居場所がない

 

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生きづらい人生の歩き方

 

第61回
居場所がない

 
現在の日本は文化が多様化し、いろいろな「居場所」があります。
 
ひと昔前なら、アニメを好きな人も「オタク」と呼ばれ冷たい目で見られていたものですが、今や世界を巻き込み一大文化圏を築いています。
 
それぞれの人がもつ趣味趣向にたいして、社会のふところも広くなっているということなのでしょう。
 
しかし、そんな居場所だらけに見える社会のなかにあって、
 
「居場所がない」
 
と悩んでいる人がおおぜいいます。
 
とくに生きづらさを抱えている人には、居場所がないと感じている方がとても多いです。
 
カウンセリングのなかでよく聴く言葉にも、
 
「どこに行っても、ここは自分の居場所じゃないと感じる」
 
という表現があります。
 
学校や職場、趣味の場や飲み会、サークルやクラブ活動、友達づきあいや恋人関係、そして家庭…。
 
どこで誰と接していても、自分が自然といるべき場所、居心地のいい場所だとは思えないのです。
 
どこかよそよそしく、どこか落ち着かない。
 
まるで底なしの大地の上に立ちつづけているような違和感がある…。
 
居場所がなければ、心から休まる瞬間が得られません。
 
しかもこれだけ多様化した社会のなかで居場所がないというのは、たいへん切実な問題だと言えるでしょう。
 
そこで、生きづらさを抱えた人は自分の居場所を見つけるために、いろいろなことを試してみます。
 
今までやったことのなかった趣味のサークルに参加してみたり、SNSでの交流を熱心にはじめてみたり、心のすき間を埋めてくれるような理想の恋人を探してみたり、不仲であった両親との関係を修復しようとしてみたり…。
 
しかし、どんなに試しても居場所が見つからないのです。
 
そして悩みに悩んで、心理や自己啓発、宗教の世界に足を踏み入れてみる。
 
ワークショップやセミナーなどにも参加してみる。
 
そこで、
 
「居場所がないと思っているのはあなたの思い込み」
 
「思っている以上にあなたは愛されている」
 
「愛されていない記憶は勘違い」
 
といった、たいへんお気楽なアドバイスを受ける。
 
しかし、愛されていないと勘違いしていた人と、本当に愛されていない人は、まったく別のカテゴリーに存在しています。
 
そのため、ただ勘違いをしていただけであった周囲の人たちとは、やがて話が合わなくなってきます。
 
結局、居場所がなくなっていくのです。
 
では、どうすれば生きづらい人は自分の居場所を手に入れられるのでしょうか?
 
重要なのは、
 
「根源的なカテゴリーに気がつく」
 
ということです。
 
私たちは、まずはじめに「人」というカテゴリーでくくられています。
 
あなたも、それが当たり前だと思って生きてこられたのではないでしょうか?
 
しかし、もしかするとここに無理があるのかもしれません。
 
「人」であるというのは、あくまでも「生物学」というディメンション(指標・次元)で分けた結果です。
 
そのディメンションで見たとき、たまたま「人」という一緒のカテゴリーに入っただけに過ぎません。
 
たしかに目の位置や鼻の数、毛におおわれている部分、二足歩行するといった点などがだいたい同じなので、うっかり納得してしまいます。
 
でもよく見たら、各個体によりだいぶ性質が違います。
 
考え方もぜんぜん違いますし、心の敏感さや生活のスピードなど、他のディメンションで判断したら、「人」をすべて同じカテゴリーに入れてしまうのはかなり強引だと言わざるをえません。
 
なまじ言葉が通じるから同じカテゴリーのような気になっていますが、じつは一緒にいること自体が無茶である関係かもしれないのです。
 
「人」以外のカテゴリーの方がよっぽど合っているという性質のひとはおおぜいいます。
 
じっさいに、あなたの周囲にいないでしょうか?
 
人なんかよりもよっぽど「猫」に近い人、「ナマケモノ」に近い人、「蚊」に近い人。
 
そして生命だけではなく「川」に近い人、「掃除機」に近い人、「カッターナイフ」に近い人…。
 
私自身で言えば、「人」より圧倒的に「犬」の方に近いと思います。
 
もちろん電柱の根元のにおいをよろこんでかいだりはしませんが、「犬」のカテゴリーで暮らしているととにかく落ち着きます。
 
「犬」とは言葉を交わせなくとも、よっぽど通じ合っている感覚があります。
 
一方、「人」については、相手がなにを言っているか本当によくわかりません。
 
相手の「人」も、私がなにを言っているのかよくわからないようです。
 
正直に言って「同じカテゴリーの存在」だとはとても思えません。
 
でも最初は私もそれに気づかず、同じカテゴリーにいると思っていました。
 
そしてずいぶん文句を言われてきたので、必死になってそのカテゴリーに合わせようとしてきましたが、おかげ様で身も心もボロボロになりました。
 
あなたも「物」の方が落ち着くとか、「木」や「花」と一緒にいる方がいいとか、「動物」や「虫」の方が合っていると思うことはありませんか?
 
