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更新日:2023年11月7日

自分は本当に「生きづらい」のだろうか?

 

自分は本当に「生きづらい」のだろうか?

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生きづらい人生の歩き方

 

第139回
自分は本当に「生きづらい」のだろうか?

  

┃ただ弱音を吐いているだけじゃないのか・・・?

 
本当に自分は生きづらいのだろうか?
 
ただ甘えているだけじゃないだろうか?
 
ただ意志が弱いだけじゃないだろうか?
 
そんなふうに、自分の「生きづらさ」に自信をもてない人がいます。
 
あなたももしかしたら、そのお一人かもしれません。
 
じつは、私もずっとそう悩んでいました。
 
自分ていどの苦しみで、生きづらいなんて言ってはいけない。
 
他にもっと大変な人がいる。
 
他にもっと苦しんでいる人がいる。
 
自分は、ただ弱音を吐いているだけだ・・・。
 
そんなふうに感じていました。
 
そして生きづらいという思いを噛み殺して、日常生活を必死で送っていたのです。
 
 

┃「生きづらい」と自分で認められない理由

 
私たちはどうして、そうかんたんに「生きづらい」と認められないのでしょうか?
 
もちろん理由はたくさんあります。
 
ただ一つ、共通して言えること。
 
それは、自分を生きづらいと認められない人の苦しみは「わかりにくい」ということです。
 
もし、あなたが「生きづらい」と相談したとき。
 
誰もがすんなりと「それは苦しいよね」と共感してくれるような生きづらさであれば。
 
きっとあなたも、すんなり自分を生きづらいと認められたことでしょう。
 
しかし、現実は真逆。
 
誰に相談しても、
 
「ああ・・・、そうなんだ」
 
「そんなの誰にでもあることだよ」
 
「気にしない方がいいんじゃないの」
 
と言われるだけ。
 
ときには、
 
「もっと大変な人がいるよ」
 
「もっと苦しんでいる人がいるんだから」
 
と、わかったような説教まで受けてしまう。
 
その中で「いや、私は生きづらいのだ!」と信念を貫きとおせる人はなかなかいないでしょう。
 
というか、それができる図太さがあれば、ハナから生きづらくなんてないでしょう。
 
これは共感してくれなかった人や、わかったような説教をしてきた人のせいにしようという単純な話ではありません。
 
そのような人たちが多数派を占めるなかで、自分を堂々と「生きづらい」と認めることはかんたんではないということ。
 
たとえば、私は極度の植物嫌悪症です。
 
植物を直視できませんし、植物柄の物に触れることすらできません。
 
小学生の私の子が夏休みの課題で「朝顔」をもって帰ってくるにあたり、私のために、この件にどう対処するか家族会議を開いたくらいです。
 
そのため行動をかなり限定され、猛烈に生きづらいのですが、40歳になるくらいまで、ハッキリとはそう思えませんでした。
 
それは、「植物が嫌い」と言っても、まったくその苦しみが誰にも伝わらず、一度も共感されたことがなかったことが大きいと思います。
 
医師に話しても、笑われて診断の土台にもあがらなかったため、「植物嫌悪症」という名前も自分でつけたくらいです。
 
こんなに特異な性質であっても、生きづらいと認められなかった。
 
今思うと自分でも不思議ですが、理解されず共感されないなかで、たった一人自分だけで自分を生きづらいと認めること。
 
これは、かなり大変なことなのです。
 
 

