシックインカムの恩恵を受けて、働かずのんびり暮らすのもいいですよね。
でも、それで本当に「心地よい人生」を送れるでしょうか?
私は別に「お国のために」とか「他の人たちのために」といった、美しい自己犠牲をオススメしているわけではありません。
貴重な財源から受けた恩恵を、自分のチャレンジの土台にして、さらにその財源を増やしていく。
その方が、たんに効率的で楽しい人生になりそうだと思うのです。
AIに仕事を奪われると恐れるより、自分のAIをつくるくらいの気持ちをもっている方が、余裕を生むのと同じことです。
今後も、ベーシックインカム導入論が、さまざまな場で見られるでしょう。
そのとき、ぜひあなたはベーシックインカムを「もらう側」ではなく、「提供する側」としてその議論を判断なさることをオススメします。
きっと、みずからの充実した未来を思い描く、貴重な機会を得られるはずです。
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
生きづらい人生の歩き方 <目次>
1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの?
149.「気にしている」のではなく「気になっている」のです
150.「自分の本質」を見えなくさせるもの
151.生きづらい人が死ぬときに後悔しない方法
152.生きづらい人のための「お金を使う優先順位」
153.「傷の舐め合いはよくない」は本当か?
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