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心の健康法の効果が出ない理由

 

心の健康法の効果が出ない理由 生きづらい人生の歩き方 第30回

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生きづらい人生の歩き方

 

第30回
心の健康法の効果が出ない理由

 
いま日本では人生100年の時代に入ったと言われ、健康に対する意識が高まっています。
 
テレビや雑誌などでも、あらゆる健康法が紹介されていますよね。
 
そのほとんどは「科学」で証明されているものです。
 
さらに脳科学の発展にともなって、「心の健康法」も科学で証明されるようになってきました。
 
科学で証明されていると、私たちは安心してそれを使うことができます。
 
私たちにとって科学は「唯一の正解」の位置を不動にしていると言えるでしょう。
 
でもじっさいには、その心の健康法を試してみても、効果がまったく出ない場合があります。
 
それは、いったいなぜなのでしょうか?
 
答えはとてもかんたんで、科学は「唯一の正解」ではないからです。
 
私たちが日々目にしている、科学で証明された心の健康法は、あくまでも仮説でしかありません。
 
じっさいに多くの場合、反対の結論を示すデータや論文などが存在します。
 
たとえば、ある運動をすると穏やかな気分になれるという説が発表されれば、同じ運動によって不安になるという説も存在しているということです。
 
科学哲学者のカール・ライムント・ポパーは、テストされることによって反証できる可能性がない理論は科学ではないと言っています。
 
有名な「Falsifiability(反証可能性)」ですね。
 
参考文献:「科学的発見の論理」恒星社厚生閣
 
つまり、「唯一の正解」ではないからこそ科学と呼べるのであって、「唯一の正解」であると言い張った時点で、科学ではなくなってしまう。
 
「唯一の正解」を認めずに、仮説を修正しつづけていく営み。
 
それが科学だということでしょう。
 
したがって科学的な心の健康法も、すべての人に効果があるとはかぎらないのです。
 
そもそも、その「心」というものについても、自然科学という同じ分野にいる人同士で、だいぶ意見が異なっています。
 
たとえば解剖学者の三木成夫は、「心」には、外からの刺激に興奮する「内臓のはたらき」が密接に関係していると述べています。
 
参考文献:「ヒトのからだ-生物史的考察」うぶすな書院
 
それに対して神経科学者セバスチャン・スンは、「脳の配線」の活動をすべて観察することさえできれば、「心」を解読できると述べています。
 
参考文献:「コネクトーム」草思社
 
お互いに、「心」についてまったく別の正解を持ち、研究をしているのです。
 
じつはここに、生きづらさを抱えた人が、この世界を生き抜いていくための非常に重要なヒントが隠されています。
 
それは、二人が「あえて」そういう立場に立っているという点です。
 
二人とも、他にも正解があるのは重々承知している。
 
でも、自分はこの正解を「選ぶ」。
 
数ある正解の中から、みずから信じる正解を「選んでいる」ということです。
 
私たちは幼いころから、すべてのものごとに「唯一の正解」があるかのように教え込まれてきました。
 
とくに、目の前にある現象については、自然科学で証明されていることが「唯一の正解」であるかのように教わってきた方がほとんどではないでしょうか。
 
だから私たちは、ごく当然のように科学的な「心の健康法」を受け入れることができます。
 
しかし、科学は「唯一の正解」ではありません。
 
あなたが、心を楽にしたい、心を豊かにしたい、心を強くしたいと願うとき。
 
「唯一の正解」を求めつづけるかぎり、その答えは永遠に得られないでしょう。
 
だから、数ある正解候補の中から 自分で正解を選ぶ
 
あなたが正解を決める。
 
必要であれば、 みずから正解を創り上げていく
 
生きづらい人生を歩いていく上では、その態度が非常に大切になるのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶ かつのり(信夫克紀)
 
参考文献
カール・ライムント・ポパー「科学的発見の論理」恒星社厚生閣
 
三木成夫「ヒトのからだ-生物史的考察」うぶすな書院
 
セバスチャン・スン「コネクトーム」草思社
 
 
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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない


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