┃隣の芝は青く、他人の闇は黒く見える

 
長年カウンセラーをしていて思いますが、生きづらい人は本当に真面目でストイックな方が多いです。
 
そのため他人の苦しみを過大評価して、自分の苦しみを過小評価する傾向が強いです。
 
オンラインサロンの中でお話をうかがっていても、
 
「〇〇さんは、本当にすごいと思います。あんな苦しみを耐え抜いて・・・」
 
といったことをよくお聴きします。
 
でもハタから見ている私からすると、そうおっしゃる当のご本人も、かなりの苦しみを耐え抜いています。
 
よく今日まで生き抜いてこられたなと思う苦境を乗り越えておられるのですが、ご本人にはその自覚がない。
 
私がそう伝えても、
 
「そうですかねぇ・・」
 
とすんなりは受け入れることができない方が多いです。
 
「隣の芝は青く見える」って言い回しがありますよね。
 
まさに、あれの逆バージョン。
 
「隣の闇は黒く見える」です。
 
他の人の苦しみはとても大きく見えるけど、自分はこんな小さなことで苦しんでいる。
 
そう感じてしまう傾向が、生きづらい人は強くあります。
 
カウンセリングの現場でも「私なんかが受けてよかったんでしょうか?」とおっしゃる方も少なくありません。
 
そしてじっさいにご相談をお受けすると、やはりたいへんな生きづらさを生き抜いておられる。
 
たしかに、その苦しみはわかりにくい。
 
とても「地味」で「説明が難しい」ものも多いです。
 
それでも、その苦しみを抱えて生きてきたことは、誇れるほどすごい偉業であることは間違いありません。
 
きっとあなたの生きづらさも、人に共感されにくく、「地味」で「説明が難しい」ものがたくさん含まれているのかもしれません。
 
顔と同じで、他人の苦しみは輪郭が見えますが、自分の苦しみの輪郭は見えないのです。
 
それを自分でハッキリと「生きづらい」と言い切るのは、言うほどかんたんではないんですよね。
 
では、いったいどうしたらいいのでしょうか?
 
 

┃自分を「生きづらい」と認められる方法

 
ここまで、このコラムをお読みいたただいたあなた。
 
あなたはきっと、かなり深い生きづらさを抱えておられると思います。
 
なぜなら・・・。
 
私のコラムは、生きづらくない人が読んだら、2秒で逃げ出したくなるからです。
 
こうして今、私の文章をしっかり読んでくださっていること、
 
しかも、最終章まで読んでくださっていること。
 
それ自体が、生きづらくなくっちゃできないこと。
 
あなたが、本気で毎日苦しんでいることの証です。
 
だって私がここに書いたことは、まさに「わかりくく」「地味で説明が難しい」ことですから。
 
それに共感して、ここまで読み進めてこられたあなたは。
 
自分を生きづらいと認めてあげていいのではないでしょうか?
 
私に、あなたを「生きづらい」と勝手に診断する権利はありません。
 
だけど「事実」が物語っている。
 
深い生きづらさを抱えた人しか共感できない文章を、自分は思わずここまで読んでしまえたという「事実」を知ること。
 
それこそが、自分を「生きづらい」と認めるための方法です。
 
そんな共感とたくさん出会えるように、私は「Adic Salon」を創りました。
 
深く悩み切った生きづらい人同士にしか生まれない共感があります。
 
それを知ることで、私たちはようやく自分を「生きづらい」と認めてあげることができるのです。
 
 

┃あなたにしかできないこと

 
最後にあなたへ。
 
生きづらいだけでも大変なのに、生きづらいと認められないという苦しみも抱えて生きてきた。
 
本当にしんどかったでしょう。
 
でももうその苦しみは、ここでおろしていいのではないでしょうか?
 
「私は、生きづらい。」
 
そう自分を認めてあげてください。
 
誰にも遠慮はいりません。
 
そしてほんの少しでも楽になってください。
 
そしてその生きづらさの中を生き抜いてきた、自分自身を褒めてあげてください。
 
そのしんどさを心底理解してあげられるのは、世界中でただ一人。
 
あなたしかいないのですから。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
148.FIRE達成!で、どうするの? 
 


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読むと心が強くなるコラム

「読むだけで生きる勇気が湧いてくる」と大好評をいただいている、しのぶかつのり(信夫克紀)の連載コラムです。
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