善人なんていない

 

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生きづらい人生の歩き方

 

第4回
善人なんていない

 
「善人」と「悪人」。
 
そんな正反対の言葉があります。
 
あなたはご自分をどちらだと思われるでしょうか?
 
誰だって、できることなら「悪人」にはなりたくない、「善人」でありたいと願っているものでしょう。
 
にもかかわらず、自分の中の「悪」を見つけては、落ち込んでしまう人も多いのではないでしょうか?
 
たとえば、怒りやねたみ、人を責める気持ちや人の不幸を願う気持ちが浮かんだときに、「どうしてこんな悪い考えが浮かんできてしまうんだろう…」と肩を落とすことがある。
 
カウンセリングでも、そのようなご相談をよくいただきます。
 
でも実は、肩を落としてまで「どうして…」と落ち込む必要はありません。
 
なぜなら、誰だって「悪」を持っているからです。
 
夏目漱石の「こころ」という有名な小説の中でも、登場人物である「先生」は次ようなことを口にします。
 
「悪人」という確固たる人種がいて、その人が悪いことをするのではなく、普段は「善人」である人が、いざというときに悪いことをするのだ…、と。
 
つまり、私たちの中には、必ず「悪」があるということ。
 
「善人」「悪人」という存在があるわけではなく、誰の心の中にも「悪」が潜んでいる。
 
人生がうまくいっているときには隠れていても、少しでもつまづけば、その「悪」が顔を出すということです。
 
だから、「悪」が出てきたとしても、「私って悪い人間なのかな…」といちいち落ち込む必要はない。
 
「悪」に人生を振り回されないように、「悪」を『マネジメント(管理)』すればいい。
 
ありもしない「善人」に無理をしてなろうとするのではなく、自分の中の「悪」をしっかりと管理し、時に律し、上手に対処していくことが大切だということです。
 
そのためには、まず自分の中の「悪」を自覚しなければなりません。
 
自覚できていないものを、マネジメントすることはできないからです。
 
部下をマネジメントするときに、その部下のスキルや性格を把握していなければ、上手にその部下に対処することができません。
 
それ以前に、その部下がそこにいることを知らなければ、なんの対処もできません。
 
だから、まずは自分の中の「悪」の存在を自覚する。
 
そして、その「悪」がいったいどんな性質のものなのかを、じっくり観察してみることで、「悪」に上手に対処することができるようになっていくのです。
 
また、「悪」は自分の中だけではく、当然他人の中にも潜んでいます。
 
どんなに「善人」に見えても、実際にその人に助けられたことがあったとしても、必ず「悪」の部分を持っている。
 
それがどんなに自分にとって大切な人であっても、「悪」を心に秘めているのです。
 
だから過度な期待はしない。
 
いつも笑顔で優しく、この人なら、どんなときでも必ず快く受け止めてくれると思っていた人が、ふいに面倒くさそうに対応してくることもある。
 
自分にとって不利益なことを押しつけてくることもある。
 
その覚悟をして他人と付き合うことが大切になってくるでしょう。
 
私たちはついつい、自分も含めて、ひとりの人間を「善人」であるか「悪人」であるかと、明確に裁こうとするクセを持っています。
 
「善人」だと思っていた人が少しでも悪いことをすると、「実は悪人だった」と言って、どちらかにハッキリ分けてしまおうとするのです。
 
「生きづらい」と感じている人ほど、そのような傾向が強いでしょう。
 
でも、人間とは「善人」と「悪人」には、ハッキリとは分けられない存在。
 
私たちの心は「善悪のハイブリッド」。
 
自分の中の「悪」をしっかりと見つけて、自分にも相手にも、過剰な期待をかけないことが大切なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 


生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
 
<次回更新予定 2018年6月25日(月)>

 
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