この世界を「生物学」というディメンションで見れば、たしかに「人」は同じカテゴリーに入るかもしれません。
 
しかし、世界のディメンションは無限にあります。
 
ある一つのディメンションをピックアップして「同じである」と判断するのは、無理があるのです。
 
かんたんに言えば、私たち人間は「同じカテゴリーにいる」と思って近づきすぎている。
 
お互いがこんなにも「違う」のに「同じ」だと思い過ぎているのです。
 
こんなにまで違う存在であるにもかかわらず、無理やりみんな同じ場所にいようとしたら、
 
「居場所がない」
 
と感じる人がいて当然。
 
居場所がないと思うことは「正常」なのです。
 
こんなことを言うと、
 
「社会のなかで人に支えられて生きているのだから、そんな甘えは通用しない」
 
と言う方がいるかもしれません。
 
たしかに「人」は「人」に支えられて生きています。
 
しかし、支えてくれているのはなにも「人」だけではありません。
 
私たちは「石」や「土」がなければ家を建てることもできませんし、「米」や「牛」がいてくれなければ体を維持することすらできません。
 
支えてくれているという点では、「人」も「それ以外の存在」もまったくかわりがありません。
 
「人」だけに支えてもらっているわけではないのです。
 
だから人同士は、「生物学」というディメンションだけを共有していればいい。
 
そして「人」にこだわらず、あらゆる「存在」とディメンションを共有できる場を見つけ、そこを居場所にすればいいのです。
 
もしあなたが、その場所を見つけられないのなら。
 
つまり、それでも居場所がないと感じるのなら。
 
自分で創ればいい。
 
あなたに合ったディメンションを示して、あなたに合った「存在」を集えばいい。
 
あなたを基準にした世界を創りあげる。
 
そこがあなたの居場所になる。
 
あなたは、あなたというディメンションなのです。
 
この世界でたった一つ。
 
他にかわりはいない。
 
あなたは、
 
「唯一無二のディメンション」
 
なのです。
 
Brain with Soul代表
生きづらさ専門カウンセラー
しのぶかつのり(信夫克紀)
 


生きづらい人生の歩き方 <目次>

1.AI時代に生き残る仕事
2.「世界一即戦力な男」に見る引きこもり脱出の糸口
3.これからのビジネスの成功法則
4.善人なんていない
5.お金は好きですか?
6.「お金もうけ」にとらわれなくなる話
7.「リア充」を目指すより
8.我慢してるのに自分勝手と言われる
9.生きづらさの正体
10.死んでも世界はつづくのか?
11.実存を充実させる生き方
12.他人の目が気になる人へ
13.「ジツ充」の極め方
14.不安の上手な対処法
15.変えられること、変えられないこと
16.「変えられること」の見つけ方
17.感情に飲み込まれない方法
18.人に拒絶されると傷ついてしまう
19.人生を変える方法
20.人生が変わる瞬間に必ず起こる問題
21.「心の空間」を生きる
22.話が噛み合わないと感じるなら
23.人生に疲れ果てたとき
24.「自分らしさ」とは何か?
25.AIと張り合うくらいなら
26.ジツ充とジコチュウの違い
27.社会に絶望している人へ
28.ネガティブ思考を変える適切な方法
29.仕事は三つもつ
30.心の健康法の効果が出ない理由
31.ベーシックインカムで将来も安心?
32.「悩み解決書」で悩みが解決しない理由
33.生きづらさを癒す一つの方法
34.もっとクヨクヨ考えよう
35.仕事を三つもつ理由
36.好きなことを仕事にする…?
37.苦しみの使い方
38.向かい風を追い風にする生き方
39.行動力を身につける方法
40.お金との上手なつき合い方
41.自己洗脳と自己欺瞞
42.人並みという幻想
43.元気がないと幸せになれないのか?
44.社会の常識に振り回されない
45.気が休まらない…
46.綺麗事に気づいてしまう人
47.生きづらい人が起業を成功させられる理由
48.そんなかんたんな話じゃない
49.人に気をつかい過ぎて疲れしまう
50.悩み過ぎて体がガチガチ
51.正解なんてない
52.心に余裕がない
53.誰に相談したらいいのかわからない
54.やる気はどこから湧いてくる?
55.人と対立してしまう
56.許すか、許さないか
57.生き方を決める
58.好きなこと探しの迷宮
59.生きづらさは誰のせい?
60.集中しすぎてしまう
61.居場所がない
62.不用意に交友関係を増やそうとしない
63.自分を最強の味方にする方法
64.世間のしがらみから脱け出したい
 


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