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許すか、許さないか

 

生きづらい人生の方 許すか、許さないか

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生きづらい人生の歩き方

 

第56回
許すか、許さないか

 
人生を真剣に生きていれば、「許せない人」の一人や二人はいるものですよね。
 
そこでよく生じてくるのが、
 
「許すか、許さないか」
 
という問題です。
 
許さない努力」にも書かせていただきましたが、許せない人を許そうとして苦しんでいる人は、本当に多くいらっしゃいます。
 
生きづらい人には、とくにその傾向が強いようです。
 
ときおりカウンセリングの現場でも、こんなご質問をいただくことがあります。
 
「しのぶさんは、自分を虐待した相手をもう許しているのか、いないのか、どちらなのでしょうか?」
 
私はふだんから、生きづらさを脱け出して心地よい人生を送っていると口にしています。
 
また、カウンセラーという仕事をしているせいもあってか、
 
「もちろん、許していますよ!」
 
という答えを予想している方が多いようです。
 
でも、だいたい私は次のようにお答えします。
 
「どちらでもいいと思っています。」
 
べつに、投げやりになっているわけではありません(笑)
 
もちろん、ご相談者様を困らせようとしているわけでもありません。
 
「許すか、許さないか」という判断を、放棄しているのです。
 
許さない努力」も、まさに「許すか、許さないか」という問題から離れるための方法です。
 
許す努力をして許せるのであれば、許してしまえばいいですよね。
 
ただ、許すとか許さないというその考え方自体が、私たちに苦しみを与えている。
 
そんなふうに考えてみることも大切かもしれません。
 
そもそも「許す」という考え方は、なんだか傲慢だとは思えないでしょうか。
 
悪いのは完全に相手であり、自分はそれを断罪する側であり、だからこそ許す権利は完全に自分にあり、それを相手に行使する。
 
「そんなことができるほど、私って立派な存在なのかな?」と感じてしまう人もいるはずです。
 
また、たまに耳にする「許してくれ」というセリフも、よく考えると理にかなっていません。
 
「私が悪かった。好きにしてくれ。」
 
と言うのならまだわかります。
 
でも、
 
「私が悪かった。許してくれ。」
 
というのは、やっぱり傲慢じゃないでしょうか。
 
だって、許してもらって楽になるのは加害者の方です。
 
相手に害を加えておいて、さらにそれを許してくれとは、どれだけ身勝手なのでしょうか。
 
さらに、なにを「害」だと思うかも人それぞれです。
 
私は、極度の植物嫌悪症です。
 
そのために、病院といった公共施設をまともに利用することができず、レストランやホテルの利用も制限され、それを相談するとたいてい笑われたり「わがまま言うな」と説教をされます。
 
それをいちいち取り上げて、許すかどうかの判断をしていたらかんたんに一日が終わってしまいます。
 
「害」の認識があるていど社会で共有されているから、許すかどうかと考えることができる。
 
私のように「害」だと訴えても、いっさい誰にも通じない者からすれば、許す許さないという感覚は、たいへん贅沢な感覚だと感じてしまいます。
 
だから私は、許すとか許さないという判断そのものが、いつからかしっくりこなくなってしまいました。
 
そして、その判断自体を放棄してしまったのです。
 
これは相手を恨まないということとは、まったく違います。
 
許すかどうかという問題に対して、時間を使わないということです。
 
時間は命と同義語
 
その問題に、自分の貴重な命を使う価値が本当にあるのでしょうか。
 
許そうと思って許せるていどの問題なら、誰だってとっくに許しているはずです。
 
それができないほどの「害」を自分に加えた人だからこそ、許せずに苦しんでいるわけです。
 
それを、なぜわざわざ許してあげなくてはならないのでしょうか?
 
ましてや自分だっていろいろな人に迷惑をかけて、動物や虫や植物や微生物を徹底的に害して生きているのに、誰かを許すとか許さないなんて決める立場に、自分は本当に立っているのでしょうか?
 
また、許すとか許さないという感覚は、自分が「完全な被害者」であるという立場に心を固定してしまいます。
 
それは非常に視野を狭くしてしまい、思考の柔軟性を失わせる状態です。
 
なにかしらの「害」を受けたうえに、視野と思考の自由まで奪われるなんてワリに合わないでしょう。
 
他にもいろいろな側面がありますが、許すとか許さないという問題にかかわっていると、一貫して、
 
「ろくなことがない」
 
のです。
 
だから、そこには徹底的にかかわらない。
 
「害」を加えられたと感じるのなら、恨んでもいい。
 
ただ「許すか、許さないか」は放っておく。
 
そんな選択肢があってもいいもいいのではないでしょうか。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 


生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.苦手なことへの適切な対処法
68.心配ごとが頭から離れない
 


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