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社会に絶望している人へ

 

社会に絶望している人へ 生きづらい人生の歩き方 第27回

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生きづらい人生の歩き方

 

第27回
社会に絶望している人へ

 
10年後、私たちの住むこの社会はどのような姿になっているでしょうか?
 
あなたは、そこでどのように暮らしているでしょうか?
 
「そんなこと考えたくもない…」
 
生きづらいと感じている人であれば、そのように、社会と自分との関係に絶望を感じているかもしれません。
 
こんな社会で、未来など想像できない…と。
 
たしかに今の社会には、生きづらさを助長させる要因がたくさんありますよね。
 
でも私は、10年後には「まったく違う社会」になっていると思います。
 
平和が維持されていれば、10年後の社会では、私たちがいつかやってくる「未来」だと思っていたシーンが、当たり前のように展開されているでしょう。
 
通信環境がよくなり、なにをするにも「その場」にいないくてもよくなっている。
 
離れた場所にいる複数の人同士が、同時に、しかも自然に会話をしている。
 
場所を選ばず自分に必要なデータやコンテンツ、サービスを呼び出し、あらゆる機器を離れた場所から操作している。
 
自動運転によって、車の中でさえ自分の作業空間になっている。
 
結果として、会社という組織は存在しても、社員が集まって仕事をする「オフィス」という場所は劇的に減っているでしょう。
 
大学の多くも、校舎がなくなっている。
 
通勤や通学という言葉も過去のものとなりつつあり、
 
「みんなが同じ時間に、同じ場所へ行って仕事をし、同じ時間に帰ってくる」
 
という行為は、非効率的でバカバカしいことだという感覚が、当たり前となっているでしょう。
 
それが常識になる。
 
常識が変わるのです。
 
少しストレートに表現してみれば、今までの社会に懸命に適応しようとしていたことが、バカらしく感じられる時代が来るかもしれないということです。
 
このような流れは、今にはじまったことではありませんよね。
 
たとえば、10年前と今とを比べてみましょう。
 
スマートフォンなんて誰も持っていませんでしたし、ネットはわざわざパソコンで見ていました。
 
ブラック企業は当たり前で、今とは比べものにならない数の人が過剰な残業を強いられて、それをこなすことがカッコよく、仕事熱心であるという文化すらありました。
 
育児休暇を取りたいなんて、とても言い出せる雰囲気ではなかった。
 
子育てに参加する「イクメン」は圧倒的少数派(というかそんな言葉すらなかった)で、子煩悩の親バカどころか、女性の調子取りとまで言われていました。
 
教育においても「ゆとり教育」がおこなわれ、授業の内容も量も、休日の数も今とはだいぶ違っていました。
 
つまり10年経てば、社会は変わってしまう。
 
しかもその速度は、次の10年に向けてさらに速くなっているのです。
 
そう考えると、今の時代において、よく言われるような人生の「10年計画」をたてることは、あまり役に立たないかもしれません。
 
「5年計画」でも怪しい。
 
人生の計画は「3年計画」ていどでかまわない。
 
そして半年ごとに更新するのが現実的でしょう。
 
私の話で恐縮ですが、私の学生時代の社会では、大学を卒業していなければ住むところもなくなるかのように言われていました。
 
親だけではなく、学校の先生からメディアまでが、こぞって口をそろえてそう言っていたのです。
 
でも、じっさい今はどうでしょうか?
 
まったくそんなことはありません。
 
大学を卒業していない人たちが、当たり前のように社会でポジションを得ることができています。
 
この社会の変わりっぷりを見ると、私と同世代のいわゆるロスジェネ諸氏の多くは、当時の大人たちが、
 
「詐欺集団」
 
のようなものだったと、思わず苦言をもらしたくなるのではないでしょうか。
 
といっても、当時の大人も子供をだまそうと思って言っていたわけではない。
 
今自分たちの目の前にある社会が、ずっとつづくと思い込んでいただけ。
 
社会は激しく流れていることに気づけず、今と同じ社会がつづくことを無条件に信じてしまっていたのです。
 
だから私たちも、将来のことを考えるとき、自然と今の社会がつづくことを前提として今後の人生について考えてしまいます。
 
そして、必死で今の社会に適応しようとする。
 
適応できなければ先はないと、絶望すら感じてしまうのです。
 
でも社会は変わっていく。
 
どんどん変わっていくのです。
 
ちなみに私は大学を出ていません。
 
後悔すると言われましたが、その後の人生において「入っておけばよかった・・・」と思ったことは一度もありません。
 
大学を出ていないからといって困ったことも一度もありません。
 
たぶん今後もないでしょう。
 
もしそう感じる場面に遭遇し、大学で学ぶ必要を感じたら、今から入ればいいだけです。
 
10年前と違って、通信で受講できる大学も増えていますし、社会人向けに無試験で入学できるところもあります。
 
こんな時代が来るとは、当時の大人たちは予想していなかったでしょう。
 
無理やり受験勉強をさせられた、あの時間と労力を本当に返して欲しいと思います。
 
だからと言って、誰も謝ってくれません。
 
それが社会です。
 
社会は壮大な実験場です。
 
ただその「実験」の責任者がいない。
 
誰も責任をとってはくれないのです。
 
だから、社会が今なんの「実験」をしていて、どんな「結果」が出ているのかを、自分の目で確認していかなければならないのです。
 
私たちはついつい、今の社会がつづくことを想定して、自分には適応できない、もうなにもできないと考えてしまいがちです。
 
でも社会は大きく変わっていきます。
 
「実験」の結果、適応できない人が出てきたら、今度はそのような人たちが生きられるように社会は変わっていくでしょう。
 
その可変性が、現代日本の一番いいところだと私は感じています。
 
生きるための選択肢が増えていくのです。
 
絶望する必要はない。
 
新しく生まれる選択肢に目を向けて、私たちは進む方向を自分で選んでいくことができるのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
信夫克紀(しのぶ かつのり)
 

