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更新日:2020年3月10日

「恩知らずな人」を許せない

 

「恩知らずな人」を許せない

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生きづらい人生の歩き方

 

第94回
「恩知らずな人」を許せない

 

┃ある勘違いに気づけば「恩知らず」が気にならなくなる

 
「恩」を忘れられてしまう。
 
これは、なかなか悔しいものですよね。
 
たとえば、困っているから貸してあげたお金を返そうとしない。
 
目にかけていた部下が、平気な顔をして会社を辞める。
 
ましてやその恩を「あだ」で返してくることもあります。
 
たとえば、長年支えつづけていた夫が、愛人をつくっていた。
 
親に仕送りしてあげていた金を、親はマルチビジネスにつぎ込んで自分たちだけ贅沢していた。
 
このような「恩知らず」な行為に対して、世間ではよく、
 
「やってあげたのに」
 
と思うから苦しくなるんだとたしなめます。
 
そう言われても、やってあげたことは事実ですから、「やってあげたのに」と思わずにはいられないものです。
 
やっぱり、最低限の恩は返して欲しいと願ってしまうものですよね。
 
そして苦しくなってしまう・・。
 
でもじつはこれ、私たちが「ある勘違」いをしているから起きてくる苦しさなのです。
 
その「ある勘違い」について知れば、「恩知らずな人」への苦しみを軽くすることができるんです。
 
 

┃人間は恩を感じにくい生き物である

 
もともと私たちは、「人間は自然と恩を感じる」と思っていますよね。
 
恩とは、とても自然な感情だと。
 
しかし、幼少のころを思いだしてください。
 
大人たちから「ありがとうは?」と、なんどたしなめられたことでしょうか。
 
怒ったり、泣いたり、笑ったりは、言われなくてもやっていました。
 
しかし「恩」は、言われてから気づくことが多かったのではないでしょうか?
 
つまり、「人間は自然と恩を感じる」というのは思い込みに過ぎないのです。
 
以前もご紹介したことがある「ポジティブイリュージョン」という心理現象があります。
 
基本的に多くの人間は「自分が状況をコントロールしている」と思いこんでいるのです。
 
かんたんに言うと「他人のおかげ」でそうなっているのに「自分のおかげ」だと思ってしまうという、たいへんお気楽な性質です。
 
この性質を、多くの人間がもともともっているのです。
 
するとどうなるでしょうか?
 
他人に助けてもらって成功した仕事でも、「私がいたからうまくいったのだな」という点ばかりが先に目につく。
 
「他人のおかげ」よりも「自分のおかげ」ばかり気になるのです。
 
それだけではありません。
 
ポジティブイリュージョンは、「助けた側」にもはたらいています。
 
つまり助けた側も、じっさいに助けた以上に「自分のおかげ」だと思っているということです。
 
助けられた側は「自分のおかげだ」と思い、助けた側はもっと「自分のおかげ」だと思っています。
 
この差のひらきは大きい。
 
つまり人間は「助けた側が思っているほど恩を感じてもらえない」という宿命を背負っているのです。
 
 

┃人間は恩を忘れやすい生き物である

 
とはいえ「私が与えた恩はそんな小さなものではない!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 
たしかに、貸した大金を返さないといったわかりやすい「恩知らず」もいます。
 
ただ残念ながら、与えた恩が大きいからこそ、相手は恩を忘れてしまっているのかもしれません。
 
なぜなら、恩が大きいほど相手の人生に好影響を与えた可能性が高いから。
 
つまり、相手の人生が軌道に乗り、ポジティブイリュージョンに酔いやすくなってしまうのです。
 
さらに、日を追うごとにその感覚は強まっていく一方でしょう。
 
ポジティブイリュージョンによって、その大成功はますます「自分のおかげだ」とゆるがない思いに固まってしまうのです。
 
だからこそ「恩をあだで返す」なんてマネができるのです。
 
「The Founder」という、有名な映画がありますね。
 
マクドナルド兄弟がはじめたハンバーガーショップのノウハウを教えてもらって大成功した男が、自分が創業者(Founder)だと名乗るというとんでもない物語です。
 
でもこれ、実話です。
 
そう、あの「マクドナルド」のお話です。
 
これはまさに、与えた「恩」が大きいからこそ「恩」を忘れられてしまった典型でしょう。
 
 

┃人間はしょせん、そのていどの生き物

 
昔からよく「犬だって三日飼ってもらった恩を忘れないぞ!」と言いますよね。
 
でも、それは犬だからこそ忘れないのであって、人間は三日世話になったていどの恩はかんたんに忘れる生き物。
 
ましてや、大きな恩はもっと忘れる生き物なのです。
 
誠に残念なお知らせですが、どうやら私たちは、しょせんそのていどの生き物のようです。
 
つまり人間とは、そもそも恩を感じにくく、恩を忘れやすい生き物だということですね。
 
だから、そんな人間に「恩を返せ」などと期待をかけてしまっては、かわいそうではないですか。
 
「恩知らず!」などと相手を罵っても、それはバッタに「君はバッタだね」と言っているのとまったく同じこと。
 
当たり前のことでしかないのです。
 
恩を受けるだけ受けて自分の手柄にする生き物。
 
恩をすっかり忘れてしまう生き物。
 
さらに恩をあだで返してしまう生き物。
 
それが私たち人間なのです。
 
だから、あんまり期待しすぎずにいてあげましょうよ。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 

 

生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
 


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