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生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.生きづらい人がAI時代に生き残れる仕事とは?
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.生きづらい人向け「ビジネスの成功法則」
4.あなたは「善人」ですか「悪人」ですか?
5.お金は好きですか?-生きづらい人が陥るお金のジレンマ
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.生きづらい人は「リア充」より「ジツ充」を目指そう
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.自分と同じ症状の人が見当たらない
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.生きづらい人は仕事を「三つ」もとう
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの活かし方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.「社会の常識」に振りまわされない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.家にも世の中にも居場所がないときの解決法
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
65.あと一歩が踏み出せない
66.なぜメンタルが弱いのだろう…?
67.生きづらい人が「苦手」を克服する方法
68.心配ごとが頭から離れない
69.認められたいのに認めてもらえない
70.引きこもりは「悪いこと」なのか?
71.楽に生きたい
72.失言が多いので減らしたい
73.誰も心配してくれない
74.お金の上手な使い方
75.やる気が出ないのはなぜなのか?
76.深く悩んでいる人の方が「えらい」のか?
77.生きづらい人が幸せになりたいなら
78.この人と結婚していいのか?
79.心が敏感な人向けの対処法から抜け落ちている視点
80.人生を変えられる人と、変えられない人の違い
81.親が嫌いな自分はおかしいのか?
82.著名人と自分を比べてしまう
83.自分を信じられない
84.上司や部下に言うことを聞いてもらえない
85.劣等感は克服も解消もしなくていい
86.ポジティブシンキングがうまくできない
87.結果だけで判断される社会
88.「自分がされたら嫌ことは他人にしてはいけない」の嘘
89.「性格が悪い」と言われてしまう
90.「ありのままの自分」というやっかいな問題
91.「お金」以外に8つの基準をもとう
92.どうしてこんなにつらいのに誰にも伝わらないのだろう?
93.仕事が恐い、職場が恐い - その恐怖の正体と解決策
94.「恩知らずな人」を許せない
95.他人を不愉快にさせてしまう
96.「等身大の自分」という言葉にひそむ罠
97.有効な「貯金」の仕方を身に着けよう
98.「なぜ怒っているのかわからない」と言われてしまう
99.頑張っているのに結果が出ない・・・
100.自分を「弱い」と感じている人へ
101.集団になじめないなら「思いどおり」にやろう
102.無駄に苦しんできただけだった
103.お金の不安をなくす方法
104.私の「すべて」をわかってもらいたい - わかってもらいたい症候群
105.なぜ苦しみを「克服」できないのか?
106.生きづらいなら「心地よい人生」を目指そう
107.生きづらい人は「扁桃体をいたわる生き方」を身に着けよう!
108.生きづらい人が自由になれる「メタ思考」とは?
109.世間との「ほどよい距離」の取り方とは?
110.たんたんと生きる
111.生きづらい人が目標を達成できない本当の理由
112.三理一体の法則がうまくいかない人の共通点とは?
113.カタルシスが生きづらさ脱出の「起爆剤」になる理由
114.「生きづらさ克服」の気力を失いそうなあなたへ
115.「仕事に行きたくない、家にいたい」当事者の声と具体的な対処法
116. 気が弱い人が人生を変える極意
117.消えない恨みへの「レベル別」対処法
118.生きづらさをこじらせる「完全な被害者バイアス」とは?
119.生きづらいなら「役割」を果たし人生を落ち着かせよう
120.生きづらい人にもっとも大切な支援
121.生きづらい人は「意志が弱い」のか?
122.自分軸よりも大切なもの -「実存軸」で生きよう
123.人の言葉に傷つきやすい人が知ると楽になる二つの事実
124.メタ思考力を鍛えたいなら「バカ」や「アホ」ともつき合おう
125.生きづらさの「原因」を安易に特定するネット記事が多すぎる
126.「誰でもHSP症候群」にかかった日本
127.「結論だけ欲しがる社会」に踊れされるな
128.生きづらい人は「ギバー」を目指さなくていい
129.「一人で生きていく」と決めた生きづらい人に必要な覚悟
130.マイノリティは、なぜ生きづらいのか?
131.生きづらい人の「意識」の上手な活かし方
132.もんもん耐性、それは自分の「本質」と向き合える力
133.生きづらい人はAIと仲良くなれる - 関係性のシンギュラリティ
134.「メンタルが強い人」のアドバイスを真に受けない
135.雑談力は必要か?雑談できないあなたへ
136.嫉妬しやすい人が「嫉妬しない人」になりたいなら
137.お金に振り回されなくなる「二つの力」
138.日本社会で生きづらい人が苦しんでいる本当の理由
139.自分は本当に「生きづらい」のだろうか?
140.生きづらい人はコミュニケーションが得意という事実
141.内にこもりたいとき、あなたはどうしていますか?
142.「憧れの人」を目指すな - ビジネスの成功者に憧れる生きづらい人へ
143.私には不満がない
144.「無駄にプライドが高い人」が好きだ
145.その他大勢になるな、唯一無二のままであれ。
146.「生きる意味」が見つからない、生きづらい人へ
147.「異物」として生きて
 


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